Day279 地震から半年

パキスタン北部大地震から今日でちょうど半年だ。地震のあった9時前、密かに被災者の方々に黙祷を捧げる。
新聞によると昨日から政府の復興プログラムが開始され、被災世帯のリサーチも各地で始まったようだ。先日書いた復興プログラムに関し、この数日間の新聞報道から補足しておくと
被災世帯への特別手当は一律3,000Rs×6ヶ月ではなく状況によってはさらにプラスされる、手当の支給は現金ではなく銀行口座への振込になる、政府による調査に協力しない場合は支払対象にならない、といったことが記事にあった。
また、フンザから戻ってきて聞いた話では、被災者への支給金25,000Rsを被災者でもない人が担当の役人に賄賂を払って不正に得ていた者が相当数投獄されたとか、H-11のCDAテント村に入居していた家族の半数以上が被災者していないカシミーリだったとかいうものがある(これらは報道によるものではない)。そういった不正が多数発覚したことから政府は今回の復興支援金の支給について煩雑ともいえる手続をとることにしたのだろう。被災者の中にはその手続について不満を表している人もいるようだ。
支援に携わって嫌になるのが「悪意のある者」をいかに排除するかということにエネルギーの大半を使わなければならないことだ。ぶっちゃけて言えば災害であってもカネが動くところでは「Trust nobody」みたいな状況になってしまう。外国から急に災害現場に入っても、誰を信じていいのか分からない。巨悪ともいうべき政府や大規模NGOレベルでのピンハネから、個人レベルでも支援物資を取れるだけ取って売りとばす、自分の家は問題ないのに壊れた他人の家を見せて同情をひいてカネを取ろうとする連中など悪知恵の巣窟ともいうべき状況がそこに生じてしまう。もちろん悪意のある者が多数ということではないだろうが、悪意がある者は向こうから積極的にやって来てしまうので、その嘘を見破っていかなければその先で支援を待っている善意の人に届かないし、そのために片っ端から疑ってかからなければならないのが悲しい現実だ。
普段町や村で会うパキスタン人はたいていいい人なので、こういった状況がパキスタンで特別ひどいことはないと思うが、果たして(比較的モラルの高いと思われる)日本ではどうだったのだろう?阪神淡路、中越などの震災現場で同様の状況にあったのだろうか???

本日の1曲 Soul Asylum「Black Gold」

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