Day65 再出発

昨夜は寝たのが2時過ぎだったし、疲れてもいたが、今日もまたヒッチのため8時前に起床。泊まっていた食堂兼宿にはトイレがなかったので300mくらい歩いて電話局敷地内の公衆便所を使わなければならなかった。宿を出て8時半ころ町外れで車待ち開始。
アリを出て日土までは120km、ここで泊まるドライバーは少ないようで町を出て行く車は全くない。9時過ぎ日が射してきてだいぶ暖かくなる。車が来る気配もないので再び街中へ戻ってみる。途中で荷降ろしをしているウイグル人のトラックがあり、オヤジから新疆へ行くのかと声をかけられた。荷降ろしがすんで4時間くらいしたらイエチョンへ出発するというので交渉するが言い値は400元、ヒッチ相場が上がっているためか強気でそこから下げない。どうせ出発は午後になるので、ここで話は決めず並行して車を待つことにする。
今日は共産党中央から来賓があるらしく、9時頃からメインストリートは通行止めになり公安と軍人が大勢道路に並んで到着を待っている。チベットに入ってから何度同じような光景を見たことだろう。バカバカしい。
しばらくその様子を見ていたら、昨日ビールをくれたチベタン兄ちゃんに声をかけられた。彼はシャベルを肩にかついでいて、土木作業に行くところだったようだ。いいところ1日50元くらいしかもらえないと思う。ビール1本(4元)はたぶん1時間分の給料に近い金額なのではないだろうか。そんな彼におごってもらったことに対して後ろめたい気がした[:しょんぼり:]
10時過ぎ再び町外れに戻って本を読みながら車を待つ。その間にさっきやってきた中共の来賓達が乗ったランクルが7台くらい連なって新疆方面へ去っていった。もちろん停めようともしなかった。2時過ぎ、車待ちを半ばあきらめて朝のウイグル人オヤジと再交渉。乗るのは僕を含め4人、トラックは新しいということなので、350元で手をうつ。なかなかやり手のオヤジだった。1〜2時間で出発するというので、トラック近くの清真料理屋で出発を待つ。が、(いつものことだが)いつになっても出発する気配はない。ずっと待ち続け、結局、出発したのは5時[:モゴモゴ:]
オヤジはトラックには乗らず、別の若い男が乗ってきた。3人は全員ウイグル人。恰幅のいいリーダー格の男を「ボス」、いかにも車好きでセナに少し似ている男を「アイルトン」、そしてもう一人の細身で目がうつろな男は元会社の先輩Y田さんに似ていたので、そのまま「Y田さん」と勝手に名づけた。出発してすぐ班公湖という湖に出た。かなり大きな湖で水も澄んでいる。水鳥の姿も見える。こんな湖が近くになるのを知っていればここの湖畔で車待ちをすればよかった。トラックは新しく荷台も空なのでかなりスピードが出る。平坦だと70km/h以上で走っていく。その名の通りアイルトンはスピードを出すのが好きなようだ[:モグモグ:]
湖沿いの道から離れ出発してから2時間ほどでドゥマの集落に到着。ここの清真食堂で食事。食事をのんびりとるくらいは構わないが、食後もいつまでたっても出発しない。この清真食堂はトラックドライバーの溜まり場になっていて、皆しゃべりながらウイグル語吹き替えのビデオを見ている。何とここで4時間滞在[:ムニョムニョ:]
僕までどうでもいい映画を2本見てしまった。再出発は11時ちょっと前。町外れに検問があって皆食堂で時間をつぶしながらこれが開くのを待っていたようだった。しかし、昼間からずっと閉まっていたということもありえないと思うが…。
そこから3時間ほど真っ暗な道を進む。この先に峠があってあまりスピードは出ない。うとうとしているうち、深夜2時過ぎに食堂兼招待所に到着。ここは夜食休憩なのか、宿泊なのか何も教えてくれない。ボスとY田さんは食堂奥の部屋へ消えてしまった。アイルトンが車へ戻ったので僕も一緒に戻るとアイルトンは寝るぞ、といって寝台に入った。そして僕も彼と互い違いになって一つの布団で眠った。

本日の1曲 Candy Dulfer「Sax A Go Go」

↓ビリヤードをするチベタン少女(ちゃんと突けるのだ)

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