【読書メモ】超瞑想法(苫米地英人著 PHP研究所)

最近、瞑想に関する本をいくつか読んでいたので、苫米地博士の『超瞑想』というタイトルに惹かれて手にとってみましたが、やはり一般的な意味での瞑想とは異なるものでした。他の著書でも書かれている「情報場」が物理空間を支配しているから、情報場を支配することで物理空間に影響を与え、自分の望む現実を実現させる、という考え方を実践するためのトレーニング法が「超瞑想」です。

情報場と物理空間の関係性は映画「マトリックス」をイメージすると分かりやすいでしょう。こういう説明だとオカルトやSFの世界、トンデモ本のイメージ持つ方も多いかと思います。実際、苫米地博士の考え方が真実なのかトンデモなのか評価は分かれているでしょう。かくいう自分は、10冊くらい苫米地博士の本を読んで徐々に最初に持っていたトンデモ学者のイメージはなくなって、これが正しいモノの見方なのではないかと思うようになってきました。ちなみに著者は、マトリックスの中でネオが夢から醒め、人々に夢であることを伝えるためにあえて夢の中に戻ったから救世主になることができ、それは「悟った人」つまり仏陀そのものである、と説明しています。

前述のとおり、本書はトレーニング・ワーク中心に書かれたもので、内容的に全体の8割方を占めるのですが、それらを行った成果がよく分からないというのが正直なところです。僕が凡人ということなのでしょうが、「…このワークを行うことで世界の見方が変わるでしょう」と言われても、「変わってないですよ」という感じなので、理論の部分はなんとなく理解していても、実践できなければ現実の問題は何も解決ていません。こうした部分が苫米地理論が真実として認められにくい理由の1つではないかと思います。

以下、個人的に興味深く感じたワークをいくつか簡単に説明します。

  • 歩行禅」自分の行為を徹底的に観察して意識を上げるワーク。①右足のかかとが地面につくときに1回息を吸い込む ②右足のつま先が地面につくときにもう1回息を吸い込む ③左足のかかとが地面につくときに1回息を吐く ④左足のつま先が地面につくときに呼吸を止める これを可能な限りゆっくり行う。
  • 時間因果瞑想」過去→現在という時間関係を逆転させるワーク。「過去に◯◯したから今△△なんだ」という例を書き出し、それらを「今△△だから、過去に◯◯したことが☓☓に見えるんだ」と考えてみる
  • 三法界瞑想」自分の心を制御して自分が何にでもなれることを知り、その上でなりたい自分になるためのワーク。預金通帳の残高が1/10になった「貧乏人の自分」がどんな生活をするのか徹底的に瞑想する。続いて、預金口座が100倍、1000倍になった「金持ちの自分」がどんな生活をするのか徹底的に瞑想する。最後に預金通帳の金額が何であろうと気にしない「仏陀になった自分」を瞑想する。預金通帳の金額に関わらず自分がしたい生活を送りたいかを考えそれを実践する。

残念ながら、僕の場合何度かやってみてもワークの成果が見えないです。苫米地理論は仏教思想に基づくもので、博士は仏教に関する本も何冊か書かれているので、それらも読んで理解を深めてみます。

コメント