奈良・京都秘仏めぐり(その8 大徳寺)

広隆寺を出て嵐電で西大路三条駅まで移動し、バスで大徳寺へ向かう。この時点で15時を回っていたので、予定していた六波羅蜜寺はあきらめる。


大徳寺は、臨済宗大徳寺派の大本山で、京都市内でもかなり北のはずれにある。バスは金閣寺などを通過して大徳寺に到着。このお寺は、鎌倉時代末期の創建だが、応仁の乱で荒廃。それを一休宗純が復興した。最近、一休さんの絵画にアライグマが穴を開けたというニュースを聞いたのでこの絵を見るのもちょっと楽しみにしていったのだが公開されてはいなかったようだ。<追記:絵が所蔵されているのは方丈ではなく真珠庵でした>


豊臣秀吉との縁が深く、織田信長の葬儀が行われたのもここ。本坊の唐門は聚楽第からの移設とされる。敷地が広く、その中に20以上ある塔頭寺院の多くは非公開になっているので、拝観料も各寺院に支払うことになり、「大徳寺」を見にいく感じがしない。

今回は、寿宝寺のご住職からいただいた京都非公開文化財特別公開の招待券を利用するのだが、この券も大徳寺内の寺院1つに限り有効となっている。せっかくなので、枯山水の庭園を持つ「方丈」を見ることにした。


方丈に入ると2つの部屋を抜けてすぐ庭園に出る。各所で関西学生古美術連盟の大学生ボランティアが「よろしかったらご案内いたしましょうか」と緊張感を感じさせながら話しかけてくれるので説明をお願いする。通常の方丈は、左右3列形式だが、ここは4列となっていて、それは、開祖大燈国師墓所の部屋が造られているからだそうだ。方丈の障壁画は全て狩野探幽の筆によるもの。枯山水庭園は滝から大河へと川が流れていく様をあらわしているそうだ。

庭園の向こうに見えるのが国宝の唐門で、本願寺、豊国神社の唐門とともに「桃山の三唐門」と呼ばれる。最近の研究で、この門は聚楽第から移築されたものだとほぼ確定されているそうだ。確かに、豊臣家の家紋が彫られている。

残念ながらここでは仏像を拝むことはできなかったが、説明を聞きながら特別公開の国宝建築を楽しむことができたのでよしとしよう。本坊を出るともう17時近く、寺社見学はあきらめ、バスで祇園へ向かう。


祇園の料亭では、おかみさんが隣を流れる川にいる鷺や鴨に餌をあげていた。料理の余りとはいえ、タイなどいい魚を毎日もらっている鳥たちは舌が肥えている。おかみさん曰く、「パンなんか食べしまへん」とのことだった。このあたりの川では5月頃には蛍も見られるそうだ。その時期には、ちょっと奮発して川沿いの座敷で食事もいいなぁ。


[help]大徳寺方丈: 最寄りバス停 市バス「大徳寺前」 拝観料 800円[/help]

本日の1曲 Black Sabbath「Paranoid」

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