Day274 チベット旅行記

ノーザンエリア旅行中に読んでいた本が(有名な)河口慧海の「チベット旅行記(全5巻)」だ。内容ももちろんだが(田舎坊主風な…失礼)語り口がまた面白く、こんな坊さんに会って話を聞いてみたらすごく楽しいだろうなぁ、というのがいちばんの印象だ[:ラッキー:]
ハラーの「Seven Years in Tibet」を読むとラサへ向かう道中は厳しさ、悲惨さがまず伝わってくるが、慧海師の本を読むと、強盗に遭った出来事ですらなんだかユーモラスに思えてしまう。
(大げさだが)慧海風に書くと「ピールワダイからギルギットへ向かうバスはこれもたいそうボロかったです。そして中に乗っているのは汚い身なりの男ばかりであります。聞けばチラスまでの道中ではよく山賊が現れるという。もとより私は取られるものなどさしてありませんし、仏法を求めて行く道中に命を取られてもこれはまた本望というべきものであります。ですから山賊のことはちっとも気にしなかったです。」といった調子。何となく笑えてしまう[:たらーっ:]
もちろん、ユーモラスなだけでなく当時のチベット情勢をとてもよく伝えており、今読んでも新鮮だ。あれだけの準備、苦労をしてチベットに入ってそこで生活すれば思いいれも強くなってどうしてもチベットびいきになりそうなものだが、慧海師は非常に客観的にチベット人の悪い点についても指摘している。信心深いとも言えるところを迷信に惑わされると書き、ネチュンのオラクル(神下し=預言師)についてもほぼインチキと言い切っている。チベットの仏教についても「腐敗している」とはっきり述べている。
この本をもっと早くに読んでいれば以前ネパールのトゥクチェで慧海師の滞在した部屋を見せてもらったときの感慨も一層深かっただろうし、師の足跡を辿っているという思いも持てたであろう。ちょっと遅かったな。

本日の1曲 Shakira「Your Embrace」

チベット旅行記 1 (1)
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河口 慧海

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