日本のゲストハウスに泊まってみる-その2-「てん TEN」

日本のゲストハウス・バックパッカーズ巡りをしてみたいと思いつつ、子どもが小さいのでなかなか家を空けることができなかったが、関西出張の機会に妻子を実家に預けて大阪のゲストハウス「てん TEN Hostel&Cafe」に宿泊してみた。

関西なので、震災後の外国人旅行者の利用減は東日本ほどではないだろうと思っていたのだが、福島からの距離が東京と大阪では全然違うというのは日本人の感覚であって、外国人の多くは日本=放射能、被曝リスクと考えているようだ。こちらの宿でも外国人宿泊客が激減していたし、また京都に行っても明らかに昨年よりも街で見かける外国人旅行者は少ない

おかげで、大阪では数少ないゲストハウスにも関わらず直前でも個室に泊まることができた。今回は出張ででスーツ2着をガーメントバッグに入れての宿泊だったので、ドミではなく個室を選択。シングル用は空いてなかったが、2~3人用の6畳部屋を安くシングル利用させてもらった。

ロケーションは、JR大阪天満宮駅または地下鉄南森町駅から3分ほど。すぐ近くには日本一長いといわれる天神橋筋商店街があり、梅田から歩くことも可能なエリアだ。「」は以前から玉造で営業していた「由苑」の弟分のような存在で、こちらのオープンに伴って「由苑」は7泊以上のロングステイ專門になっている。


19時過ぎにチェックイン。1Fは「CAFE てん」として営業していてライブも定期的に行われている。カフェスタッフも専属でついているが、人通りの多い通りではないので、現状では宿泊客と知ってて来る人以外の一見さんはあまり来ないのではないかと思う。また、宿泊客としてもビール550円はちょっと高いかなぁという感じ。もっとも、グラスワインや泡盛など400円くらいから飲める酒もいろいろある。


2F~4Fが客室で屋上にも出られる(23時まで)。トイレ、洗面台は各階にあり、シャワールームは2Fに3つ設置されている。自分の泊まった部屋以外は中を見ていないが、いただいた館内見取図を見たところ、6畳の1~3人和室が8部屋にドミまたは4人利用の部屋が3つという構成と思われる。

建物は、もともと1Fが飲食店、2Fがマージャン屋、3F、4Fが事務所という雑居ビル。古い建物の雰囲気を活かしてレトロな色合いにしている。たとえば、床は学校のようなタイルを剥がし、階段の手すりやドアなどはちょっとドギツイくらいの色を使ってインパクトを与えている。しかし、どことなく雑居ビルの薄暗いイメージは残っているように感じる。部屋にしか窓がないからだろうか…ま、部屋の窓も50cm先は隣のビルの壁なので採光も十分とはいえないのだが。


宿泊した和室は6畳で布団が3つ置かれていたので、Maxトリプル部屋になるのだろう。オープンしたてなので畳は新しい香りがしている。天井や窓には簾がはってある。余分なものは何もないシンプルな和室だが、部屋は引き戸でもともと事務所だったとは思えない。もちろんエアコンは完備。


荷物を解いて、シャワーを浴びてから天神橋商店街から梅田まで買い物に出かける。シャッター通りと化した商店街も多いと聞くが、ここはなかなか活気がある。夕食は、商店街から脇の通りにある近頃話題のビニールハウス居酒屋「とっつあん」に行ってみる。夏場はちょっと暑いがかなり賑わっている。1品350円くらいからのリーズナブルな価格で、刺身だけでなく天ぷらもオススメ。その他、商店街だけあって食事処には事欠かない。


食後、一度部屋に戻ってからカフェで店長のアチャコさんに話を伺う。3人オーナーでやっていて、建物は賃貸とのこと。改装は、水回り以外かなりの部分スタッフ+ボランティアで行ったそうだ。言われてみれば全体的に手作り感が高い。オープンと震災がほぼ重なってしまったので、外国人の利用者は事前の予想より少ない。とはいえ、当日の泊まり客は外国人のほうが多いように見えた。


今、「大阪 」というキーワードでググルと「てん」がトップに来るのだが、かなりWeb対策をしたのかと聞いたら、大阪は非常に(簡易宿泊業の)新規免許取得が厳しいのだそう。ここでオープンできたのも、かなり奇跡に近いと言っていた。ライセンスの問題もあって「由苑」はロングステイ專門となったらしい。ゲストハウスが京都に集中して大阪にほとんどないのも規制の問題だという。「Yokoso Japan」キャンペーンを張るならそういう規制を外さなきゃダメじゃないのか?観光局さん。


夜11時でカフェは閉店、消灯される。僕は、こういうメリハリがあるほうが好きだ。11時以降は1Fにはスタッフもいなくなるのだが、手を伸ばせば酒が取れるところにあるにも関わらず、盗まれたといったトラブルは1件も起きていないそうだ。tocoさんもそうだったが、一人ひとりの宿泊客とのコミュニケーションがよい信頼関係を作っているのだろう。こういう空気作りは必要だな。

古民家改装型とはまた違った手作り感のあるゲストハウスだった。もともとの物件が持つ「色」を生かした特徴作りが重要だなと再認識。逆にいえば、自分のイメージが明確にできているなら、それにあった物件に出会うまで時間をかける覚悟が必要ということか。
その場では、ちゃんと挨拶してませんでしたが、アチャコさん、スタッフの皆さんありがとうございました。

本日の1曲 Superfly「悪夢とロックンロール」

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