Day323 緑の町

さすがに昨夜は熟睡。7時頃起きて朝食をいただき、8時過ぎからスリナガルの町歩きに出かける。まずは昨日クローズされていた繁華街ラル・チョーク方面へ行ってみる。ラダックから来たから余計にそう感じるのかもしれないが、この町は緑にあふれており、かつて「東洋のスイス」と呼ばれていたというのもうなずける。公園もきれい整備されており花もたくさん咲いている。野菜や果物売りの屋台がそこら中にあり、果物の主力はスイカ、メロンだが、パイナップルやマンゴー、イチゴにさくらんぼと何でもありだ。しかも、スイカは12Rs(約30円)/kg、メロンは10Rs(約26円)/kgと安い。イスラムエリアではあるが意外と普通に女性が出歩いており、またボニータ率も高い[:ニコニコ:]
ラル・チョークで新聞を買って昨日の発砲事件の内容を確認すると、J&K州知事をはじめとするお偉方も出席するラジブ・ガンディー元首相死後15年を悼む集会で警官2名が発砲し7名が死亡、警察の高官を含む25名が重軽傷を負ったという内容だった。これだけ厳重な警備をしていても警官の中に裏切り者がいたら仕方がない。この事件はテロ頻発都市スリナガルにおいても相当被害が大きいものだったようで記事は大々的に取り上げられていた。もしかしたら日本でもニュースになったかも…
ラル・チョークからジェラム川沿いに北へ向かいシャー・ハムダン・モスクを目指し歩く。この付近は旧市街で古いカシミール様式の建築物が多い。カシミール様式は木造トタン屋根で張り出しが多いことが特徴といえるだろう。世界各国の旧市街の中でもかなり見応えのある場所だ。個人的にはこれらの建築物が全て廃屋となって取り壊される前に世界遺産にでも指定され文化財として保護してほしいものだと思う。
この辺りにも武装兵士が所々に立っていて、今日は3回呼び止められバッグをチェックされた。そのうち1回は帽子をとって顔を見せろといわれた挙句、お前は日本人じゃないと勝手に断定された(笑)。こういうときは下手にヒンドゥ語を話すより英語で通したほうがよさそうだ。念のためこの町を歩くときはパスポートを携帯することをオススメします。兵士や警官が多いのでひったくりや強盗といった犯罪に遭う確率は低いだろうが、やはりテロの標的となりやすいヒンドゥ寺院や警察・軍関係の建物近くを通る時は自然足早になってしまう。
旧市街歩きを楽しんで1時間。目的のモスクに到着するが、ここはムスリム以外は入れないので外から眺めるだけ。一般的なドーム形の屋根とミナーレを持つモスクとは全く異なるカシミール様式のデザインだ。パキスタンでもバルティスタン地方で見かけるモスクはこの様式に近い。ここからさらに北へ歩き、バドシャー・トゥムへ。ここはウズベキスタンで見かけるようなレンガ造り、ドーム形の墳墓。インドでは珍しいタイプだろう。
続いてジャミ・モスクへ。ここもカシミール様式のモスクだが異教徒の入場も許されている。中庭はきれいに整備されていて心地よい空間だ。内部の装飾はほとんどなく、落ち着いた感じ。だいぶ北まで歩いたので、遠くに見えていた砦が近くに見えるようになった。上がれるのかどうか分からないがとりあえず行ってみる。丘の中腹にマクドゥーム・サヒーブ聖廟とアクムラー・シャー・モスクがあり立ち寄ってみる。後者は遺跡と化しているがキリスト教会的な雰囲気のあるユニークな建築物だ。ガイドブックには何の記載もないが、一見の価値アリだと思う[:ラッキー:]
結局、砦まで上がっていく道はないようでソナマルグから続く幹線道路に出てバスを拾おうとしたが、めざすダル・ゲートはクローズしているというので歩いて帰ることにした。旧市街歩きよりずっと早く歩けたので1時間もかからず宿まで戻る。途中、スイカを食べたがやや甘さが不足気味。ラッシーも飲んだが、ここのは5Rsと安いうえ、コップも大きいのでジャンムーで飲んだものより3倍くらいお得だった。なぜこんなに値段の差が出るのだろうか…
宿に着いたのは2時過ぎ。だいぶ長い間歩いたのでシャワーを浴びてから昼寝。4時に起きてムガール庭園を見にいくためまた出かける。昨日と同じようにダル湖畔まで出てバスを待つがバスが全くない。昨日の事件の影響で車両の通行が制限されているらしかった。さすがに8km以上ある道を歩く気にもならなかったので断念、また宿に戻る。
この下宿のようなハウスボートは結果オーライだったが、ここのオヤジは他の日本人に会ったらこのGHを勧めろとうるさい。周りのボートに比べるとずっと繁盛していると思うのだが、なぜこんなに商売熱心なのだろう。スリナガルに来た人にこのGHを紹介するのは構わないが、今の状況ではスリナガル自体を勧める気にはちょっとならないなぁ。

本日の1曲 Aerosmith「Young Lust」

↓スリナガル旧市街

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