Day73 夏のフンザ

昨夜、寝る前は暑いくらいだったのだが、いつの間にか気温が下がり6時頃寒くて目が覚めた[:冷や汗:]
そういえばこのベッド、枕はあるが毛布はない。少し着こんでまた眠りにつく。7時半ころ起きて洗顔。向かいにそびえるラカポシ山を眺めながらコーヒーを飲む。至福の一時だ。しばらくのんびりして8時半過ぎに昨日注文していたフンザブレッドを取りにいく。店がまだ開いていなかったので、しばらく村の中心部を歩いて時間をつぶす。春は(杏の花で)ピンクと白に染まっていた谷がすっかり緑一色になっている。村の人たちは変わらずフレンドリーで目が合うと多くの人が挨拶してくれる[:ラッキー:]
パンを引き取って、いつもの食堂へ行き、じいさんお手製の杏ジャムを買う。このジャムは市販のものより味が濃くておいしい。さっそく、宿に戻りフンザブレッドと一緒の朝食。
さて、朝食も終えたし、どこへ行こう?春に来たときこの辺りの道はほとんど歩いているのでまだ行ってないところを考える。結果、山沿いの道を通ってアリアバードへ行くルートを歩いてみることにした。10時頃出発。すでに日は高く坂道を登っていると汗が出てくる。ほんの1週間前まではずっとチベットの標高4000m地帯にいて汗をかくことなんてなかったのだが、ここは標高2300mほど。海抜にして約半分だ。ま、それでも高原といえる高さだが…。初めにウルタル氷河へ向かう道に入って飲み水を入手しておく。雪解け水は濁っていて砂が混じっており、飲むのはちょっと…と思ったが、たまたま川近くに湧き水が出ているのを発見、ここの水をペットボトルにつめておく。
ハセガワメモリアルスクールに寄ってからアリアバードへの道を歩く。金曜のためか授業は午前中で終わったらしい。学校帰りの子供たちと何度もすれ違う。何度か写真をせがまれて撮ってあげた。果樹園(?)が続く道を1時間弱歩いていたら、赤ん坊をかかえたおっちゃん(後で知ったのだが、実は彼のほうが僕より年下だった)に桃を食べないかと勧められ、しばらく立ち話をしていたら今度は家に招かれランチまでいただくことになった[:イヒヒ:]
彼はホテルでコックをしていたのだが、シーア派とスンニ派の宗派間抗争が続いているためホテルは開店休業状態になり失業してしまったということだ。とはいえ、28人もの大家族で暮らしているので彼一人の職がなくなっても一家が路頭に迷うということはないようだ。彼は自分の敷地を利用してキャンプサイトを始めたい、2000米ドルくらいあればできるのだが…と言って、日本人で出資してくれる人、フンザで1年の半分くらい働いてみたいと思っている人がいたら紹介してほしいということだった。正直なところ、キャンプサイトにはちょっと村から離れすぎていて、泊り客が来るかはかなり疑問だが…彼には言わないでおいた。
食後、近くにあるカーペット工場に寄ってからハイダラバードで結婚式があるからそれを見に行こうと誘われ二つ返事でついて行く。
今日は結婚式第一日目で親族や近所の人が集まって食事を振舞われたり、ローカルミュージシャンが招かれて代わる代わる妙なダンスをしたりしていた。僕も見よう見まねで踊る…。ダンスをするのは男だけらしい。今日は新郎も新婦もいないということだった。明日、新郎がギルギットまで新婦を迎えに行ってさらに盛大なセレモニーが行われるといわれ、明日も来いと誘っていただいた。結婚式に呼ばれた人はお祝儀などいらないが、踊ったらミュージシャン(彼らは盲目なのだ)に50〜100Rsの心づけを渡してほしいといわれた。皆が楽しみつつ、農作業等ができない障害者が収入を得る場にもなっている。とてもうまくできたコミュニティ、システムだと思う。日本の形式ばった金ばかりかかる結婚式よりよっぽどいい[:拍手:]
また明日来るね、と別れてからアリアバードまで歩きそこからスズキに乗ってカリマバードまで戻ってきた。すると、やたらと警官の姿が目につく。なんか事件があったのかと思って聞いてみると、明日カナダの副首相がフンザに来るからその警備だという。よかったよかった。

本日の1曲 The Corrs「Summer Sunshine」

↓カーペット工場で働く女性たち

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