Day196 移動日

アレッポは寒いし、今日火曜日は博物館などが休みなので午前中町歩きをして午後はパルミラへ移動することにする。
8時半頃から町歩きを開始、冬のシリアは朝が遅く夜は早い。多くの店は10時開店、5時閉店といったところだ。朝はホブス(ピタパン)屋とそこからパンを買って帰る人の姿ばかりが目立つ。ホブスはもちもちしたナンみたいな感じで僕はとても好きなのだが、噛み応えがありすぎて顎が疲れる。きっと(これを毎食食べている)シリア人は顎が丈夫なはずだ[:モグモグ:]
まずはキリスト教地区をぶらつく。カテドラルが2つあったのでちょっと覗いてみると朝からミサが行われていた。モスクは男の世界だが教会は女の世界という感じでそこにいるのは9割方おばさん。僕をじろっと見る視線はモスクで感じる暖かいものではなく、冷たいもののように思えた。ここではキリスト教徒が少数派であるために閉鎖的コミュニティになってしまうのだろうか?
このエリアから適当に道を辿って南下していくと城に出た。昨日行けなかった大モスクへ行くが今日も閉まっている(後で宿の兄ちゃんに聞いたら改修中だと言われた)。まだ人通りの少ないスークを歩いて再び石鹸問屋を訪れる。英語のできるおっちゃんを探して、どこか見学できる石鹸工場はないか?と聞いてみるが、ビジネスのグループならともかく、(大した買物もみこめない)観光客1人を連れて行くわけにはいかんという。確かにそりゃそうだろう。逆にいえば、5〜6人集めれば即席ツアーも可能ということか。おっちゃんは店先で紅茶と朝食を振舞ってくれた。この店で石鹸を買ってあげようかと思ったが、どうも品質と値段が釣り合っていないように思えたので悪いけど他の店で買うことにした。
11時がチェックアウトだったので宿に戻り、なくした鍵代を払うと言ったらわずか20SPでいいと言う。ここのオサマ(情報ノートでは「王様」などとあだ名されていたが)という兄ちゃんも(セコイ商売人タイプかと思っていたが)けっこういい人じゃないか。
バスターミナルからパルミラ行を探すが、直行はなくホムス行に乗る。アレッポはシリア第二の町なのだが、バスターミナルもそこに止まっているバスもどうもしょぼい。僕が乗ったバスもかなりのボロで、水のサービスもない。一方で乗車時のパスポートチェックもないので楽だが…
ホムスまで約2時間。思ったより時間がかかった。このバスはダマスカス行だったようで、ホムスのターミナルに入らず近くの幹線道路で降ろされた。ここのターミナルに来るのが2回目じゃなかったら知らずに乗り過ごしてしまうところだった。

パルミラ行を運行しているバス会社オフィスに行って切符を頼むが今日も満席だという。やむなくセルビスに乗ってもう一つのバスターミナルへ移動。こちらのターミナルは小型バスが発着しているらしい。市内を20分以上走ったので、どこへ連れていかれるかと心配したが、町の北外れにちゃんとターミナルがあった。ここですぐパルミラ行を見つけ乗り込むがすでに座席がなく、通路にバックパックを置いてそこに腰掛けていくことになった。
ホムスからパルミラへ向う道は完全に砂漠ルート。ベドウィンがロバに腰掛けて羊の群れを追う姿を何度も見かける。黒装束で目だけ出した女性がアラビアンナイトさながらにミステリアスで惹かれる。きっと腰にS字形の短剣でも挿しているのだろう。約2時間でパルミラ着。着いたときはもう日が沈んでいた。降りるとすぐ客引きが宿を勧めてくる。ここは完全にオフシーズンらしくバス、トイレ付シングルで150SPのオファー。部屋もよかったので即決。食事に出ても、ほとんどの店に客がおらず250SPの料理を100SPで出すという状態(残念ながらもう持ち金が500SPしかなかったので食べなかった)。
食後、遺跡がライトアップされているのが遠目に見えたので行ってみる。予想以上に広大な遺跡だ。オレンジ色の明かりに照らされた列柱が美しい。一人で夜の遺跡を独り占め…と思っていたが、他にも人が来ていてちょっとガッカリ。あまりに寒いので長居できず20〜30分で戻る[:ポロリ:]
シリアは小さい国なので、移動に大して時間はかからないのだが、今日は珍しく半日移動に費やしてしまった。しかも両方ともボロバスだったので、ちょっと腰が痛い。

本日の1曲 QUEEN「These Are The Days Of Our Lives」

↓ホブスを抱えた少年

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