2009年12月刊行のホリエモンの著書。ホリエモンの発言はいろんなところで耳にするが、本を読んだのは2冊目かな。おそらく、2~3時間インタビューしたものをライターさんが項立てしてまとめたのだろう。ほぼ1項1~2ページでまとまっていて読みやすい。
2章ではライブドア事件について、自身の勾留所での体験を含め本人の口から説明される。結局のところ、「出る杭が打たれた」ということなのか。検察という国家権力側の考えは分からないが、(東京地検特捜部という組織は)ホリエモンの言うとおり人数に限りがあるから効率よく最大限の効果が発揮できる事件を狙う、というのは実際にあるのだろう。そして、昨年の大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件のように、立件したらプライドを賭けて有罪に持っていく性格も持っていることも想像に難くない。
さて、ホリエモン思考のキーワードは「最適化」「流れに逆らわない」「自分の考えを常識に当てはめない」などで表現されるが、この本を読んで極端なくらいの合理主義者だということがよく理解できた。そして、考え方は非常にシンプル。ただ、周囲がそれについていけない状態にも関わらず、スピードを重視して摩擦を承知で突っ走ったことが最終的に「世界一になる」という目標に近づきながらも手が届かなかった原因なのではないだろうか。そして、「もう若くはないからその夢はあきらめた」という執着心のなさもまた一般には理解されにくいだろう。
僕自身、かなりの合理主義者だと思うが、まだまだ常識の範疇でしかモノを考えられないレベル。またも器の違いを感じる。
以下、読書メモとして抜き書き。
・時間を効率的に最適化する…10時間寝ても残り14時間勉強できる。
・受験は時間配分をはじめとした最適化をすれば成果を出せる
・搭乗券に○○便と大きく書いてあるのは顧客目線がない証拠…顧客が知りたいのは何時にどこから出るか
・情報収集は砂金採りのようなもの…情報処理の場数を踏むと選別のレベルが上がる
・日本人が普通に享受してきた豊かな生活をナシにして自分の力で世界と戦えるようになる
・残存者利益は安定して儲かる市場
・先生や親は自分を教育した世代の思想を受継いでいる→子どもよりはるかに遅れた考え方の押し付けになりがち
・働くことが義務、美徳とせず、嫌な人は無理やり働かなくてもよい社会を稼げる人間が支える社会
・富は増え続けている…パイの食い合いではない
・現代人の勤労は娯楽…食うために必要な仕事ではないものは娯楽と割りきって好きな人がやるものにする
・人間ひとりに対して金を支払うベーシックインカムシステム…シンプルなシステムで小さな政府を
本日の1曲 Queensryche「I Will Remember」
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