飛行機が欠航になった場合の振替・補償について

201641日にJALマイルを使って羽田から小松へのフライトを予約していたのですが、報道されたとおりJALの重量管理システムにトラブルが発生し、9時前から搭乗手続き(チェックイン)ができず、空港で復旧を待っている間になんと「欠航」となってしまいました。

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欠航になった場合の手続きについて、JALでの今回の経験と他社の規定についてまとめてみました。

JALのケース

今回は、僕らが乗る予定だった羽田小松便を含め計46便が欠航になり、羽田空港では、北・南各ウィングで一部カウンターを欠航便専用として対応していましたが、長蛇の列になっていました。

JALでは、原則として、自社の後の便、または他社便への振替を提案するようで、欠航が決まってまず近くにいたグランドスタッフの方に聞いたら上記手続きをするために○番のカウンターに行ってください、と言われました。

JALのウェブサイトでは、欠航の場合は以下の対応になると記載されています。

機材故障等、弊社に起因する遅延・欠航について

機材故障等、弊社に起因する遅延・欠航時に、航空機で目的空港まで移動ができない場合は、他地上交通機関への振り替えを、空港カウンターにて承ります。公共交通機関のご予約や費用の精算につきましては、空港カウンターにてご案内させていただきます。

航空券の払戻額と定期交通機関の運賃を比較し、差額を弊社が定める範囲内にてお支払いいたします。ただし、弊社がお客さまと国内運賃約款を締結した航空運送区間(出発空港~目的空港)以外の費用については負担することができませんのでご注意ください。

悪天候などの理由による変更時に発生する公共交通機関との差額につきましては、お客さまのご負担となり弊社での負担はいたしかねます。

列で自分の順番を待っている間、JALの後発便やANAの北陸方面の便をチェックしていましたが、満席だったり、夕方の出発便しかなかったりで、飛行機での移動は選択肢としてとれないと判断しました。

そうなると北陸新幹線で金沢へ行くのが次のオプションになります。自分の番が来て、「飛行機移動は時間的にロスが大きいので新幹線で目的地へ行きたい」こと、そして今回のフライトがマイル利用であることを告げました。

回答は、「払い戻しをいたします。小松便の場合は大人16,000円、子どもはその半額と決めさせていただいてますがよろしいでしょうか」というものでした。非常にシンプルですね。16,000円という金額は、羽田空港ー浜松町ー東京ー金沢(新幹線指定席)ー小松空港の合計金額とほぼ同額です。払い戻し金額は、代替交通手段を利用した場合の金額とほぼ同じレベルが決められているようです。

そして、数分待つと、封筒に現金を用意して持ってきてくれました。あわせて作成された領収書に氏名を記載して手続き終了です。並んでいる間に、新幹線の時刻や空席状況は確認済だったので、妻子を引っ張って東京駅へ直行しました。

マイルを特典航空券に換える場合、子どもでも大人と同じマイルが必要になるので、子ども分が半額というのはちょっと?というところもありますが、代替交通手段相当額という考えで統一されているのでしょう。

ANAのケース

ANAも先日大規模なシステムトラブルを起こし、150便近くが欠航となりました。その場合の対応はどうだったのでしょうか?

ANAのウェブサイトには、

・機材故障など、ANAの事由によりご予約便が遅延・欠航した(する)場合は、変更または払い戻しを承ります。

・お手続きはご予約便出発予定日の翌日以降も承ります。ご予約便出発予定日より10日以内にお手続きをお済ませください(パッケージツアー・団体旅行は除く)。

とあります。自社・他社便への振替に際し費用が発生しないのはJALと同じですね。他の交通手段を利用した場合の費用負担についてウェブサイトにも規定が以下の通り明記されています。 こちらも考え方は同じですね。

航空機以外の定期公共交通機関(新幹線・バスなど)へ変更される場合は、航空券との差額はANAが負担いたします。
お持ち航空券の「出発空港~到着空港間」以外の交通費は、負担できません。
乗車券・特急券のみの負担とさせていただきます。

運賃の差額は、後日ご精算ください。ご指定の口座へお振込みいたします。

差額の精算は後日でOKということは、欠航が決まった場合、手続きのためにカウンターの長蛇の列に並ぶことなく、自分で新幹線を手配するなりすぐ動けるということなんでしょうね。これはありがたいです。

実際に先日の欠航を経験された方の記録もありました。カウンターで手続きをされて立替費用精算書一式を渡されたようです。「旅や日々のTips&備忘録

スカイマーク、スターフライヤー、エア・ドゥ、ソラシドエアーのケース

スカイマークなどの新興航空会社各社も同様に他社便を含めた振替と地上交通機関利用時の運賃支払を行います。

スカイマークの例

スカイマークが選択する当社便、他社便、またはその他輸送機関への振替

他社便またはその他輸送機関への振替に伴う運賃については、当社が認める範囲において、お支払い致します。なお、当日中の振替が出来なかった場合でも、当社は宿泊の手配並びに宿泊費の支給は行いません。また、翌日以降の振替便に搭乗するための新たな交通費並びに到着空港からの交通費も、当社は負担致しませんので、予めご了承をお願い致します。

LCCのケース

LCCの場合は、自社便への振替か払い戻ししかないのが原則です。LCCは機材に余裕がないので、1便欠航が出るとその影響が大きいと言われたりしますが、実際のデータでは大手と大差ないようです。

しかし、欠航時の対応は、もともと運行本数の少ない自社便か、(購入金額の安い)払い戻ししかないので、当日になってJALANA便に搭乗したり、新幹線に乗ったりするとかなり大きな出費が必要になると思われます。

ピーチの例

ご購入された運賃タイプにかかわらず、弊社に起因する便の大幅遅延・欠航が発生した(する)場合は以下の方法で対応をいたします。この場合、キャンセル、変更手数料はかかりません。

1、Peachの他の便への振替(他社便への振替は行いません)

2、払い戻し

まとめ

大手2社と新興航空会社各社はほぼ同じ補償規定ですが、LCC各社は他社便への振替や地上交通機関を利用した場合の金銭補償がないので、かなり差があります。今回のANAJALのような大規模なシステムトラブルによる欠航は数年に1回あるかどうかのことですが、チケット代の差とこうしたリスクへの対応を考慮して、どこで航空券を購入すべきか慎重に考える方がよいでしょう。

僕自身、今回JAL便が欠航になるという経験をして、不幸中の幸い、新幹線で目的地へ行くことができる路線だったので数時間のロスで済みましたが、カウンターに並んでいる間に「後日の払い戻しを希望する人は、精算に必要な書類をお渡ししますのでご自身で他の交通手段をご手配ください。」という対応をしてもらえるのが時間のロスを考えると理想的かと思います。

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