【読書メモ】「英語公用語」は何が問題か(鳥飼玖美子著 角川書店刊)

英語通訳の第一人者(立教の教授になっているとは知らなかった…)が書いた、昨今のユニクロ、楽天等で話題になった企業内英語公用語化など日本と英語について広い視点で捉えた一冊。

引用が豊富なのだが、かえってそれで著者の立ち位置がよく見えなくなっている印象。英語教育についての項まで来ると主張が現れてくるが、それでも遠慮気味に感じる。主張が正論だが新味に欠けるところがあるので控え目になっているのだろうか。どうも読後のスッキリ感がない。
(本題ではない)英語学習法通訳の役割などについての箇所の方がが興味深く読める(笑)。

第一次世界大戦後のベルサイユ会議までは外交における公用語がフランス語だったとは初めて知った。すっかり大英帝国時代から英語がグローバルスタンダードだとばかり思っていたので目ウロコ。また、EUが通訳・翻訳コストに予算の0.8%も宛てているのも驚きだ。言語=文化であり、国家の共同体において各国の言語を尊重することは平等の原則上絶対のモノという考え方が浸透しているのだろう。

英語学習について新鮮だったのはOral Proficiency Interviewにおいては「抽象的な内容を論じる」ことが上級に必須のスキルとなっていて、仕事で使う英語は、典型的な「具体的なモノ」であり、その難易度は低いと考えられている。抽象的なことを論じるには、語学力以前に論理・思考力が必要なので、言われてみればそりゃそうなのだ。

そして、英語を使えるようになりたいと思っている人が一番気になる部分「使える英語の学び方」についての筆者の意見を要約するとこういうことだ。
1.楽しく多読する…その際なるべく辞書は使わず「推察力」をつける
2.精読+音読…興味がある英文を集中して単語の意味を調べながらしっかり読む
3.仕事で英語を使う場合は他人のフレーズを使ってみる

何のために学習するのか?を明確にしないと英語学習に終わりはなくなってしまう。考えなければ…

本日の1曲 宇多田ヒカル「STAY GOLD」

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