Day332 津波の傷跡

昨夜、これからのルートについていろいろ考えたが、2日滞在を延ばしたこともあり、1日くらいは南西海岸へ行ってみることにした。今日の目的地はゴール、それからさらに45km先のマータラで宿泊という予定にした。
が、6時過ぎに起きてみると土砂降りの雨。これではビーチに行く意味がないので急遽予定変更してキャンディへ向かうことにする。宿のチェックアウト時にフロントのオヤジが現れず15分待たされた。キーのデポジットがあったので待たざるをえなかったのだ[:てれちゃう:]
そのタイムロスのおかげでキャンディ行のインターシティエクスプレスのチケットが並んでいる間に売り切れた。あぁ、ついてない。次のキャンディ行は3時間半後だというし、どこへ行こう。
思案の結果、天気は悪いながら当初の予定通り南西海岸へ行ってみることにした。2等席の切符を買って乗り込む。2等でも座席に指定がない…ということは座れない可能性があるのだろうか?街のインフラ全体的にはインドより進んでいる感のあるスリランカだが鉄道はコンピュータ化されておらず、未だに厚紙の切符である。乗ってしばらくすると眠ってしまった。気がつくとゴールまでの中間地点あたり。幸い、雨は小降りになっていた。雨が続いているせいか海は濁っており、曇り空に濁った海とまるで日本海を見ているような感じだ(溜息)。
海沿いでは津波で壊れたのであろう半壊状態の家や瓦礫をよく目にする。この地方の家はほとんど平屋だが、地震ではなく津波なので家の下敷きになって死ぬよりも波にさらわれて死んでしまう確率のほうが高かっただろう。相変わらず板を張り合わせた仮設住宅に住んでいる人もいれば新しい家に住んでいる人もいる。まぁ、ここは暖かいので仮設といえども冬を越すことについて問題はないだろう。さすがにテントはほとんど見かけなかった。もう1年半にもなるので建設中の家はさほど目立たず、道路、鉄道、木々などについては全く痕跡を残していない。そうこうしているうちに目的地が迫ってきたので数珠を出して雨が止みますようにと祈るとバッチリ雨が止み、晴れ間が見え出した。
10時半にゴール到着。何の情報もなかったのでツーリストインフォがあって助かった。ここで地図をもらい、駅にバックパックを預け、遅い朝食を食べてから観光開始。ここは16世紀以降、ポルトガル、オランダのコロニアルタウンがあったところで、今でも当時の砦に囲まれた旧市街が残されている。なお、この旧市街は世界遺産に登録されている。
駅からすぐ見える砦のトンネルをくぐると旧市街なのだが、思ったより小さく、残っている建物もあまり絵になるものがない。家が平屋だからあまり建築物に特徴がでないのだろうか…コロンボの町のほうがよほど面白い。大した広さでもないので全ての通りを歩いてみるが「ふ〜ん」といった感じ。ガッカリ世界遺産リストにまた1つ加わった(笑)。1時間半ほどここで過ごし、お茶を飲んでからマータラの街へ移動。
この頃にはすっかり青空になっていたので、ビーチに来たのは結果オーライ[:グッド:]
マータラに行く途中に見えるビーチには何ヶ所か美しいところもあったが、全体的にスリランカのビーチは砂浜が狭く、のんびり寝そべるには適していないように思う。車窓からスリランカ名物「棒に腰かけて釣りをするおじさん」たちを見かけたが、その数は少なく写真を撮るヒマもなかった。
マータラに到着して12年前の情報をもとに(笑)GHを探す。これだけ古いと値段云々の問題ではなく、存在すら危うい。その懸念があたり探していたGHは見つからず、近所の兄ちゃんがこの辺りには宿は(探していたのとは違う)1つしかないという。彼の話では津波以降、宿の値段は大幅に上がり、数年前は300RsくらいでGHを探せたが今では500Rsでもムリだという。そして、これはビーチに限ったことではなく全土でいえることだという。またも大ショック。外国人が大勢やって来ることで現地の相場が崩れるのはパキスタン地震でも経験したことだ。投下された金額はここの方が大きいだろうから、その分影響も大なのだろう。食事や生活必需品はローカル需要なのであまり値上がりはないのだろうが、宿や車チャーター費などの値上がり幅が大きいことは想像に難くない。これも津波の傷跡の一つか。
彼が自分のバイクで安宿に連れて行ってくれるというので半分疑いながらも乗っていくことにした。街からだいぶ離れたところまで来てしまったので、参ったなぁと思いつつ、とりあえずその宿を見せてもらう。いわゆるリゾート型のGHで部屋は全く問題なし。だが、値段は750Rsと全然安くない。こっちのバジェットは500Rsと告げてあったので、それに合ったところを知っているのかと思ったら、さっきの話の繰り返しで500Rsの宿はもはやないのだという。一応自分でも数軒あたって確認したかったので、この宿は断って兄ちゃんに「Thanks Anyway」と告げ、どの辺りの宿を当たってみるか考える。と、兄ちゃんが近くの宿のオヤジに話をしたらもう少し安くなりそうだから部屋を見てみろ、というので行ってみる。このGHはさらにいい部屋でピンクの蚊帳付(ちょっとHな感じ…)。値段を聞くと、2泊するという条件で650Rsになったのでここに決めた。荷物を解いてさっそく徒歩1分のビーチに行く。水温はOKだが、サーフィンレベルの大きな波が来る。引いていくときの力もかなり強いのでかなりヤバく、足が届く範囲で水浴びをするにとどめておく。それでも2年前のバングラデシュ以来のビーチを楽しむ。
シャワーを浴びて夕食を食べに行く。幸いバスでマータラの街まででなくても歩いていける範囲に食堂があって、ここで魚他5種盛り合わせのカレーを食べられた(65Rs)。これまたバングラデシュ以来、手でカレーを食べるが久々であまりうまくいかなかった。ビーチに来て部屋がよくてダブルベッドだったりすると一人身の寂しさを感じちゃうんだよなぁ(笑)…ショボイ部屋のほうがよかった。

本日の1曲 B’z「BLOWIN’」

↓車窓からの眺め

コメント