【読書メモ】ゲイリーの稼ぎ方(ゲイリー・ヴェイナチャック著 フォレスト出版)

winelibrary.tvで知られるゲイリー・ヴェイナチャックが自身のソーシャルメディア手法を語った1冊です。

Mr. T in DC via photo pin cc

久々に引き込まれるように読んでしまいましたが、なぜこの本が面白いかというと、”ゲイリー・ヴェイナチャック”という男が100%表現されているからにほかなりません。

彼自身が「好もうと好まざるともはや公私の境はなくなっている。何かがあれば数分後には写真や動画がネットで流布されてしまう」と語っているように、現代では自分を飾ろうとすることよりも、情熱のまま素の自分を見せ、正直に語ることが人を惹きつける鍵になっていることを書籍という媒体を使って現しています。

本書では、評論家的な方法論はさておき、とにかく「情熱こそ全て」というメッセージが貫かれているのですが、人並みのことを数週間、数ヶ月やったところで成功するわけはない、と厳しい現実も教えてくれます。

「好きなことをやる」だけでは全然ダメで、自分の商品については、誰よりも語れるようになるまで鬼のように働き、さらに勉強も怠らず、コメントには返事を書き続けるだけの覚悟が必要というのは、もっともでしょう。

本書の読後、「やってやろう!」と思う人と「そこまでやるなら今のほどほどに仕事をして給料をもらう暮らしのほうがよい」と考える人に分かれるでしょうが、それはそれでよいのだと思います。実際、今はチャンスにあふれていると言われても、ゲイリーのような生き方を選択する人は少数派でしょうし、自分自身、これだけの情熱を傾けられる何かを持っているかと言われるとまともに答えられません。すごく刺激を受ける本ですが、逆にちょっと冷めてしまう自分を感じます。

第9章は、今まで読んだ本の中で最高にインパクトがありました。立ち読みでも十分なので、この章だけでも読むことをお勧めします。3秒あればOKです(笑)。

以下、覚えておきたい部分を抜書き。

3つのルール
・家族を大事にする
・鬼のように働く
・やりたいことをやる

時間さえあればやっていたいこと、話し出したら止まらない話題…について多くの人に知ってもらう方法→パーソナルブランドを確立する方法

面白いコンテンツを発信するために…コンテンツは情熱と知識の産物
自分の商品について誰よりも語れなければならない。少なくとも50個以上のトピックについて語れるようになることが必要。マーケットの規模とどれだけ差別化できるかでいくら稼げるかが決まる。

努力次第で誰とでも対等に勝負できることが「がんばる」ことの素晴らしい点だ
我慢こそが成功の秘訣

あとがき「行動を起こすのは今、そしてあなたの言葉は永遠に残る」

この本を読んで、改めてwinelibrary.tvを見てみましたが、この本が出版された後の2011年3月の1000回をもってワインの紹介を終了しているようです。しかし、過去に放映されたテンションの高いゲイリーのワイン解説は楽しむことができますので、ぜひご覧ください。




本日の1曲 The Beatles「A Hard Day’s Night」

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