【読書メモ】リーディング3.0(本田直之著 東洋経済新報社刊)

レバレッジ・リーディング
」から5年、書籍を取り巻く環境は大きく変化した。それは、電子書籍という形態の問題だけでなく、モバイルデバイス、クラウドサービス、ソーシャル・ネットワークの登場によるインプット・アウトプット手段の多様化も大きな役割を果たしている。

リーディング2.0で、読書の概念がパッシブな"趣味の1つ"からアクティブな"自己投資"へと変わったわけだが、「3.0」でもこの概念は核として不動のものだ。ただ、情報収集としての読書について、環境が5年前とは比較にならないほど便利で効率的なものになっている。だから、様々なツールを使ってレバレッジをかけてさらに大きなリターンを得ようということが「3.0」のポイントだ。著者は、それらのツールを活用できなければ、そのうちパソコンを使えないサラリーマンのように周囲から取り残されるリスクさえあるとまで言っている。

中盤「3.0時代に必要な6つの能力」では、かなりのページをEvernoteの活用法に割いている。それだけ、Evernoteが情報の蓄積、サーチ、シェアに適したツールであるということなのだが、このあたりはたくさん出版されている「緑の象さん印」の専門書を読んでいたら飛ばしてもよい部分。
気になったのが、第5の能力としてあげられている"英語読解力"。著者は、翻訳ツールもかなり精度が上がってきて、スマホ経由で音声同時通訳も実用化しつつある現在でも、まだまだ英語力のブラッシュアップは必要という。
英語でしか入手できない情報として、あげられているのは以下の3つ。
・本にならない情報
・速度が鍵を握る情報
・専門書やニッチな本の情報
情報面でアドバンテージをとるために、意識的にこれらのカテゴリーについては英語ソースを見に行ってみたい

スマホ、kindleの項も、ユーザーにとっては今さら感があるが、Popular Highlightsは使っていなかったので今度試してみたい。

<ポイント>
リーディング3.0「5つのステップ」
1. 良いものを効率的にインプットする
(ツール)RSSリーダー
2. ストックと整理を同時に行う
3. サーチの発達で整理が不要になる
(ツール)Evernote
4. シェアで多くの人とつながる
5. フィードバックで自分の情報に磨きをかける
(ツール)Twitter、Facebook

良質なつぶやきは朝に多いから朝にツイートの発信予約をするなど、著者独自の手法もなるほどというものが惜しみなく紹介されている。リーディングというタイトルではあるが、読書術という枠を超えた本田流のITを活用した情報収集・整理術ともいえる1冊。
レベルの差はあるが、方向性としては自分のやり方もずれていないなと確認できたのは素直にうれしい。

本日の1曲 薬師丸ひろ子「すこしだけやさしく」

【読書メモ】カラダマネジメント術!(本田直之著 マガジンハウス刊)

著者の経験を基に、トレーニングを習慣化し健康な体を維持するためのメソッドが数多く紹介されている。この本は30代~のビジネスパーソンを読者と想定して書かれており、カラダマネジメント→タイムマネジメント力の向上→ビジネスにも好影響→生活の質そのものがよくなる、という本田氏お得意のレバレッジが効いているところがただのトレーニング本と違うところ。

著者自身の経験や「実践することで得られるものの大きさ」が明らかにされているからこそ、「早起きしよう」「悪い習慣を絶とう」など、同僚などに上から目線で言われたらムッとしそうな当たり前のことも素直にやってみようという気にさせる。

なので、いざメモとしてメソッドを抜き書きしようと読み返してみると、なんだか記録するほどのことでもなく、どういう生活が身体によいかを考えると誰でも導き出せるようなことが結構多かったりするが…以下、これは参考になるというものをいくつか書きだしておく。

  • トレーニング手法(ex.トータル・イマージョン)は進化している。まずは書籍から自分にあったトレーニング法を見つけ、効率的なトレーニングを行うことが近道。そして、実践→フィードバック→修正→トレーニングの流れを繰り返す。
  • 朝の読書+トレーニングを習慣に
  • アウターマッスルよりもインナーマッスルを鍛える
  • 続ける自信がない場合、外部強制力に頼る トレーナーやチームでのトレーニング
  • 記録によって変化をモチベーションに
  • アクティブレストを取り入れる(休みの日も適度な運動を)
  • 体力の現状を知る(ex. 最大酸素摂取量、無酸素作業閾値)

カラダマネジメントが必要であるという前提は、30代前半までは若さというカラダ資産があるが、それが30代後半くらいから負債に変わっていくという動かしようのない事実である。そして、年齢的に身体能力、代謝の衰えを感じる時期にこの本に出会えたことは大変よかった。筆者の言うとおり、30代からのカラダマネジメントをやるとやらないでは、生活の質が大きく変わってくるだろう 😎

 

本日の1曲 The Rolling Stones「Soul Survivor」