Day55 最後の聖地

8時15分頃起床。今日は西チベット仏教三大聖地の最後「ティルタプリ」へ行くので、手提げ袋にカメラ、水などを入れ、他の荷物はバックパックに入れて宿に預けておく。
9時に出発。ガイドブックには、歩いて約3時間と書いてあったが、宿のおばちゃん曰く、速ければ1時間で着くというのでちょっと早足で行ってみる。ムンツェルの集落を突っ切って谷の奥へ続く道をずっと進む。周囲はアメリカ西部的な草もほとんどない荒野が広がっているが、右手にある川の周りだけカーペットを敷いたように緑が伸びている。歩いていると、対岸にいた馬に乗った遊牧おじさんと目があって手を振って挨拶。気持ちのいい朝だ[:ラッキー:]
45分ほど進むと道はY字に分かれ、左へと進む。少し丘を上がったところで数キロ先にタルチョが見えた。あそこが目指すティルタプリだろう。車道を無視して直線で草原を突っ切って進むと30分ほどで着いた。ムンツェルを出て1時間15分ほど経っていた。
雰囲気としてはミニ「カッパドキア+パムッカレ」をタルチョやチョルテン、マニ石などでチベット風にした感じか。自然の侵食でできた岩なのにタルチョがかけられていていかにも霊験ありげに見えてしまう。台地の真ん中にはゴンパがある。コルラ道を一周してからゴンパへお参り。管理人のおじさんにチベット語で何か言われたので「ハコマソン(分かりません)」と答えたら「カムから来たのか?」と言われた。こんな華奢なカムパはいないだろう(笑)。リピン(日本)だと答える[:イヒヒ:]
ゴンパを出てチョルテンやマニ塚を一通り回って最後に道端でブクブク沸いている温泉を眺め、ここを後にする。カイラスコルラは当然だが、他の2つの聖地も期せずして歩いて訪れることになり、本当の巡礼を終えたような充実感がある。しかし、帰り道の足どりはさすがに重い。この4日間で80km以上歩いているはずだ。ティルタプリの先でキャンプをしていた白人グループのランクルが僕を追い抜かしていく。もちろん停まってくれない。ふん、俺はお前たちの見てないものをたくさん見てきたんだ、とランクルに向かって一人捨て台詞を吐く[:ぶー:]
12時半、ムンツェルの村に到着。荷物を拾ってから食事。食べ物なしで朝から4時間歩いたのでさすがに空腹だ。食後、1時過ぎからアリへ戻るためのヒッチを開始。今日は暖かく、午後になっても風が吹かない快適なヒッチ日和だ。しかし、車はまずまず通るものの1台も停まってくれない。ここからの帰りは問題なしと思っていたのだが…甘かったか。
村から500mくらい離れたところで車を待っていたので辺りには誰もいない。暇なので何となく「大草原一人カラオケ大会」をしてしまった。最近のお気に入りはミスチルの「未来」。ヒッチをしている毎日にはピッタリの1曲だ。

青空を眺めていてふと思った。そういえば、もう長いこと飛行機を見ていないような気がする。アリにはまだ飛行場がないのだ。空にあるのは雲と鳥だけ。
6時近くなってようやく1台のトラックが停まってくれた。アリ行を確認して乗り込む。着くのは深夜近くなりそうだが仕方がない。1時間半ほどして次の集落バルで停車。食事かと思ったら、「降りろ。後は歩け。」と言われる。目が点だ。
アリに行くんじゃなかったのかよ〜。これだからヒッチは着くまで油断できない。バルの町外れで30分ほど車を待つが、もう8時、さすがに車も通らない。しかたなく、少し手前にある招待所へ向かおうと歩いているとさっき乗ってきたトラックが出発した[:怒りマーク:]
あのドライバー、どういうつもりだったんだ?気が変わって人を乗せるのがイヤになったか、日本人だと分かって嫌がらせをしているのか…仕方がない、アリへ帰るのは明日にしよう。

本日の1曲 チャーリー・コーセイ「ルパン三世のテーマ」

↓ティルタプリ

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