金沢での2日目。今日は、午前中金沢市内観光の続き、午後はバスで山中温泉へ移動、16時過ぎにチェックインして、後は温泉三昧の予定。おちゃかれをチェックアウトし、駅のコインロッカーに荷物を預け、観光へ出発。今日は残念ながら曇りのち雨の予報。なんとか金沢にいる間は天気がもってほしい。
昨日はひたすら歩きでしたが、今日は、金沢が誇る?町のレンタサイクルシステム「マチノリ」を利用して、まず長町武家屋敷に行ってみます。自転車だと10分ちょっとで到着。楽勝です。老舗記念館隣のスポットに駐輪して観光開始。
いやぁ、ここいいね。時代劇のセットのような武家屋敷が今でも現役で住居として使用されています。どの家も庭木をきれいに剪定してあり、道にゴミなどもなくきれいです。こういう雰囲気を楽しむところは観光客の少ない朝に来ることをオススメします。水路があるところなど、ちょっと中国の麗江を思い出しました。なぜこのエリアだけ武家屋敷が残っているかというと、江戸時代から現在まで大きな火災に見舞われなかったからだそうです。
旧武家屋敷の多くは、一般の民家(元武士の家)ですが、いくつか改築されて見学できるところもあります。印象的だったのは、足軽資料館です。足軽というと最下層の侍で、戦乱の時代だけに存在していたようなイメージでしたが、江戸時代も足軽という身分は存在していて、多くはないながら禄をもらって生活していたのです。
足軽の家は、平屋で5部屋に屋根裏部屋のある造りです。一番大きく、庭に面した六畳間は客間であったということが、「お客様がいちばん」という日本的おもてなしの原点を表しているなぁと思いました。この思想は、松下幸之助が「お客様は神様です」と言うずっと以前から日本人の思想に息づいていた事が分かります。
武家屋敷エリアを一通り回って、最後に老舗記念館に入ってみました。老舗の薬屋を移設し、当時の雰囲気を再演した博物館です。興味深かったのは、二階に特別展示されたいた結納品一式です。僕自身は、結納などしなかったので、現在どの程度の結納品を用意するのか知りませんが、↓の展示が昭和初期までの一般家庭の結納品という解説を見たときは驚きました。大商人ではなく、一般家庭でこれだけの品を用意していたとは…セレモニーとしての婚礼が随分小さくなってきたのでしょう。
武家屋敷街見学を終え、自転車で川を渡り西茶屋町に移動しました。お茶屋の数は少なく、正直に感想を言えば、東茶屋町に行ったのであればわざわざ来る必要はないでしょう。ただ、個人的にはここの資料館で島田清次郎という作家の生涯を知ることができたのは収穫でした。こんなにドラマチックな作家がいたんですね。
続いて、忍者寺として有名な「妙立寺」へ移動。ガイドブックに予約制と書いてあったので、見学者一人で案内してもらうんだと申し訳ないなぁ、なんて思いながら行ってみたら50人くらいの人がツアー開始を待っていて目を疑いました。
時間になると、名前が呼ばれ、本堂で説明のテープを聞いた後、10人程度のグループに分かれ、ガイドについてツアー開始。グループからはぐれると迷ってしまうので注意、というテープの案内は大げさではありません。非常に複雑な構造のお寺です。忍者屋敷のような隠し部屋があったりするので、「忍者寺」と呼ばれていますが、実際には、忍者とは関係はなく、加賀藩が幕府に難癖をつけられ攻められたときに備え密かに建てられた防御の拠点です。ガイドツアーは45分くらいかけて、落とし穴や隠し階段など、このお寺の秘密の仕組みを見せてくれる非常に面白いものです。拝観料800円とちょっと高いですが、金沢に来たらぜひ行ってみてほしいお寺です。※内部は写真撮影不可
この後は、もう1つの金沢の名所「金沢21世紀美術館」に向かいます。ここは、常設展はほとんどなく、企画展中心の美術館ですが、展示内容だけでなく建築物としても非常にユニークなところです。僕が行ったときの企画展は「内臓感覚」というもので、その名のとおり、ちょっとグロい感じもありました。13のアーティストが作品を出していましたが、一番驚いたのは、自分の息子と同じ名前のアーティストがいることを知ったこと(笑)。残念ながら見学中に雨が降ってきたため、有名な「レアンドロのプール」では、プール内の人と外の人が手を振るという、お決まりの挨拶はできませんでした。この美術館は、基本的にコンテンポラリーアート中心のようなので、何も知らずに印象派の絵画などを期待すると、「何これ!」ということになるでしょう。
もう金沢にいられる時間が1時間ほどしかなくなったので、雨の中自転車をこいで、前田利家が祀られている尾山神社に寄って(この神社、鳥居の代わりに西洋風の門があり、一風変わってます)、その先の近江町市場でそばをかきこんで、金沢駅へ急ぎます。自転車を返却して、コインロッカーの荷物を出して西口の山中温泉行バス乗り場へ。
バスは富山発で、既に10名ほど乗客がいました(全員おばさん)。金沢から乗り込んだ人は僕以外にいないようです。しばらくバスのバックのギアが入らず、大丈夫か???という雰囲気が車内にたちこめましたが、何とか出発。雨なので景色も楽しめず、読書をしているうちに眠りに落ち、気づいたらもう山中温泉でした。
残念ながら山中温泉についても雨は止まず。今日、この温泉街を散策するのは諦めて温泉でゆっくりすることにします。宿泊は山中グランドホテル。この温泉街ではかなり離れにある大型ホテルです。チェックイン時に明日の永平寺行バスを予約しておきます。
フロントにキンチョールが置いてあったのがちょっと気になりましたが(笑)、鍵を受け取り5階の部屋へ。湯快リゾートは、年間通して宿泊料が変わらず、一人部屋の割増もない明朗会計。こうした温泉旅館チェーンは、おおるり、伊東園とこの湯快リゾートの3つが大手のようです。シニアをターゲットに安い価格でコンスタントに部屋を埋めていくこのリーズナブル温泉旅館ビジネスモデルはどんどん広がっていきそうです。
部屋は1人ではもったいない一般的な旅館サイズの和室です。トイレ、洗面台はリフォーム済、内湯は手を入れてないようです。冷蔵庫、金庫、選べる浴衣もあり、安くても手抜きはありません。アンパックしてからさっそく第1回お風呂へ。大浴場は地下にあり、夜中の清掃で男・女湯をチェンジしています。大浴場は十分な広さで快適、もちろん露天風呂もあります。お湯はほぼ無味無臭。ゆっくりつかって体を休めます。
風呂を上がって館内散策。地下にはゲーセン、休憩ルーム、自動販売機コーナーなどがありました。自販機のビール等飲み物の価格もほぼ定価と良心的です。1Fにはうれしいコミックルームがありました。湯快リゾート共通なのか、たまたまこのホテルだけにあるのかは不明です。マンガ喫茶のようにコミックが並んでいますが、多くは昭和の作品という感じで、僕が小~中学生の頃読んでいた漫画が主流で懐かしかったです。はっきり言ってセキュリティはゼロで、持って帰ろうと思えば持って帰れてしまいます。そのため、読む前にはシリーズが全部揃っているか確認することを強くオススメします。なお、フロント近くにはフリーのデスクトップPCが数台ありました。
さて、いよいよ夕食。大食堂でのバイキングです。食事の品数は豊富で、クオリティもグッドでした。いかにも冷凍食品を解凍してきました的なモノはなかったと思います。ここで客層を見たところ、シニア夫婦、家族連れに加え、社内旅行と思われるグループも何組かいたようです。1人は僕だけかも…
結局、この日は雨が止まず、食後もお風呂に入って珍しくテレビなど見て床につきました。
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