【読書メモ】エスキモーに氷を売る(ジョン・スポールストラ著 きこ書房刊)

マーケティング、しかも日本ではあまり縁のないスポーツマーケティングをベースにした話である。2000年の初版発行ということであまりホットな本ではない。
著者は、NBAのポートランド・トレイルブレイザーズからニュージャージー・ネッツの社長を務めた人物。彼は、「」によって、チームとしての成績は全然ダメなニュージャージー・ネッツの経営を飛躍的に伸ばした人なのだ。著者自身が本書で語っているとおり、スポーツマーケティングは当時、アメリカにしかなかったものだ。しかし、その手法の多くは他の業界でも十分応用できる。

本書を読んで、「エスキモーに氷を売る」という刺激的なタイトルや「ジャンプ・スタート・マーケティング」という言葉に煽られて過剰な期待をしていたが、正直、読んで初めの頃は「タイトルに釣られた」と思っていて、
・自分のことが分かっているか?
・顧客ひとりひとりにもう少し買ってくれるように直接頼む
・顧客が買おうと思い立つ少し前にアプローチする
といいった最初の3章は、今では「あったりまえじゃないの」という印象でややがっかりして先を読む気をなくしていた。

しかし、前半を過ぎたあたりから出てくる
「社員は革新的なものを避けようとする」だから「ちょっとした実験」の繰り返しでイノベーションを実現する
「自社の商品が自分たちを救うことはない」という前提で「成功が見込めそうなマーケティングの分野を限定し」「成功が見込めるげんていされた分野での戦略を作り出す」
・「自分の電話には自分で出る」「顧客にあえて近づく」「自社の商品を買う」といった部分は中小企業ですらトップが嫌がるところだろうが、見事に実例とともに紹介されている。
といったあたりでかなり引きこまれ

そして、これは黄金律だな、と感じたのが
「セールスマーケティングに支出をしてどれだけの収入が得られたか?」「そのパンフレットを送るのにどんなリストを使ったか」明確に説明できる人を雇う。マーケティングにおいてとにかく大事なのは「自社の商品に関心があると分かっている」人へアプローチすることだ。

そして、この本で学ぶべきは特に後半部分。
「顧客が買いたがる商品を少しだけ多く売る」
「クライアントをヒーローにする」そのために立派な「年次報告書」を作成する。その中身は「エグゼクティブサマリー」「スポンサーシップの各要素のポイント」「プロモーションサポートの詳細」「スポンサーシップの各要素の実例」を入れる。
労働意欲を高めるためには「仕事の重点を新進のスーパースターに置き、やる気が乏しい人は放っておくかクビにする」→「やる気のある人しか雇わない」&「人のやる気をそぐようなことはしない」→「いつもそうやってきた」が出るのは赤信号
「買わずにいられない商品を作る」ために「価格を下げる」(値段に匹敵する価値が認められている場合に有効)「価値を高める」ex.おまけをつける
「捨てる顧客を選べ」→多くの企業が誤っているやり方は「大口の顧客と小口の顧客を区別しない」「顧客を詐欺師のように扱うことで、求められているのは「何が問題か見極めてその解決を助けること」である。

と、なるほど、と思うアイデアが実例と共に次々に紹介される。その多くは知っといて間違いないことだろう。ビジネス本としては珍しく、後半に記憶すべきポイントが多い1冊だった。

本日の1曲 Kinki Kids「もう君以外愛せない」

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