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2011イタリア旅行(Day2)

さて、本日よりイタリアの旅が始まる。バックパッカー時代のクセで綿密に行動予定を決めず街に出て考える行動パターンが抜けていない。今回は日程が短いから宿を出る前にしっかり行くべきルートを決めておかなければならないのに…

このMilani Hotelのプランには朝食が付いていないが、お腹もすいてないので観光へ出発。とりあえずテルミニ駅前のバスターミナルから40番のバスでヴェネツィア広場方面へ行ってみる。始発なのだが出発前からかなりの混雑、パンテオンらしきドームが見えたのでその次のバス停「アルジェンティーナ劇場前」というところで降りてみる。なお、イタリア語でバス停は「FERMATA」覚えておくと便利な単語だ。
しかし、ローマの建物はデカイなぁ。日本の5階建てがこっちの3階くらい。自分が縮んだように感じる。さて、アルジェンティーナ広場のバス停前にはさっそく「アレア・サクラ」という遺跡がある。ローマの地下には本当に歴史がそのまま埋まってるんだなあ、と感心。ちゃんと予習をしていなかったので、この遺跡なんだったのか知らなかったのだが、ここがカエサルの暗殺現場だったらしい。wi-fiエリアと書いてあるのにiPhoneから全く接続できない。なんなんだよ。

地図を見るとパンテオンがすぐ裏手にあるようなのでそこへ向かって歩いたつもりが反対側のテヴェレ川にいきあたる。ま、これはこれでいいか。中洲の建物に向かってかかっている橋が素敵なので行ってみる。箸の手前にはヘブライ語の表示のある建物があり「Museo Ebraico」…と書いてあるので、どうやらヘブライ美術館らしい。シナゴーグもあって、ローマが多文化の都市だったろうことを感じる。

ファブリツィオ橋を渡って中洲へ。テヴェレ川は思った以上に水流も多く、流れが急で驚く。この気温では落ちたら助からないだろうな…イタリアにもホームレスは多いが日本と違って川沿いに仮住まいを作ったりはしないようだ(笑)
橋を渡ると両脇に教会がある。中洲(ティベリーナ島)の多くを占める巨大な建物は病院。昔は患者を中州に隔離する狙いがあったのではないかと推測。


病院の対面にある聖バルトロメオ教会が開いていたので、初詣してみる。十字架に腕が交差している印が面白い。朝は観光客も一組くらいしかなく静か。ローマで最初にフラっと入った教会だが、それでも精緻な彫刻と絵画の数に驚く。レベルが違うなぁ。脇の礼拝堂の聖母子像画はほかの部分より古いようで教会の建設当初の部分なのかもしれない。しっかりとした太い輪郭線に、濃い色彩が印象的。背景は剥落したようでレンガがむき出しているが、それがかえって残された部分が際立たせる。連れのお腹の中にいる子もこの聖母子像のように、健やかに元気に生まれますようにと祈願。すると、シスターが通りすがりに妻に笑顔で何か語りかけお腹を撫でてくれた。シスターが祝福を与えてくれたに違いない。Grazie!

改めてガイドブックで現在位置を確認して、ヴェスタ神殿、サンタ・マリア・イン・コスメディン教会方面へ移動。ヴェスタ神殿はローマで一番古いというコリント式の円柱に囲まれているが思ったほど大きくはない。梁の部分に木が使われているが、これは復元時のものだろう。続いて道を挟んだところにあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会へ。ここには、ローマの休日で有名な「真実の口」があり、40人くらいがガヤガヤと列を作っている。まずは、先に教会の内部を見学。ちょうどミサの最中で、司祭さんの声が浪々と響いている。が、なんだか耳慣れない言葉。節回しもより歌にのせている感じ。列席している信徒さんもなんとなく一般的なイタリアンとは感じが違う。どうやらこれはギリシャ正教?表示板にはギリシャの何とかのミサをアラブ語であげている、というようなことが書いてあった。歌うような声と響きにしばし聞き入る。教会はそもそもギリシャ人の教会として建てられたそう。ミサで焚かれる香の煙のおかげで外からの光が線となって真っ直ぐ差し込んでいる。


教会を堪能したあとは、せっかくなので「真実の口」に並ぶ。寄付は50セントからで、写真は一人一枚という表示板があり、愛想はないけれどばんばん人をさばく係員が一人いて、頼めばこれまた愛想なく、写真も撮ってくれる。お決まりの真実の口に手を入れるポーズで記念撮影。何でもこの口、一説によるとローマ時代の下水道の蓋ではないかとか…口に足をひっかけて転ばないだろうか?

教会から少し歩けばフォロ・ロマーノの丘。階段と坂を少し登って視界がひらけると、そこから偉大なるローマ帝国の街並み「フォロ・ロマーノ」が!紀元前6世紀にはすでに大下水道が整備されていたとか。丘はちょうど良い展望台になっていて、コロッセオまで見渡せる。さすがに圧巻。眼下に広がる二千年近い昔の街並み。それなのにこんな高い石柱が残ってるのが不思議な感じ。ここまではまだそれ程観光客も多くは感じなかったものの、ここへ来るとわんさかいて、清水寺のようになっている(笑)。


カピトリー二美術館のあるカンピドーリオ広場も団体客やらなんやらでにぎわっている。広場には降誕祭の人形があって、聖家族だけでなく、活気あるリアルな町が再現されていて面白い。フォロ・ロマーノの街並を眺め、「トラヤヌス帝の記念柱」の脇を通ってメインストリートをコロッセオの方面へ歩く。両側には大道芸人や土産物屋さん、おなじみの南米バンドが演奏していたりする。




身重の妻にとってはこれ以上歩いて回るのはつらいので一度宿に戻る。コロッセオから地下鉄でテルミニへ移動。駅のビュッフェ式食堂GUSTOでご飯。手軽にいろいろ選べてリーズナブル。ここは駅職員御用達らしく制服姿が目立つ。イタリア国鉄の制服はなかなかかっこいい。1着欲しいなぁ。イタリアのレストランでは、ドレッシングはオリーブオイルとバルサミコだけらしい、シンプル。

一休みして一人で再度観光へ出発。雨がぱらついていたので駅近くの見所から回って、激しくなったら帰るつもりで歩く。まずはオペラ座。ここはあまりに簡素でガッカリ。イタリアではやはりミラノのスカラ座がNo1なのだろう。続いてクイリナーレ宮殿を通ってトレビの泉へ向かうが道を間違え、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂が見えてきたので宮殿まで戻る。宮殿の脇にある階段を下って小道を右折するとそこがトレビの泉。いきなり目の前に現れた人混みにビックリ。十数年前に訪れた記憶がうっすら蘇る。


続いてマルクス・アウレリウス記念柱のある広場からパンテオンへ向かう。このあたり人口密度は朝の静けさとは大違い。一応スリなどに気をつけサッサと歩く。やがてパンテオンに到着。半分改修中でちょっとガッカリしたが内部には問題なく入れる。巨大なドームに圧倒される。上を向くのに疲れたのか横になっている女の子の姿も(笑)。中にはラファエロの墓もあるが、非常に混んでいてあまり長居をする気にならないので退散。




すぐ近くにあるサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会へ移動。ミネルヴァ広場には象のオベリスクがありユニーク。ローマ唯一のゴシック式教会の外見はシンプルだが中は息を呑む美しさ。まず濃いブルーの天井が目に入ってくる。ここでは、リッピの「受胎告知」、ミケランジェロの「あがないの主イエス・キリスト」などの傑作を見ることができる。




教会を出るとうっすら暗くなってきたのでペースを上げる。次に目指すはサン・タゴスティーノ教会。ここでカラヴァッジョの「ロレートの聖母」を見るのだ。扉を開けて入るとすぐ左に目指す絵があって驚く。いかにもカラヴァッジョ的な闇から浮かび出るように描かれた聖母を鑑賞。近くの柱にはラファエロの「預言者イザヤ」が描かれている。




本日の最終目的地はナヴォーナ広場。着いてみると日も沈んだ広場は(クリスマスだからか)縁日の会場となっていて親子連れで大混雑。移動式のメリーゴーランドまできている。まともに歩いて進むこともできず噴水の写真だけ撮って退散。


さぁ、妻の待つ宿に帰ろう、とヴィットーリオ・エマヌエーレ通りに出るが渋滞で車が流れていない上、バス停にも人があふれている。ローマに限ったことではないが、ヨーロッパの都市は駐車スペースがないのに車は多く、路駐で市内交通が麻痺寸前になっている。バスを待つより歩いたほうが早いと見切りをつけてテルミニ駅へ向かう。途中、ジェズ教会を見学(というか中で一休み)、クリスマスツリーの向こうにヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂を眺めテルミニ駅まで帰ってくる。かなりの距離を歩いたがおかげでローマ市内の距離感がつかめた。夕食を食べに出かけるのも面倒になったのでスーパーの惣菜とワインで夕食。


本日の1曲 宇多田ヒカル「Time Limit」

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