Day211 クネイトラ

今日は1974年の第四次中東戦争時イスラエルに破壊された街クネイトラに行ってみる。ここは現在も国連の監視下にあり、訪問にはパーミットが必要だ。9時頃管理オフィスに足を運びパーミットを申請。パスポートを提出して15分ほどでもらえた。そのままバスターミナルへ行ってミクロバスでクネイトラへ向かう。約1時間で終点のハンアルナベフ(?)に到着。ここでまたセルビスを乗り換えて6km先のクネイトラへ。どうやらクネイトラという街は国連監視下にあるだけあって普通の状態で人が暮らしているところではないらしく、セルビスでそこまで行く人は誰もいない。全員が途中で降りた後、ドライバーがポリスチェックのような小屋に車を停め、ガイドを呼び入れた。
このおっちゃんが同行するらしい。要求されるまま彼にパスポートとパーミットを渡し、いよいよクネイトラの街へ。再び別のポリスチェックを通過したあたりから周囲には破壊されてペシャンコになった建物ばかりになる。パキスタン地震でローラーをかけたように潰れたバラコットの街と同じような痛々しい光景だ。しかし、ここはその惨事が天災ではなく人間の手によって引き起こされたというところが違う。廃墟となったまま残されたこの街が何も知らない旅人の僕にも戦争の無残さを教えてくれているような気がする。
この先のロータリーで下車。アラビア語しか話せないガイドのおっちゃんと一緒に廃墟となった町を歩く。教会や病院、モスクも部分的に破壊されていた。特に病院は銃撃で穴ぼこになっていて現在も無残な姿をさらしている。残念ながら病院にもポリスが常駐していて中に入ることは許されなかった。国連の建物入口は破壊された戦車のキャタピラがあったがこれは撮影不可。ガイド付でしか歩けないうえ、訪問、撮影できる場所も制限されている。わずか30分でおっちゃんは「クネイトラ、フィニッシュ。」という。おいおい、パーミット取って1時間以上かけて来てもうおしまい[:モゴモゴ:]
「博物館に行ってない。そこに行きたい。」と訴えるが、おっちゃんはジェスチャーで改修中のため閉まっているみたいなことを言って、またフィニッシュと繰り返す。改修中ってホンマかいな?
しかし、自由行動が許されていない場所ではガイドの言うことに従わざるを得ず、おとなしく帰ることになった。ポリスチェックの詰所でセルビスを呼んでもらい、ハンアルナベフへ帰る。おっちゃんは僕にパスポートを返し、乗りこんできたチェックポイントでGoodbyeと言って降りてしまった。クネイトラの街にも牛や犬がいたし、奥のほうは人が住んでいるような感じではあったがやはり普通の状態ではない。見かけた車はほとんどUNの文字が入ったランクルだった。
あまりにもあっけない滞在だったのでハンアルナベフの街を散策。ちょっと先に見えるゴラン高原の山には雪が積もっている。田舎の町は(ちょっと人々の視線が気になるが)買物すると喜んでサービスしてくれるなど歓迎ムードを感じる。ロータリーに行くとちょうどダマスカス行ミクロが出るところだったのでこれで戻る。
明日の午後には空港へ行かなければならないので旧市街をぶらぶらしてお土産品を探す。しかし、パキスタンにはなくてシリアにあるものって何だ?2時間くらいスークを歩くが、いいものが見つからない。アラビアンスイーツでいいかなぁ?

本日の1曲 The Beatles「Yesterday」

↓イスラエルに破壊された建物

コメント