【読書メモ】ランナー必見!「走れるカラダになる」(青山剛著 日本文芸社刊)

何度か記事にもしていますが、僕は数年前から年に2回程度ハーフマラソンのレースに出場していて、だいたい週末のどちらか1日5~10km走っています。さほどタイムにこだわってもいなかったので、マラソンに関して本を読んだり、速く、長く走るためのメソッドを調べたりしたことはなかったのですが、たまたまかん吉さんの「わかったブログ」で長距離トレーニングなしでもフルマラソンが走れるという記事を読んで、体重、体幹が重要ということを初めて意識しました。

6月からお昼抜き生活をしていて、体重はかなり減っているのに、楽に走れる感じがないので、体幹について少し調べてみようと関連した本を探してみたところ見つけたのが「走れるカラダになる 」です。

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Photo credit: marcovdz / VisualHunt.com / CC BY-NC-ND

この本を読んで、目からウロコが落ちることばかりでした。今まで、勝手に負荷をかけて走れば脚に筋肉がついて、心肺能力も上がるだろうと思っていたのですが、これが全くの素人考えでした。著者の考えを一言で表すと、ランニングにも水泳で言えば泳げるようになるためのルーティンにあたるエクササイズが必要で、そのエクササイズが「体幹スイッチエクササイズ」というものです。

読んだ後は、『時間がないときに削るのは「ストレングス」』、つまり走るよりもストレッチ&筋トレのほうが優先順位が高いという著者の主張に半信半疑だったのですが、実際に本書で紹介されているストレッチ1セットをしてから走ったところ、体が軽く感じられ、タイムもよかったのです。もっとも、今までアキレス腱伸ばしと膝の屈伸くらいしか準備運動していなかったので当然かもしれませんが…

もう1点、なるほどと思った箇所が、『「走る」動作は、脚を前に送るものではなく後ろにいった脚を真下に戻す動きの繰り返し。脚が前に出ると体幹部が残り、ブレーキになる。』というところです。マラソン選手のストライド走法を見ていると、大股にして脚をいかに前に置くかがスピードアップに重要だと勘違いしていましたが、確かに体幹部が後ろになると前に進む動きにはマイナスの作用になりそうです。

本の約半分は、写真の解説入りでランニング前に行うストレッチと筋トレのメニューに割かれています。具体的なメニューは写真なしでは紹介できないので、ぜひ本を購入して見ていただきたいです(新書サイズで800円なのでお求めやすい価格です)。僕の場合、ストレッチは、なるべく毎朝するようにしていますが、なかなか「スイッチ」にあたる筋トレをする時間がとれず、また運動不足の40代にはけっこうキツイので、習慣化には至っていないのが現実です。

以下、覚えておきたいポイントの抜き書きです。

・「歩く」「走る」という行為は、技術がなくても(正しいか正しくないかは別にして)誰でもできてしまうので基本を習おうとしない「落とし穴」がある。基礎を学ばずに練習量を増やすだけでも2年くらいは記録が伸びていくが、その後は頭打ちになる、さらに脚が痛くなる、ということがよくある。

・正しいトレーニングの順番は「Stretch」「Switch」「Strength」の3S
ストレッチで筋肉を伸ばし、カラダにスイッチを入れてから負荷のかかる運動に入るというのが基本。ストレッチ、スイッチは各10分くらいでできるので、10分の時間があったらまずストレッチを行う。走るペースも、ブリスクウォーキング、スローランニングでよく、一生懸命走る必要はない。「1ヶ月は走るの禁止」くらいの心構えでプログラムをスタートする。これを3ヶ月くらい続けてカラダが変わってくる。

・ストレッチプログラム
どんなスポーツでも、全身の筋肉を使うから、ランニングのためのストレッチも、脚周りだけではなく上半身から始めて全身の筋肉を伸ばすことが必要。

・正しい立ち方
正しい立ち方を身につけて軸の正しいコマを作る。走りながらフォームを修正するのは困難なのでまずは立ち方を身につける。リラックスして、胸を開き、骨盤を少し前傾させる。ランニングの動きでは、お尻・後ももがアクセル、前ももがブレーキの働きをする。骨盤を前傾させてお尻の筋肉を使えるようになると走るのが楽になる。

・正しいフォームのポイント 「腕が下で後ろに引けているか」「体幹がやや前傾しているか」「足は真下に置けているか」

・体幹スイッチエクササイズ
カラダの各パーツ、走るときに使う体幹部の筋肉に「いい筋肉痛」を起こしてから走りにいく。脂肪の燃焼効率が高まる。疲れては意味がないので1セットずつでOK

 

最後に、まだ読んでいないのですが、今年発売されている本もあるようです。紹介文を見る限り、基本的な部分は同じようなのでこちらでもよいかもしれません。

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