Day255 聖なる木

フンザの電力事情は相変わらずのようで停電している時間帯の方が長いくらいだ。特に電気が欲しい夕方から夜にかけて電気が来ないことが多いので困ってしまう。昨夜も停電だったので8時前には寝袋に入ってボヘーッと電気が復旧するのを待っていたがいつの間にか眠ってしまった。
今朝8時頃目覚めコーヒーを沸かそうと思ったが、また停電。パン屋が開く9時半を待って外へ行ってフンザブレッドを購入、部屋に戻ってハチミツで食べる。10頃からカメラを持って外へ出る。
フンザ滞在も3回目で通算20日は過ぎているだろう。したがって、たいていのところには行ったことがあるのだが、ハイダラバードにある「聖なる木」というのは見たことがない。というか旅行者でその存在を知っている人はほとんどないだろう。去年、じょにぃさんが地元の友人に連れて行ってもらったというので僕も知っただけなのだ。ハセガワ・メモリアル・スクールを過ぎてハイダラバードへの舗装道路を歩いていく。この周辺も開花にはまだしばらくかかりそうだ。しかし、下のほうへ目を向けると、もわっとしたピンクの固まりがいくつも見えるのでそこまで下りれば杏の花が咲いていることだろう。30分ほど歩いてハイダラバードにやってきたが、目指す木がどこにあるのか見当がつかない。店のおっちゃんには英語が通じなかったので、近くにある小学校に行って先生を探してみる。もう授業は終わったようで、先生(全員女性)が集まってお茶を飲んでいるところだった。2人ほど英語が通じる人がいたので、木を探していることを告げると、初めは「そんな木は知らない」ようなことを言っていたが、話し合っているうちに分かったらしく生徒をガイドに付けるから案内してもらうといいと言ってくれた。一緒にお茶をご馳走になってから、男の子6人と一緒に出発。いただいたお茶はナムキン(=塩味)だった。パキスタンでは砂糖の値段が高騰しているので、その影響かもしれない。ちなみに塩はタダみたいな値段だ。
ハイダラバードまで来る外国人はあまりいないようで、子供たちはカタコトの英語でしゃべりながら楽しそうに山のほうへ上がっていく。しかし、この道は楽ではなかった。予想をはるかに超える距離を歩き(45分くらいだろうか…)何度か休みを取りながらようやく「聖なる木」に到着。なるほど、この辺りでは格段に大きな木だ。デジカメで写真を撮ると、子供たちが自分たちも撮ってくれというので、ガイド料代わりに好きなだけ写真を撮ってやった。もっとも、ここではデジカメプリントができないので、その場で見せてやるしかないのだが…
ついでに皆で歌を歌ってくれたときにその様子もムービーで撮ってやった。ムービーを見るのは始めてだったらしく大うけだった。
2時頃学校のそばまで下りてきたら、ちょうど英語を話す先生が上がってきたところだったので、お礼と(子供たちが)ばっちりガイドしてくれたと話すと、昼食に招待してくれた。お言葉に甘え、お宅にお邪魔してご家族と一緒にご飯をいただく。食後、ハイダラバードを出てアリアバードまでさらに歩くことにする。アリアバードでちょっと買物をしてから川のほうに見える杏の花を見に下っていく。旅行者はほとんどこの町を通過してしまうので、商店街以外に足を踏み入れる外国人はほとんどいないだろう。僕自身も初めてだ。すれ違う人の好奇心にあふれた視線を受けながら下りていくと、期待通り五分〜八分咲きの杏がたくさん見られた。しばらく花見を楽しんでからカリマバード行スズキを待つ。時計を見たらもう4時だった。6時間も歩いていたのか、それを知って疲れが出てきた。
初日から少し飛ばしてしまったが、今まで行ったことのないところに行くことができてよかった。

本日の1曲 Madonna「Sanctuary」

↓ハイダラバードの「聖なる木」

↓少年ガイドたち

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