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2010タイ北部の旅 Day2

外気温は35℃を超えていても空港内は涼しくて快適。4時頃には掃除の人が多くなり目が覚めてしまった。実質睡眠3時間くらいだが仕方がない。

スワンナプーム空港からチェンマイに行くにはBangkok Airways(PG)が安くて便利でオススメ。webから簡単にEチケット予約できるし、なんと全乗客が利用できる空港ラウンジがあり、ネットは使えるし、コーヒーや軽食もとれる。Wi-Fiを使いたいといえばIDとPWを発行してくれるのでiPhoneユーザーにもありがたい。
チェクイン時に予約時に使ったクレジットカードを提示しなければならないので、それだけは要注意。

ところで、今回の旅はガイドブックなし。出発前に図書館で借りた「地球の歩き方」のチェンマイ、メーホソンの地図など必要最低限のページをスキャン、PDFにしてDropBoxに入れておく。あとは現地でiPhoneからGoodReaderで読むだけ。Lonely PlanetはKindle Editionも出しているし、ガイドブックも電子化がどんどん進むことが予想される。なんといってもガイドブックは重い。旅が広範囲になり時間も長くなると必要な情報も多くなるがそれを紙媒体で持って移動するのは大変なのだ。問題は充電が困難な状況とデバイスが盗難、紛失にあった場合のダメージの大きさか。

さて、ラウンジでリフレッシュしてからチェンマイ便に乗り込む。45分でチェンマイ空港着。バンコクに比べると驚くほど小さい。とりあえず1万円を両替して外へ出る…あ、暑い。チェンマイにはバスがないらしい。地図を見る限り、空港から旧市街の端までは2kmくらいなので、荷物もたいしたことないし、距離感をつかむ意味もあって歩いてみる。

予想通り30分ほどで北東の城壁に出た。ここから南にお濠?沿いを歩き、スアンプルン門から旧市街へ入る。特に泊まるところは決めてないので、目に入ったゲストハウスを片っ端から見ていけばいい。2軒目に入ったWanasit GHがホットシャワー・トイレ、ファン付250Bで小ぎれいだったので決定。早速シャワーを浴びて汗を流す。

それから宿帳を書いてここのあんちゃんとおばちゃんと話をする。北部はタクシン元首相派が多いと聞くがこの2人も自ら「赤シャツ組」だという。タクシン支持の理由は病院の費用などが安かったことを挙げていた。日本の報道で見たのと同じ回答だ。寺の裏で赤シャツ隊が騒いでるから見に行くといい、と言うので後で行ってみることにした。

さて、チェンマイ観光の第一歩は宿の隣にあるワット・プラシンから。ちょうどお昼前の僧の読経中だったので末席でしばらくお経を聞く。読経が終わると僧侶は食事になったので仏像を拝みにいく。ここで驚くべきことが…一段高いところに座っていた高齢の僧侶が等身大のフィギュア(蝋人形?)だった!非常にリアルだったが、間近で撮影するのは畏れ多かったので、控えめに写真を撮らせていただいた。



本堂よりもストウーパの隣にあるライカム堂とそこに収められているプラ・シン仏のほうが興味を惹かれる。重々しい赤と金の空間はそこら中にお寺があるタイでも珍しい。今回はガイドブックなしの旅なので、ほとんど先入観なく目に入ったものに対して自分がどう感じるかだけで評価している。実際、Tシャツで歩いていると胸ポケットもなくiPhoneを取り出してPDFにしたガイドブックを見るシーンはほとんどなかった。たまに方向が分からなくなったときに地図とコンパスを使うくらいだ。



プラシンを出て、拡声器から聞こえる声のほうへ歩いていくと予想通り赤シャツ隊のバリケードに出た。マイクに向かってしゃべっている主催者?たち以外の参加者はいかにものんびりした感じでただ日よけの下で世間話をしているだけに見える。タイヤが積まれて一応バリケードは造られているが緊迫感は全くない。これがタイで日常茶飯事的に行われているデモの風景だ。

少しほっとした気分で旧市街を出て、チェンマイ大学附属病院の敷地を抜けてニマンヘミン方面にあるマッサージスクールを探す。暑い中けっこう探しまわってようやく発見。お目当てのChiangmai Classic Art Thai Massage Schoolは日本人に人気のスクールで、訪れた時も生徒は日本人しかいないようだった。ここで、校長のタノム先生に直々マッサージをお願いできないかとリクエスト。様々な土地でいろんなマッサージを受けてきたが、上手い下手の差は明らかにある。(ウガンダで受けたマッサージは史上最低だった…やってる本人がまともなマッサージを受けたことがないのだろう)そこで、一度素晴らしいと評判のタノム先生の施術を受けたかったのだ。普段、朝から夕方まで指導をしている先生だったが、たまたまこの日は授業が2時までだったため、2時過ぎならOK、ただ先生のマッサージはちょっと高いですよ、と取り次いでくれた日本語の達者なローカルの女の子。300B/時間だという。確かにこのあたりの相場の倍くらいだったので、1時間コースにしてもらう。

2時まで1時間以上あるのでセントラルというショッピングセンターに行って涼みながら相場感を養う。来てまだ数時間しか経っていないがチェンマイはバンコクと比べるとかなり英語の通用度が低いと思う。外国人はよく見かけるのだが、一般の商店などは外国人相手に商売をする気があまりないのだろうか?指差し会話帳を持ってきてよかった。

マッサージスクールに戻って、リラックスした服装に着替え、足を洗ってからタノム先生のマッサージを受ける。さすがに力の入れ具合もパーフェクトで、心地いいと痛いのギリギリのところを行ったり来たりしている感じだ。チェンマイ式マッサージはバンコク式と比べるとストレッチに重点が置かれているように感じる。足の付根の血流を止めてから一気に解放させたりとメリハリのあるところも新鮮だ。タイ式マッサージはまず仰向けの姿勢から始まり足・下半身に7割近く時間をかける。日本や中国式の按摩はまずうつ伏せから始まり、肩や背中、腰に時間をかけるところが全く異なる。タイのマッサージは元々お坊さんのためのものだったと聞いたので、自然と托鉢で歩いたり、読経の姿勢で負担のかかる下半身を揉みほぐすことに重心が置かれたのかもしれない。先生は大サービスで実質1時間半くらい施術してくれた。体が硬くてあまりストレッチができず、苦笑されたのがちょっと恥ずかしい。

マッサージスクールを出てステープ通りへ向かい、ワット・スアンドークへ。この手前に山岳民族衣装を扱う店があったが展示されているものは高価で手を出す気にならなかった。さて、ワット・スアンドークは大きな本堂とストゥーパとチェンマイ王族のお墓である小ストゥーパ群が特徴だが、僕は裏庭にある巨大菩提樹にも気に入った。本堂は非常に高さも奥行きもあり、奥には大きな仏像が置かれている。月・水・金曜日の5時からここでMonk Chat(英語でのお坊さんとの会話会)が行われるほか、瞑想講座なども開講されているようだが、僕が訪れたときは他に外国人らしき姿は見えなかった。






この後、さらに北へ道沿いに歩いてWatoson’sに寄ったりしながらトンパヨーム市場へ。夕方だったのであまり活気はなかったが、芋虫のフライが売っていたので食べてみる。予想通り味はなく、サクっとした歯ごたえだけ。ここを出て近くの食堂でチェンマイ名物カオソーイを食べる。カオソーイは簡単に言うと、ココナツカレーベースのラーメンである。マラッカのラクサと同じようなもんだろうか。パリパリの揚げ麺が主役の小麦麺以上に存在感を放っている。なお、このカオソーイはバンコクではほとんど目にすることがない食べ物なので、チェンマイに来たら一度は食べておくことをお勧めする。



食後は、初めてソンテウを拾って一気に旧市街の南側のターペー門へ移動。このあたりで旅行代理店の相場をチェックし、夕暮れのワット・チェディ・ルアンへ。ここの巨大ストゥーパは半壊してはいるが、チェンマイでも桁外れの大きさで見る者に強烈なインパクトを与える。僕が今回の旅で回った寺院の中でも一番印象に残っている。また、ちょうど夕暮れで空の色が刻一刻と変わるタイミングだったので、見るサイドが変わり、空の色も変わっていて15分ほど目を楽しませてくれた。



この後も旧市街をブラブラしていると、ワット・プラシンの近くまで来てしまったので、セブンイレブンの向かいのソムタム屋台でお母さんの作るソムタムをチャンビールと一緒にいただく。これこそタイ!!!ソムタム&ビールなら毎晩でも食べたいところだ。
食後、宿への道を歩くが、夜は日中とだいぶ見え方が違っていて宿へ曲がる道を見逃してスアンドーク門近くまで歩いてしまった。戻る道すがらセブンイレブンでまたチャンビールを買ってシャワーを浴びた後、村上春樹の1Q84を読みながら晩酌…極楽。

本日の1曲 Slash feat. Ian Astbury「Ghost」

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