Day333 小乗仏教寺院

333日目ということはそろそろ日本を出て11ヶ月か。日本という国は政治的には極めて安定していて、たいてい海外にいる期間が11ヶ月であっても3ヶ月であっても帰ってきて何ら差はない。変っているのは経済活動の部分だけで、バスの車体が新しくなったとか、○○スーパーがなくなって××になったとかいう程度のことだ[:たらーっ:]
さて、今日はマータラ周辺の仏教寺院などを見て回ることにする。せっかくのリゾートなので朝はゆっくり起きてシャワーを浴び、久々にコーヒーを沸かして飲む。それから今日のプランを立て、9時半頃、隣町デイッカウェラにあるウェウルカンナラ寺院を訪ねる。昨日はあまり感じなかったがスリランカのバスもパキスタン並みにアグレッシブな運転で、見通しの悪い道でもかなりのスピードを出して進むのでちょっと怖い[:モゴモゴ:]
寺院にはタイル張りの巨大仏像とお堂、さらに博物館があった。大仏は着色されていて、何となく重みを感じない。面白いのは大仏の後ろが8階建ての建物になっており、そこには所狭しとシャカムニにまつわるエピソードが壁画(壁だけでなく階段などにも)として描かれていることだ。残念ながら解説はシンハラ語のみなので、ギリシアの漫画を読んでいるような感じで何となくストーリーを追うことしかできない。お堂にはシャカムニの立像、涅槃像、人形でシャカムニの生涯を現したものなどがあった。それに加え、もう1つ現世の報いを地獄でいかに受けるかを136枚の壁画で表現したお堂(?)があった。
スリランカは基本的に小乗(上座部)仏教の国なので、日本やチベットとは寺院の雰囲気がだいぶ違う。まず、なんといってもカラフル。そして、尊格は基本的にシャカムニらしく、守護尊や観音、弥勒などの菩薩像も見かけない。数珠という仏教アイテムもここにはないようで僧侶でも数珠を身につけた人は見たことがない。外国人には拝観料を取るようになっているらしく、チケットらしきものが机においてあったが、ちゃんと拝礼してお布施も置いているからか請求はされなかった。
ここを出てマータラの町へ。昨日はバスターミナルを出てすぐ離れた宿に来てしまったので全く街歩きをしていない。まずはバスターミナルでヌワラエリヤ方面へのバスの有無を確認。朝6時半に1本あるらしいが所要8時間。キャンディに行くならコロンボ経由のほうが早そうだ。ヌワラエリアまでの車窓がGoodならこちらから行ってみるのだが…迷うところだ。スリランカのバスは屋根の上に荷物を置くスペースがないバスが多いのでバックパックを車内に置かなければならず、それを押さえておくのが面倒だし、荷物代を請求されることもあるので(始発が出るなら)列車のほうが使いやすい。
橋を渡ってゴールへの街道沿いに続く商店街を歩いてみる。途中で食事。またもカレー&ライス(55Rs)。「マトンカレー」と指定しても、カレーの小皿は6つも7つも置かれるのだが、そのうち3皿くらい食べても値段は一緒だ。仮に全部食べても同じ値段なのだろうか?このシステムがよく分からない。もっとも3皿でも腹いっぱいで苦しいくらいなので、7皿も食べることは実際不可能なのだが…
街中の見所はスターフォートくらいしかない(これもショボイ)ので1時間ほど歩き回って観光終了。スリランカは英語の通用度が比較的高い割にはバスの行先表示や博物館の展示解説など、外国人が必要とする部分に限ってシンハラ表記だけだったりする。滞在が短いので積極的にシンハラ語を覚える努力をしておらず、ほとんど英語で通しているのだが、意外と英語を理解するおばちゃんが多いのに驚かされる。コロンボの列車ではフツーのおばちゃんが英字新聞を読んでいたり、商店のおばちゃんもカタコトなら話す人が多い。
マータラのバススタンドに戻る途中、道路沿いに唐突に津波被災者キャンプがあったのでちょっと覗かせてもらった。キャンプはIOMが運営しており、そのファンドは日本が出しているようだ。ここにも英語を話すおばちゃんがいて少々話をする。現在25世帯がこのキャンプで暮らしていて、彼らは政府が供給する新しい家が用意できるまでここで仮住まいを続けている。仮住まいとはいってももう津波発生から1年半も経つのだが…水や電気代などは無料だが、食糧の供給は最初の半年だけで、現在は皆仕事を見つけその収入で生活しているという。住民の多くは漁師だといっていたが、彼らが今も漁をして生計を立てているのか、あるいは他の仕事を見つけたのかはよく分からなかった。新しい家を政府が用意してくれる保証があるだけパキスタンの地震被災者より恵まれているとはいえるだろう。案の定、お金をサポートしてくれと言われたが、自分はただの旅行者で多少のお金は渡せても25家族で割ったら何も買えないだろうといったらそれでもくれとは言わなかった。
スーパーに寄ってからバスターミナルに戻り、もう1つの仏教寺院ウェヘラヘナへ行ってみる。が、ここも大仏にシャカムニエピソードの壁画と全く同じ造りでガッカリ。もうちょっと仏像や壁画に歴史や芸術性があれば複数見てもいいのだが、両者とも新しいものだし、壁画も漫画チックなので大差がない。この寺院から宿までは2kmほどだったので歩いて戻る。宿に着いてから久々にヘナで髪を染める。ヘアダイ用にインドで櫛とベビーオイルも買ってきたのでバッチリだ。

本日の1曲 Duran Duran「Girls On Film」

↓津波被災者キャンプ

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