【読書メモ】20歳のときに知っておきたかったこと(ティナ・シーリグ著 阪急コミュニケーションズ)

シリコンバレーにおけるアントレプレナーシップ(起業家精神)がどういうものかがよく分かる1冊です。アメリカの大学らしい学生の殻を破らせるワークショップがたくさん紹介されていて、本当に20歳のときにこんな授業を受けていたらなぁと思います。

とはいえ、社会人が読んでも遅いかというと、全くそんなことはないでしょう。この本は、安全な道を選ぶ以外の選択肢もあるということを改めて思い出させてくれ、そして自信を与えてくれます。ただ、読んでいるときは、まっさらな学生に戻ったような気持ちになり、自分には無限の可能性があるように思うのですが、しばらくして日常に戻ると情熱を賭けられるたった一つの「何か」もなく、殻を破るような独創的なアイデアもないことに失望してしまうのが難点です(笑)。そうはいっても、現時点では私が今年読んだ本の中ではいちばん「読んでよかった」と思える書籍であることは間違いありません。

以下、印象に残ったポイントをメモ。

  • 最初の課題「今、手元に5ドルあります。これを2時間でできるだけ増やせ。」→常識を疑った結果、元手に手をつけずに、身近な問題を解決することで金を稼げることに行き着く。
  • チャンスは無限にある。問題を解決すれば稼ぎになる。問題が大きければ大きいほどチャンスも大きい。
  • 問題を広く捉えると、問題は可能性というレンズで捉えるようになり、どんな問題でも受けて立とうという気持ちになる。
  • 学校の評価制度→相対評価(ゼロサム・ゲーム) 社会に出れば→チームで仕事をする→自分が勝てば回りも勝つ
  • 目を凝らして身の回りにチャンスを見つけ、そのチャンスを徹底的に活かす→イノベーション・トーナメント
  • 現場にいる人は日常的に問題にぶつかりその状態に慣れてしまう→問題に気づかない
  • 常識を疑う。ex.シルク・ドゥ・ソレイユ サーカスの常識の正反対をやってみる
  • 最悪の選択肢から発想を変え、革新的なアイデアを産み出す
  • ルールは破られるためにある「許可を求めるな、許しを請え」、「決まりきった次のステップとは違う一歩を踏み出したとき、素晴らしいことが起きる」
  • 人間は2つのタイプに分けられる。誰かに許可されるのを待っている人と自分自身で許可する人
  • 他の人が捨てたアイデアに目をつけ、それを何らかの役に立つものに変えるのも1つの方法。財布の演習: ペアのために新しい財布をデザインする
  • 失敗こそシリコンバレーの強みの源泉 失敗を前提として見込みの低いものは早めに見切りをつけるのも一手
  • ジェフ・ホーキンス: 物事が順調な時ほど心配する→いざというときの心の準備を忘れない
  • キャリアの進歩は二次元のハシゴではなく、三次元のピラミッドを登るようなもの→水平移動で経験という土台を作る
  • スティーブ・ジョブズのスピーチ

  • 最善の選択をするためには、身の回りで集められるデータはすべて集め、先人の知恵に学ぶ
  • 情熱は出発点に過ぎない。自分の能力と周りの評価を知っておく。情熱・能力・市場 を常に考える→趣味に留めるのか、仕事にするかを判断する。
  • 幸運を呼びこむために 周囲で起きていることに絶えず注意を払い目の前に転がってきたチャンスを活かす
  • 感謝の気持を示す 評判は大きな財産 世の中は狭いと心得よ サンキューカードを贈ろう
  • 判断に迷ったときは、将来その時のことを胸をはって話せるように
  • 交渉のKEY 全員にとって有利な結果を引き出せるように全員の利害を探りだすこと
  • 相手の利害やスタイルに合わせて交渉のやり方を決めるべき
  • BATNA(不調時対策案)交渉を始める前に他の選択肢を知っておくことで、どこで席を立つべきか決められる
  • ランディー・コミサー「あるバーチャルCEOからの手紙」 「正しい行為」と「賢明な行為」を混同しない
  • 自分にとってベストな判断を正当化することは「正しい判断」ではない
  • 最低限の条件をクリアする”及第点”を目指すのではなくベストを尽くし「光り輝くチャンスをつかめ」→いつでも期待以上のことをすると決意する
  • 競争→ゼロサム・ゲーム 目標達成の意欲が高い→自分自身の情熱を掻き立てて事を起こす
  • コーペティション(強調と競争) 自分だけでなく周りもうまくいくことをめざす

 

そして最終章「自分自身に許可を与える。常識を疑え、失敗をしてもよい。不確実性こそ人生の本質であり、チャンスの源泉である。」このフレーズだけは忘れずに覚えておきます。

本日の1曲 The Smashing Pumpkins「Try Try Try」

コメント