宮崎の無人島「乙島」でのキャンプ(後編)

子ども

さて、無事乙島に上陸した僕ら父子ですが、着いてみたら島は無人ではありませんでした。というのは、乙島に釣りに来たアングラー7〜8人が堤防にいたからです。大物を狙う釣り人は乙島北側の磯に行くことが多いようですが、この日は波が強く磯への渡船ができなかったので皆さん堤防で釣りをしていました。

この堤防は非常に長く、キャンプサイトの管理棟から堤防の先まで歩くと1km以上、10分はかかるでしょう。

なお、渡船は堤防ではなく、多目的広場の近くに着きます。そこにリヤカーが置いてあり、荷物一式を載せてキャンプサイトへ押していきます。

テントをはじめとしたキャンプ道具に加え、釣り道具もたくさんあったので貸出備品を島で受け取れるのはありがたかったです。管理棟では今朝観光協会で迎えてくれたお二人が待っていてくれました。

備品一式はバッチリ準備してくださり、炭も不足した場合のためにと予備も出してくれました。施設の概要、電気のつけ方やシャワールームの使い方、備品の返却などについて丁寧に説明してくださいました。

乙島での釣り

当面、天気が悪くなることはなさそうだったのでテントの設営は後回しにして、荷物一式を置き、早速堤防へ釣りに出かけます。事前に聞いたところでは、アジがよく釣れるということだったのでサビキ中心の仕掛けを持っていったのですが、回遊がなかったようでアジは1匹も釣れませんでした。

釣り師の皆さんの狙いはクロメジナが多かったように思いますが、僕らは何でもよかったのでいろんな仕掛けを試してみました。釣れた魚は、チヌ、カサゴ、ヒイラギ、チダイ、アイゴ、ベラ、フグといったところです。チダイは堤防先端からのちょい投げで釣れました。

2回ほどサビキに50cmクラスのボラかスズキらしき魚がかかりましたが、タモ網を持ってきていなかったのでとても引き上げられず、ハリスを切られてしまったのが惜しまれます。

キャンプサイト

夕方5時ころには他の釣り師たちは迎えに来た渡船で帰って行き、ついにこの島は僕らだけになりました。ここからが真の無人島です!

暗くなるまで釣りを楽しんだ後、釣れた魚や道具をかついでキャンプサイトに移動。テントの近くで夜釣りもしたかったので海沿いの方にテントを立てました。それから借りた炊事セットで釣ったの下ごしらえをし、焚き火の準備。火がつかなかったらごはんが作れなくなってしまうので着火剤をたくさん持参してきたのですが、レンタルの焚き火セットにバーナーも用意されていたので心配無用でした。

米を研いで、焚き火が落ち着いてから飯盒炊爨を焼き網に載せ炊飯を開始、それからタイミングを見て下ごしらえした魚を一緒に網に載せて焼きました。もっと大物だったら刺し身にしたかったのですが…。釣ったばかりなので、塩をふらなくてもいい具合の味付けになりました。小物ながら1人5匹くらいあったので、さすがに最後は飽きてきました(笑)。

キャンプサイトの紹介をしておくと、備え付けのテントが2つにウッドデッキが14張分あります。屋根のある東屋は、雨が降った時に安心です。

トイレは水洗で、体の不自由な方でも使えるものもありました。僕らは使いませんでしたが、温水シャワーもあります。

炊事棟などは照明がありますので炊事の際はヘッドライトがなくても大丈夫。ピザ窯を借りることもできます。


島の概要

島の周囲は約4kmで、真ん中の山は標高80m。山道の周回路があります。管理棟、広場、堤防は陸よりの西岸にまとまっています。炊事場の近くから山道があり、少しあがるとバンガローが6棟あります。

さらに進むとハンモックなどがある展望所に出ます。展望所ではありますが、周囲は木に囲まれているのであまり展望がいいとは言えません。日の出を見るなら東海岸に出ることをお勧めします。

東海岸に下る道にはロープが付けられています。

波に洗われたまんまるの石ばかりの浜です。波が引く時にコロコロといい音がしました。

日の出が美しい。

乙島の夜

門川町から船で5分の距離なので、電車が通る音が聞こえてきたりと無人島のムードには欠けますが星空はきれいでした。

キャンプ場では、動物がいると食べ物などを外に出しておけないので観光協会の方に聞いてみたのですが猫や猿など食べ物を取るような動物はいないとのことですが、未確認ながらイノシシがいるらしいという情報があるとそうです。

そして、日が沈んでしばらくした頃、山の方でギャーギャーと獣の声がするのでライトを向けてみると、キラリと目が反射しました。いるじゃないか〜、僕はハッキリとは見ていないのですが、息子は2匹のタヌキかアナグマのような動物2匹がケンカしていたと言ってました。

食後、広場前から初めての夜釣りをしてみました。1時間弱でしたが、息子はチヌをゲット。コマセが余っていたのでたくさんまいてみましたが、あまり魚が集まってくる様子はありません。

翌朝も早朝から釣りをして、日の出15分くらい前から散策に出かけました。東海岸で日の出を見てから朝食を作るためにテントに戻ります。キャンプサイトは西側なので朝方は山の陰になって日が射さず、10月末だとちょっと寒かったです。

朝食も昨日の夜と同じ飯盒炊爨と釣った魚の塩焼き。インスタント味噌汁でも持ってくればよかったと少し後悔。食後は、借りた道具を洗ったりテントを撤収し日に当てたりと慌ただしく動き、10時に約束していた迎えの乙島丸で島を後にしました。

本当に思い出に残る貴重な無人島体験でした。

コメント