AIDS DAYに考えたこと

12/1は世界エイズデー。その前日、かねてからアフリカ支援に積極的な活動を行ってきたU2のボノが朝日新聞のインタビューに答えていた。
一部を引用すると、
「予防も治療もできる病のために、1日に約8000人が死に続けている。1カ月に1回インド洋大津波が、1日に2回、世界貿易センターの(米同時多発)テロが起きていると想像してほしい。この狂った現実を放っておけるのか」
 日本の役割については、00年の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)をきっかけに生まれた世界エイズ・結核・マラリア対策基金を挙げ「日本の主導で誕生した素晴らしい活動だ」と評価する。半面、95年にはフランスに次ぎ世界2位だった日本のアフリカ援助は04年には7位に落ち込んだ。「優しさの欠如ではなく、援助がうまく使われていないと感じているからではないか」とみる。自らの支援活動も踏まえ「独裁者に金が流れた過去の失敗を繰り返すわけにはいかない。援助の透明性を高め、日本の信頼と協力を取り戻したい」と語った。
 05年のG8サミットで各国が合意したアフリカ援助の倍増計画についても、「日本は約束を守る世界で数少ない国だ。その日本が約束してくれたことは非常に重要だ」と期待を込めた。
 「日本の国際貢献はイラクやアフガニスタンである必要はない。08年に日本で開かれるG8サミットでアフリカ援助にリーダーシップを発揮すれば、世界が日本を認める素晴らしい機会になる」
と、日本に対するより一層のアフリカ支援を求める内容だった。
しかし、僕のあいまいな記憶からすると日本のアフリカ支援重視策は2005年に画策した国連安保理常任理事国入りを意識した「エサ」であって、基本的に日本の援助スタンスはアジア重視にあるように思う。
確かにエイズ問題は南アフリカにおいて深刻な問題になっている。僕が南ア、ナミビア、ボツワナ、ジンバブエを訪れた2001年においてもボツワナでは4人に1人がエイズで命を失っていたし、ナミビアにいたときに聞いた話では、エイズの診断を受けた中年男性がWitch Doctor(霊能力を持つと信じられる女性祈祷師?)から「処女とセックスすることで救われる」と言われ、生後6ヶ月の女児をレイプして逮捕されたという信じ難い事件が発生したりしていた。また、ジンバブエで仲良くなったムビラの先生もある日、「昨日、兄弟の一人がエイズで亡くなった」という話をしていたというくらい普通の死因なのだ。
アフリカにおけるエイズ問題は非常に深刻だ。だが、ボノが言うように「日本の国際貢献はイラクやアフガニスタンである必要はない」からアフリカへ支援をすべきかというとそれはまた難しい問題だ。世界レベルで、多くの国で発生している様々な問題にどのような優先順位を立てて日本が援助していくかということについては利害関係も含めまさに国が決めていくべきことだと思う。
そして、もう一つ。国レベルで行う支援ではなく、日本人一人ひとりが個人として行う支援もある。これについても、各個人がいろいろ考えて自分自身がいちばん問題だと考えるところにお金なり、労働力なり、知恵なりを出していけばいいのではないだろうか?
国内でも、いじめ、自殺などなど問題山積み、世界に目を向ければ自然災害、戦争、貧困、病気などさらに多くの問題がある。正直にいって、一般市民が各支援団体の言いなりに求められる援助金を出していたら自分の生活が困窮してしまうだろう。
だったら、各人が問題を自分なりに整理して関心のある問題に対してある程度のお金等を援助していけばいいのではないか。
ただ忘れてはならないのは、自分たちが世界的に所得水準の高い日本に住んでいて概ね経済的に困窮していないのであれば、自分の収入の数%を自分が関心を持った問題の被害者たちに対して提供するくらいの気持ちは持つべきだということだと思う。
仏教的にいえば「利他の心」の実践というのかな…30万稼いだらそのうち1万くらいは問題を抱えている人に捧げるくらいの気持ちがあってもいいよね。その1万で救われる人はきっと大勢いるはず。

本日の1曲 Mr.Children「くるみ -for the Film- 幸福な食卓」

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