礼儀正しさにまさる攻撃力はない

(今回は職場用に書いた原稿のリメイクなのですが…)「礼儀正しさにまさる攻撃力はない」という言葉は、20年以上前のキングスレイ・ウォードの名著「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という本の1項目だ。もっとも、原題は”MANNERS, ATTIRE & DEPROTMENT”なので、単純にマナー、服装、そして立ち居振る舞いという意味。これを意訳して日本語のフレーズとして強いインパクトを与えたのが昨年逝去された城山三郎さんだ。
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙    新潮文庫 (新潮文庫)
ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫 (新潮文庫)
G.キングスレイ ウォード, G.Kingsley Ward, 城山 三郎

そういえば、最近は映画や音楽でも改めて邦題をつけることが少なくなっている。ほとんどが原題をカタカナ読みしただけ。たとえば、Amazonの「BEST ミュージック of 2007」(洋楽ポップス・ロック)を見てもベスト10全てが原題カタカナ化だ。それだけ、平均的日本人が英語に馴染んできたということかもしれないが、ちょっと寂しい気もある。Born To Be Wildを「ワイルドで行こう」にしたりするのはカッコいいと思うけどなぁ。
洋楽アーティストで見てタイトル意訳がはまっているのはやはりPink Floydだろう。狂気、原子心母、炎、鬱などなど「らしい」タイトルだ。

さて、話がそれてしまったが「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」という本はタイトルのとおり、ビジネスマン向けのものだが、今朝”ハニカミ王子”石川遼選手プロ転向のニュースを見て、この言葉はビジネスマンだけではなく、全ての人に当てはまるのだろう、と感じた。
彼が昨年5月に男子ツアーで史上最年少優勝を達成してからもう半年以上経つが、人気に衰えは見られず、今回のプロ転向に際しても多くの企業からスポンサー契約のオファーがきているようだ。
この理由として「彼の好感度がとても高い」ことに誰も異論はないだろう。では、なぜ好感度が高いのか?もちろん、さわやかなルックスも大事だが、それだけではなく彼が初優勝後、メディアにたびたび取り上げられる存在になっても、謙虚で礼儀正しい(さらにスポーツマンらしい情熱も兼ね備えている)印象を変わらず周囲に与え続けているからではないかと思う。そして、実際の石川選手もそういう姿勢を持った方なのだろう。

彼を見て、改めて「謙虚で礼儀正しく」生きようとしている人は美しく、周りの人からの支持を自然と集めていくということを実感した。そして、その周囲からの「支持」こそが強さ=城山さんの言う攻撃力なのだと。

本日の1曲 横山菁児「鳳翼天翔 不死鳥のはばたき」

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