今日は「天空の城ラピュタ」のモデルともいわれる城「クラック・ド・シュバリエ」に行ってみる。8時過ぎに宿をチェックアウトし、歩いてホムス行ミクロバスターミナルへ。今日は久々に青空がのぞいている。相変わらず人通りは少ないがすがすがしい朝だ[:晴れ:]
ホムスまではミクロバスで20〜30分くらい。パキスタンのようなハイエース4人掛け詰込みがないのがありがたい。普通にゆったり座ってホムス市内のバスターミナル到着。ここでクラック・ド・シュバリエ行ミクロを探すがなかなか英語の通じる人がおらず一苦労。ちゃんとアラビア名(カラアット・ホスン)を覚えていけばよかった[:モゴモゴ:]
しばらく探し、結局英語のできる兄ちゃんにミクロまで連れて行ってもらう。朝食にファラフェルを食べ終わったころちょうど出発。20分くらい幹線道路を西へ進み、城が見え始めたあたりから坂道を北へ登り始める。ミクロはさらに15分くらい進み、城のまん前で停めてくれた。あたりは木のない緑の丘陵地とそのゆるやかな斜面に町がいくつか点在するというのどかな風景だ。
僕はバックパックを持ってきていたので入口近くの柵にチェーンでくくりつけ入場券を買う。一般150SP、学割10SPと差がありすぎ。なのでダメモトで2004年にブラジルのサンパウロで作った学生証を出してみる。案の定、これ期限切れですね、と突っ返される。が、そこは「Everything is negotiable」を信条にしている僕「今年用を作ろうとダマスカスの旅行代理店をあたったけど、イードで開いてなかったんだよ。頼みますよ」とお願い。しかし「このカードは裏にいろいろ書いてあってここにある見本とは違うではないか。見本と違うものは学割と認めないよう言われている。」とまたNG。う〜ん「このカードはブラジルで作ったから違うんですよ。ね、StudentじゃなくてEstudante(エストゥダンチ)って書いてあるでしょ。でも、これはフェイクじゃないんです。15US$も払って作ったんだから。」などなど説明をする。結局、おっちゃんが折れて「Only You」といって10SPで入れてくれた。ありがとう、助かるぜ[:拍手:]
さて、ラピュタのモデルになったというお城であるが、僕はもう全く「天空の城ラピュタ」のストーリーもそこに出てくる城というのも、主人公の名前すら思い出せないのだ。「ハウルの動く城」ならさすがに思い出せるけど…僕は映画を見るのは好きだが、たいていのものは1年も経たないうちにあらすじすら語れなくなる。言い返せばストーリーを思い出せる映画というのは僕にとってかなり強く印象に残った映画か、よっぽど単純な映画ということになるだろう。
このお城についての予備知識は何もないのでいつ造られたのか、誰が建てたのかなど全く知らないが、いかにも城といったシンプルで重厚な石造りである。ベージュ色の石がいろんなサイズに切られ、その積み重ねで巨大な城が成り立っている。基本的には城壁と城という普通の構造で、細かい装飾はあまり残っていない。ありがたいことに、暗いところが多いわりには(この手の建物にありがちな)ションベン臭さがない。
先に城壁を一回りしてから城へ入る。中にはレストランもあってシャイ1杯25SPだと呼びこみをしていた。受付のおっちゃんが今日は金曜(休日)だからミクロが早くなくなるぞ、と言っていたので1時間強で見学を終え、12時前に城の外へ出てくる。ここから少し坂道を歩いて城の全景を眺められるポイントへ行って写真を撮る。周りの風景を含め城全体を見ると、やはりここは城自体の魅力よりもやはりロケーションの魅力が大きいなぁと実感する。
ちょうど城へ戻ってきたころにミクロが来たので順調に1時頃ホムスのバスターミナルまで戻ってくる。ここからパルミラへ移動するつもりだったが、パルミラへは別のターミナルから大型バスが出ているといわれ、またセルビスで移動。プルマンターミナルでパルミラ行を探すが、カウンターにはアラビア文字しか書いておらず、どこのバス会社がパルミラ行を出しているのかさっぱり分からない。案内所もないので中学生らしき少年を捕まえてカウンターを聞く。そこでチケットを買おうとするが、今日はもう満席だという。ミクロならあるだろうといわれ、一度ターミナルから出るとタクシーおやじに囲まれた。500SPでパルミラ行くぞ、というがタクシーになんか乗る気もない。カタコト英語のおやじが次から次へとやってきて、ミクロターミナルまでタクシーで行けばバスがあるというがので、「俺はそこから来たんだ、でもバスがなかったんだ」と何度も説明するが理解できないらしい。とにかくどこかに移動したいのでパルミラをあきらめ地中海沿岸の町ラタキアへ行くことにして、タクシーおやじに「ラタキアに行くことにした。でもタクシーは使わない。どのバス会社でチケット買える?」と聞く。これがシリア人の親切なところだと思うが、タクシードライバーなのにちゃんとバス会社のオフィスに連れて行ってくれ、ラタキアまでと窓口でチケット(70SP)の手配までしてくれる[:イヒヒ:]
20分ほどでバスは出発。バスに乗ってしばらくして雨になった。ラタキアまでは約2時間というので30分くらいで途中だった「遠い太鼓」を読み終え、後は眠る。気がつくともう夕方で窓からは海が見えていた。4時すぎにどこかのターミナル着。僕より後ろの席の人がほとんど降りるので、ここラタキア?と通路を挟んだ席の少女に聞くと「NO」だという。ラタキアはもうちょっと先らしい。さらに30分ほど行った幹線道路にバスが停車。ラタキアよ、とさっきの少女が教えてくれる。バスターミナルに着くと思っていたのでちょっとあわてて下車。ラタキアは泊まる宿の見当はつけてきたものの地図がない。とりあえずやってきたセルビスを停め、通じないとは思いつつ一応City Center?と聞いて乗り込む。案の定ドライバーに英語は通じなかったので、街中らしい適当なところで下車。後は人に聞きながら目当てのホテルを探す。
ラタキアに来た第一の目的は地中海沿いで暖かそうだからということなのだが、冷静に考えれば150km程度の移動で劇的に気温が上がるわけもなくラタキアの町も寒いことに変わりはなかった。しかし、宿を探しながら町を歩いていてこの町ってボニータ度(かわいい子の割合)が高いように思う。いいとこかも…
30分くらいさまよい、ようやく目当ての宿を発見しチェックイン。シーズンオフのためか人も少なく思ったより安く泊まれた。宿が安かったので浮いたお金で(シリアに来てはじめて酒屋に行って)シリアワインを買ってみる。熟成度が低く、それなりの味だが100SPでアルコール度数は12%だから気持ちよいくらいに酔うにはビールよりいいだろう。
本日の1曲 Sting「Lithium sunset」
↓これが「天空の城」クラック・ド・シュバリエ
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