Day67 脱出!チベット高原

8時過ぎにドライバー達が車に戻ってきて出発。今日は僕に座席後ろの寝台を指定し、ボスとY田さんが前の座席に座った。寝台は狭いので横になっているしかない。よくまぁこんな跳ねるところで眠れるもんだと思っていたらいつの間にか眠っていた(笑)。
10時過ぎにどこかで停車したとき目を覚ますと、そこは峠で辺りは雪景色[:雪:]になっていた。昨夜は雪だったらしい。アリを出てから700kmくらい走っているがまだ標高は4000m超のままだ。チベット高原はかなり北まで続いているんだなぁと実感。キロポストをチェックするが2時間で50kmくらいしか進んでいない。峠の下りに入ってもなかなかスピードは上がらない。
午後になって昼食休憩。ここでまたもボスが映画を見たために2時間かかった。今日中に着くかどうかも怪しくなってきた。今日は土曜日、明日はカシュガルで日曜バザールがあるので何とかカシュガルまでのバスがあるうちにイエチョンに着いておきたいのだが…
食後、ボスが2時間くらいステアリングを握った。昨日もそうだったが、ボスの運転はめちゃ遅い[:ムニョムニョ:]
アイルトンに交代して少しスピードアップ。しばらく下ると舗装道路に出た。
残り約200km、ここで一気に加速。頑張れアイルトン!と心の中で叫んだが

…ペースが上がらない。

おかしい。アスファルトの平坦な道で時速20km走行が続く。

友人ホセの言葉がどこかから聞こえてきた「カルロス、イライラしたら旅は負けだよ。アフリカ行ったなら分かってるだろう」。
「分かってるさ。でも、この状況は耐え難いよ」

道もフラットなのでイライラした気分を紛らわすために本を読み始めた。だいぶ前に読み始めた全3冊の大作「ワイルドスワン」ももう残りわずかだ。1時間くらいで読み終わった。相変わらずペースが遅いのでアイルトンに「何で道がいいのにこんなに遅いのか?」と聞くと

パンクしていた

右後輪の一つがパンクしていたためにスピードを出したくても出せなかったのだ。じゃあ、交換すればいいじゃん、スペアタイヤ付いてたよねと言うと、

「道具がない」

おいおい、あんた達この1000km以上続く悪路を行くのにパンクの可能性を考えてなかったってわけ?信じられない。後輪だったから何とか走ってるけど前輪がパンクしてたらストップしてたじゃんか。イライラを通りこして呆れてきた[:たらーっ:]
しばらく行くとクティの検問所に着いた。ここで全員通行証チェック。外国人はパスポートだけで問題なく通過できた。クティの町に修理屋があってようやくここでパンク修理にピットイン。1時間ちょっとかかってタイヤを交換し再出発。残りは約150km、ボス曰く「あと3時間くらいでイエチョンだ」。それはちょっと楽観しすぎじゃないの?
思ったとおりで、クティを過ぎてしばらく進むと最後の峠越えが待っていた。この峠は果てしなく長い。途中で真っ暗になり、どこまで登りが続くのか見えなくなった。登り終えるのに2時間くらいかかる。何があと3時間だよ…
下りはかなり順調で気温がだいぶ上がってきたことを感じる。ようやくチベット高原を脱出したらしい。残り90kmくらいからは平坦な2車線道路になってかなりスピードアップ。あと50kmくらいでイエチョンというところでまた幹線道路を外れる。今度は何だ?と思っていたら夕食。もう11時なんだからイエチョンに着いて家で食べればいいじゃん。しかし、もう完全あきらめモードに入っているので、一食分浮いたからいいかと気を取り直す。食後、Y田さんがどこかの家に届け物をしたり、ボスがイエチョン近郊にある家に帰っていったりして結局イエチョンの町に入ったのは深夜2時[:ぶー:]
アイルトンがどこに行くのかと聞くのでバスターミナルまで送ってくれるのかと思ったら、輪タクを停めてバスターミナルまで送るよう交渉していた。ま、2元ならいいか。イエチョンはさすがに暖かく、深夜に輪タクに乗っていてもさほど寒くない。今朝は雪の峠越えだったのに…不思議な感じだ。
10分ほどでバスターミナル到着。バスが数台停まっていたがカシュガル行はなかった。警備のおっちゃんがカシュガル行は明朝9時発だから今夜はそこの招待所に泊まりなさいとターミナル内の招待所まで送ってくれた。はぁ、ようやく新疆か…長かった。さすがに疲労困憊[:撃沈:]

本日の1曲 福山雅治「ESCAPE」

↓雪の峠越え

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