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奈良・京都秘仏めぐり(その7 広隆寺)

大和西大寺から近鉄で京都へ移動。所要時間約40分、思ったより近いものだ。京都では太秦の広隆寺、大徳寺、それから六波羅蜜寺に行きたかったので、まずは観光案内所で効率的に回るルートを聞いてみる。その結果、まずJRで太秦へ行って広隆寺を見学、それから嵐電で西大路に出て205番バスで大徳寺、最後に206番バスで六波羅蜜寺に乗るのがいいだろうとのこと。

早速、JRの亀岡行山陰本線ホームへ行くが、ここでいきなり20分待ち。もう3つのお寺を回るのは難しいか…太秦駅から広隆寺は徒歩5分くらい。南大門ではなく駐車場側から入っていく。

境内に入ってまず眼に入るのが本堂(太子殿)。ここには聖徳太子像が祀られているが通常は非公開。そもそも広隆寺は泰河勝が聖徳太子から半跏思惟像を賜り、これを本尊として建てられた寺と言われ、聖徳太子との縁が深いところなのだ。ということは、平安遷都よりずっと早く建てられているわけで、実は京都最古の寺院としても知られている。


このお寺の最大の見どころはやはり国宝第一号である宝冠弥勒菩薩半跏思惟像をはじめとする霊宝館所蔵の仏像だ。霊宝館への道へ入るところに券売所がありここで入館料を支払う。ちょっと背が高めの受付カウンターのため、かがんで入れば無銭入場できそうだなぁと思っていたら、霊宝館入口で券売所で渡されたパンフレットのチェックがあった。無銭入場者が結構いたのだろう。


建築物ではなく一級の仏像を見るのであれば、ここはまず足を運ぶべきところかもしれない。なんと国宝が5つも展示されているのだ。前述の宝冠弥勒の他、通称「泣き弥勒」と呼ばれるやや小さい弥勒菩薩像が正面中心に並んでいる。この二体、大きさがこれほど違うとは実物を見るまで全く知らなかった。さらに、3mを超える大きな不空羂索観音立像千手観音立像、そして十二神将立像が霊宝館の国宝仏像。その他、講堂にはご本尊の阿弥陀如来坐像が祀られていて、こちらも国宝に指定されている。


ざっと50体ほどの仏像が四方に並んでいる姿は圧巻だが、どうも博物館っぽい感じが気になる。先に秋篠寺を見てきたからか、やはり仏像は少し暗いくらいの寺の空間がいちばんしっくりくるように思った。

しかし、平日だったせいだろうが、急かされることなくじっくりとそれぞれの仏像の姿を目に焼き付けることができたのはありがたい。宝冠弥勒の「東洋のモナリザ」とも言われる優しい微笑は見る者の心に安らぎを与えてくれる。その存在感はやはり際立っているのだが、僕は、背面側に立っている巨大な不空羂索観音像も非常に美しく端麗な造りで心惹かれた。


満足度120%、僕的には三十三間堂と並ぶ京都No1寺院にランクイン。何度でも来たい寺になった。

[help]広隆寺: 最寄り駅 JR太秦、嵐電太秦広隆寺 拝観料 霊宝館700円[/help]

本日の1曲 福山雅治「覚醒モーメント」

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