2011イタリア旅行(Day3)

2日目は8時頃活動開始。今日は、2001年アフリカの旅でナミビアの現地ツアーで一緒になった友人Stefano&Silvia夫妻を訪ねるのでとても楽しみ。なんたってアフリカ以来たまにメールやFACEBOOKで連絡をとっていた程度で10年ぶりの再会なのだ。旅先では、それこそ百人以上のと旅人と接点があったわけだが、今でも連絡を取り合える人はごくわずか。しかし、あのナミビアツアーのメンバーは妙に楽しいチームで昨年はアイルランドのNichoraが日本に来てくれたりとメンバー全員とではないものの交流が続いている。

StefanoはPesaroという街の郊外に住んでいるのだが、特急列車の終点であるAnconaの駅まで迎えに来てくれるというので、数週間にwebで座席の予約をし、ticketlessオプションにしていた。しかし、Reservationの画面をプリントしたものだけで本当に大丈夫か不安だったので、朝、駅のチケット売場に並んで引換の必要がないか確認。駅員のオジサンにこれを持って乗れば大丈夫と言われ、一安心。

せっかく外に出たので駅のカフェで朝食。朝セット(Menu Mattina)はブリオッシュとカプチーノ又はコーヒーにジュースで3.9€。ブリオッシュはクロワッサンみたいなもの。オレンジジュースが生搾りで感激するウマさ!そして、濃厚なエスプレッソもイタリアならではの味わい。

一度ホテルに戻って、一泊分の荷物以外を預け9:50発の特急でアンコーナへ向け出発。頭で分かっちゃいるものの、出発ベルのない列車は不思議で不安。車内は、1列が2席と通路を挟んだ1席になっている。2席予約したら通路を挟んで隣合わせになってしまったので、席をチェンジしてもらう。こういうのは当たり前らしく、検札に来た車掌も数さえ合っていれば、誰がどこに座ってるかなど細かく詮索することはないようだ。

ローマを出て10分もするともう田園風景。丘と山がつらなるのが綺麗。岩山が多くて、石の都ができるわけだなあと納得。景色としては、11月に訪れた秩父の周辺を思わせる。途中、山の上に古い塔がある山肌にくっついたような町も見える。途中の駅で中国人留学生らしき一団が降りていった。イタリアは予想以上に中国の移民が多いようだ。そういえば宿の近くにも2軒中華料理屋があった。

定刻数分遅れでにアンコーナ駅に着くと、Stefanoが迎えにきてくれた。イタリア人らしい大げさな抱擁で歓迎してくれる(笑)。10年ぶりの再会だが、お互いそんなに変わってないかも…アンコーナからStefanoの家まで小一時間。ランドローバーで高速をかなりのスピードですっ飛んでいく。イタリアの高速道路(Auto Strada)はフリーウェイではなく有料道路。ETCもあった。ペーザロやアンコーナのあるマルケ州(Marche Province)はウルビーノくらいしか外国人観光客が来るスポットがないのだが、実際来てみるといいところだ。ローマ、ミラノ、フィレンツェなども4時間くらいで移動できる範囲だ(けっこうかかる?)。

Stefano家はペーザロからすこし山に入ったところ。目の前の斜面には畑がひろがり、向かいの稜線をたどると要塞のように頂から海を見晴らす教会や門がみえて、数年前に引っ越してきたときから自慢していたのも納得のロケーション。家に着くと、少年が「カツヤ・キムーリャー」と叫びながら駆け寄ってくる。長男のArioくん(4歳)だった。続いてお姉ちゃんのAdeleちゃん(7歳)も、2人とも超カワイイ。ほっぺにキスしてもらう(^ ^)。そして、母のSilviaが迎えてくれる。Silviaは髪も短くなってすっかりお母さんらしくなっていた。


この家は建築家のStefanoが数年前に古い家が売りに出ていたのを購入し、自分の設計で建てなおしたもの。至る所にイタリア人らしいにセンスが光る、雑誌に紹介されそうな家だ。一階には夫婦の寝室と子どもたちの部屋、バスルームにウォークイン・クローゼット、二階へ上がるとイタリアでは必須だという薪ストーブを中心に、ダイニングキッチンとリビング、そしてテラスがある。日本では薪ストーブあこがれるけれど設置するのはちょっと難しいんだよねと言うと、イタリアで家を設計するときにまず考えるのはストーブだよ、と言われた。うらやましいぞ。


荷物をほどいて早速レンズ豆のスープでお昼をご馳走してもらう。新年にレンズ豆を食べるとお金持ちになるらしい(笑)。蜂蜜とアプリコットジャムをつけていただく羊乳のペコリーノチーズも美味い。以前からそうだったけどStefanoはよく働く。イタリアのお父さんは日本のお父さんの3倍くらい家事や子供の相手をしていると思われる。僕も見習わなくては…お昼から赤ワインをいただいて、イタリアンライフを満喫。

子ども達はお土産のハローキティとピカチュウの耳あてを気に入ってくれた。アデーレがハローキティ好きというのは事前に聞いていたがアリオがピカチュウを知っているかちょっと心配だったけど、すぐに「ピッカチュウ~♪」と言って振り回していたので、よかった。特にアデーレは、僕らがいる間、家の中でも外でもずっと耳あてをつけていたので、本当に気に入っているようだった。カワイイなぁ…

食後にはエスプレッソもいただく。さすがに濃くて美味しい。イタリアでは別に妊婦さんもカフェイン取りすぎ注意とは言われないらしい。早くも満腹。ひとしきり話したあとは、一緒にワインを飲んだ(笑)Stefanoの運転で近所の見所をドライブ。数年前に一応飲酒運転禁止に法改正されたらしいがそんなことを気にするお国柄ではない。


出発したのが夕暮れ迫る4時近かったが、家から見えていたカンデラーラの教会の前をまわってノヴィラーラへ。丘の上の小さな集落はローマ時代に築かれ、今は中世のレンガ作りの建物が残る。夕暮れのアドリア海を眺める素晴らしい眺望。教会にはここでももちろん降誕祭の人形Presepeがある。こういう小さく、アクセスのない街は絶対ガイドブックに載ることはないのだが、隠された小さな宝石のような価値がある。ローカルの友人に連れていってもらうことでしか得られない貴重な経験。


日暮れ頃、海岸を4WDで走ってからペーザロの中心街で車を停め市内を散策。この街はロッシーニの生まれたところとして知られており、彼の名を冠した音楽祭も開かれる。大して大きな街ではないが、「ワビサビ」「金太郎」と2軒の日本料理屋があると聞いて驚いた。イタリアにおける和食は、日本におけるイタリアン並にポピュラーなのか?しばらく歩いて、1956年から続くというピッツェリアでピザを一切れずつ食べる。子ども達も普通に一切れ食べている。

ロッシーニの生家

ロッシーニの生家



ロッシーニ音楽院











途中、ローマ時代のモザイクが床下にあるという教会を覗く。教会そのものはゴシックとロマネスクの融合した建物だけど、地下にはローマ時代の人魚や模様を描いたモザイクがあってガラス越しに見えるというわけ。この、時代が積み重なっている感じが面白い。
人魚のモザイクをどこかで見たような気がするといったら、相方にスターバックスじゃない、ってあっさり指摘された。アリオは、ちょっと目を離すと、おもちゃ屋の前で立ち止まっていて、Stefanoに何か言われて帰ってくる。なんて言ってるのか聞くと「I break your bones」だって(爆笑)。


帰宅すると、Stefanoたちは夕飯の支度をするからとお風呂をすすめられ、お言葉に甘えて久しぶりの湯舟を楽しむ。オシャレなバスルームは追い焚きできないのが残念だけど大変心地いい。夕飯はポレンタに、近所の人が採ってきたというキノコと、荒挽きのソーセージを炒めたソース、それに薪ストーブで焼いたステーキ。オリーブをニンニクとオレンジと一緒に漬けたものも美味しく頂く。そしてもちろん赤ワイン、Buono!アリオは家でも困った君で、なかなか言うことを聞かない。


ふとテラスを見ると、セント・バーナードのように丸々した犬が窓を叩いていて驚く。一応、ラブなのかな?80kgくらいありそう…いつも煙突の煙からお肉を焼いているのを察して骨をもらいにくるそうだ。だからこの体格になっちゃったのだろう。時差ボケのせいか少し眠くなってきたので、外へ満天の星空を見に行く。寒さに身が引きしまるが、充実した天体観測を楽しんだ。

子供達はずいぶん遅くまで起きていたけれど、苦労して寝かしつけられる(笑)。お父さんとお母さんはもう子供達の面倒をみるのでくたくた。特にお父さん。

どこかのスーパーの電飾だったというアルファベットの「O」を横にとりつけたおしゃれな棚兼照明をつけて、しばらく彼らが旅行したコルシカやシチリアの写真を見せてもらい、12時頃にはもうみんなお眠。すっかり何もお手伝いせず申し訳ないけれど、ありがたく用意してもらった寝室へ。ファミリーっていいな、と再認識した1日だった。Grazie mille Stefano, Silvia, Adele, Ario and (黒猫の)Pece!

本日の1曲 Eagles「Life In The Fast Lane」

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