奈良・京都秘仏めぐり(その2)

観音寺に続いては、三山木駅を挟んだ反対側にある寿宝寺へ向かう。駅から徒歩約5分。こちらは本当に小さな普通の檀家寺で、ここに日本に3体しかない(本当に手が1000本ある)千手観音菩薩像があるとはとても思えない。

チャイムを鳴らすとご住職が出てきて下さり、「ご予約はいただいてますか?」と聞かれた。檀家寺なので、法事が入ったりしたときは拝観をお断りしているので、来てもらったのに見てもらえないのは申し訳ないので予約制ということにしている、とのご説明だった。そうした事情は知らなかったので予約はしていなかったのだが、快く観音堂を開けて下さった。
中には、木造、ほぼ人間サイズで、手がびっしりと生えた?観音様と両脇に2体の明王が立っていた。木目が美しい茶色の一木造だ。平安時代の作で国の重要文化財指定となっている。
観音堂に入ると、まずご住職が般若心経を唱えて下さり、それからお寺や仏様について説明して下さる。


この観音様、正式なお名前は「十一面千手千眼観音菩薩」といい、1000の手の平には眼が書かれているので千手千眼というわけである。千手観音はたいてい十一面四十二臂型で、手1本で25の世界を救うので40本で1000手+普通の両手2本の42本なのだが、ここと唐招提寺、葛井寺の千手観音は本当に1000本の手が付けられている。さすがに1000本の小さな手は一木から彫り出すことはできず、後で付けられている。


面白いのは、この仏様に昼の顔と夜の顔があること。夜の顔を見せるためにご住職が扉を閉めて、懐中電灯で照らして下さった。すると、確かに安らかな表情に変わったのだ。ご住職の種明かしによると、光線の当たり具合で瞼や唇の影ができ、それが表情に変化を与えるのだそう。口には紅がひいてあり、夜のお顔はちょっと艶かしくも思える。

ご住職は、充実したご説明をして下さった上、帰り際には京都にも行くなら…と京都非公開文化財特別公開の招待券をいただいた。本当にありがとうございました。この招待券で京都大徳寺本坊を見学してきました。
[help]寿宝寺: 最寄り駅 JR,近鉄三山木、 拝観料 300円[/help]
本日の1曲 Nina Simone 「My Baby Just Cares For Me」