いよいよスカルドゥを出てフンザへ向かう。お世話になったHさん、Aさんとバス会社のオフィスでお別れ。植林作業には戻ってこられるといいのだけど…。
今朝はなぜか腹痛で目覚めた。それから落ち着いてはいるが、長い移動は不安なので出発前に薬を買っておく。
ギルギット行ミニバスは9時半発、ギルギットまでは200km強の距離だ。出発時の乗客は3人だけだったが、途中で乗合タクシーのようにちょこちょこと人を乗せて走ることになった。来たときと同じようにスカルドゥから1時間のところにある橋のチェクポストでポリスチェック。そこからは谷を左に見ながらKKHに向け崖沿いのうねうね道が続くがミニバスなので対向車が来てもさほど苦労しない。道から見える集落には緑と杏のピンクが目立ち、1週間前とはだいぶ雰囲気が変わっている。
出発後約3時間、KKHまで70kmのところで昼食。そこから1時間半でKKHに入る。このあたり標高約1500mまで下っており、行く先々で緑が目立つ。それもこの時期ならではの新緑…目の覚めるような明るい緑が岩に囲まれた世界の中で力強く輝いている。
ギルギットまでの道はよく整備されていて1時間強で町まで10kmほどのところにある分岐点に着く。ギルギットに入る手前でポリスチェック、全ての車が停められチェックされている。僕も当然パスポートチェックを受ける。ギルギット周辺の道沿いで所々見かける鉄条網とアーミーの姿がここの現在の情勢をよく物語っている。チェックポイントから10分も走らないうちにバスターミナル到着。ここのバスターミナルは町から遠く離れており非常に不便(空港より遠いバスターミナルなのだ)。
フンザ行ミニバスの出発時刻を聞くと、18名の定員になるまで出発しないという。そして現在7名…もう4時過ぎだし11人集まるのに何時間かかるのだろう。この1時間ほど腹痛で苦しかったので少し危険でもギルギットの宿に行こうかと思い、警官に町の様子はどう?と聞いてみた。
It's not safe!
が彼の答え。それを聞いてた別の兄ちゃんもフンザに行くならそのまま行った方がいい、今ギルギットに入るのは危険だと言う。そこまで言われてはフンザに行くしかないだろう。再びミニバスのチケット売場へ行くと、あと数人で出発という状態になっていた。そして15分後には定員-1名で出発、よかった。
ギルギット-フンザ間の道もよく整備されておりミニバスは登りにも関わらず順調に飛ばしていく。そして、この車中見えた集落の緑は本当に美しかった。スカルドゥでは寒さを印象付けているだけだった真っ白なポプラの木々にも緑の葉が萌え全く別の顔を見せている。数日前アスコーレで見た冬ソナ的な白の世界からビバルディの「春」が聞こえてくるような緑の世界への見事な転換。自然の風景なのに人の筆による計算されつくした風景画のような調和を見せてくれる。向こうに見える木一本がなくなっても印象が違ってしまうだろう。僕は道中ずっと目を離さず外をずっと見入っていた。こんなに車窓を真剣に眺めたのは初めてかもしれない。
2時間半後、もうとっぷりと日が暮れた頃フンザ(カリマバード)に到着。ドライバーがどこの宿に泊まるんだ?と聞くので「決めてない。安宿が多くある所で降ろしてくれ」と答えたら、その場で降ろされた。乗客の1人が近くにあるひとつの宿を紹介してくれそのままチェックイン。ちょうど食事中だったので早速まぜてもらいがっつりご飯をかきこみ、停電中だったのでそのまま睡眠。早く明日になって明るいフンザの景色を見たいものだ。
↓(1日先取りですが)杏満開のフンザ
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