Day299 ラダッキ

ゴンパ(僧院)巡りをするには朝の勤行の時間帯を狙うのがいちばん開いている確率が高いのでしばらくは早起きを続けなければならない[:たらーっ:]
今日はその初日、6時前に目覚めたものの寝袋から出るにはちょっと寒く、7時30分頃までうだうだしてしまった。寝袋を出てからは速攻で洗顔を済ませ、8時前に宿を出る。朝でもさほど寒くはなく、Tシャツにフリース1枚でちょうどいいくらいだ。まずは北2kmのところにあるサンカル・ゴンパへ行こうと歩き出すが、途中で岩山の上にあるナムギャル・ツェモに上がる道が見え、しかも宿から見えていたよりずっと近いようだったのでこちらへ行くことにした。さすがに標高3300mでの山登りはしんどい。少し休みながら登り、10分後にツェモ・ゴンパに到着。2つあるうち上のお堂だけが開いていたので、こちらへ入りお参りをする。ドルジェ・ジグジェなど迫力たっぷりの憤怒尊が数体あるが、全て顔には布がかけてあった。お参りをしているうちにラマが来たので挨拶をして、下のお堂を開けてもらう。こちらは弥勒堂でかなり大きなチャンバ(弥勒菩薩)像がある。僕が出るとラマはお堂に施錠をして下へと駆け下りていった。僕はこの上にあるナムギャル・ツェモに行ってみるがこちらも施錠されたいたのでしばらくタルチョはためく岩山の上からレーの町やその向こうに連なる雪山を眺める。このたくさんのタルチョを見ていると昨年行ったナムツォを思い出した。思えばこの3年間で雲南〜ラサ〜ネパール、ラサ〜西チベット〜新疆、そしてラダックと毎年チベット文化圏を訪れている。残るはブータンか?(笑)
岩山を降りて、サンカル・ゴンパへ行ってみたがもう朝の勤行は終わっていたようでお堂は閉まっていた。どうもラダックのゴンパは見た目の僧坊の数に比べ実際に在籍している僧が少ないような気がする。この後、サンカルの集落をぶらぶらしてから北にあるティセルー・チョルテン跡に行ってみる。この辺りは畑が多く、ヤク(またはゾウ)に鋤をひかせて畑を耕している風景がいたるところで見られる。その1つを見ていたら、おばちゃん達に中へ入れと誘われたのでお邪魔する。ここの畑ではジャガイモを植えているところだった。ちょうど一息ついてお茶というタイミングだったらしく、バター茶とラダックブレッドにヨーグルトを振舞われた。けっこうな年のおばちゃんなのにラダッキ、ヒンドゥーに加え、まずまずの英語を話すから大したものだ。朝食を食べていなかったので助かった。パンにヨーグルトというのもなかなかヘルシーな朝食メニューだ。ラダッキはとても親しみやすい。目が合えば「ジュレー」と挨拶をしてくれるし、かといって何かを企んでいるインド人のように馴れ馴れしく話しかけてきて付きまとうような輩もいない。インドとは思えないオアシスのようなところだ。
おばちゃん達と別れてティセルー・チョルテンを見てから日本山妙法寺の建てたシャンティ・ストゥーパへ行く。インドではダージリンやプリーなどにこの妙法寺のストゥーパ、寺院がある。妙法寺は日蓮宗に属しており、藤井日達上人が興しているようだが、ここには日本人僧は常駐していないようだった。ここもまたとても眺めがよく、しばらく景色を楽しんでいた。この後一度宿に戻ってから昼食をとりに出かける。ついでに数珠を買おうといろんな露店を物色するが思ったより高い。以前、ブッダガヤーで買った値段の倍くらいするような気がする。話を聞くとたいていの品はネパールから来ているらしい。ラダッキと商談をするのもなかなか楽しく、あるおばちゃんは初め470Rsと言っていた数珠を180Rsが仕入れ値だから200Rsで買ってくれと言い、別のおばちゃんは、今はシーズンじゃないから180Rsで売るけど、6月になったら250Rs以下では売らないなどとぶっちゃけトークになりがちだ[:モグモグ:]
それもインド商人のような異常なボッタクリやアグレッシブな売りつけがないからこちらも会話を楽しむ余裕ができるのだろう。結局、購入には至らず食事だけ済ませ宿へ戻り2時間ほど休憩。珍しく昼間から電気がきていたのでデジカメのバッテリーを充電しておく。
5時頃再び町へ。今度は南へ下りバスターミナルまで行ってみる。昨日と比べると白人の数がだいぶ増えたように感じるが、ダラムサラのようなヒッピー系ではなく比較的年配のまともな旅行者が多いようだ。オリエンタルかぶれのバカ共は陸路が通じてからやって来るのだろう。バスターミナルに時刻表はなく、適当にドライバーをつかまえて朝は何時から出るんだ?と聞くが、9時とか言われると(そんなに遅いとは思えず)ちょっと怪しい。ここでラダッキ−英語−ウルドゥ語という辞書を発見。150Rsなので買ってもいいのだがちょっと大きいので迷う。再びバザールに戻り、仏具屋を覗くとちょっとアンティークっぽいヤクの角製(ホンマかいな?)の数珠を見つけ、ちょっと高いが値切って150Rsで購入。じっちゃん、ばっちゃんが着けているようなのが欲しかったのでかなり満足。
さっそくこれを持って朝閉まっていたサンカル・ゴンパを再訪。6時過ぎに着いたがやはり閉まっていた。ラマの姿も見えないのでしばらく外でマニ車を回していたら地元のじいちゃんが来たので、このゴンパは夕方開かないのか?と聞くと、「開くはずだ。ラマに聞きなさい。」みたいなことを言われたので再び中に入るとラマが出てきた。ちょっと待ってなさいという仕草をするのでカギを取って開けてくれるのかと思ったらそれきり戻ってこなかった。30分くらいして別の若いラマが外から戻ってきて「ちょっと待ってて」と英語で言い、お堂を開けて一人で勤行を始めた。僕は入場料を請求されることもなくゴンパをお参りさせてもらえた。このゴンパ、2階もあるのだがさすがにお経を読んでいるラマにカギを開けてくれと頼むこともできず帰ることにした。

本日の1曲 井上陽水「少年時代」

↓ラダッキのおばちゃんたち

コメント