チベットを憂う

久々の更新。先月、引っ越しに伴い、ネットが2週間不通になりその後も不安定な状態が続いていてすっかりBlogから離れてしまった。

さて、ラサをはじめとするチベット人の暴動騒ぎだが、中国政府のプロパガンダには本当に呆れるばかりだ。
(毒入りギョーザ事件でも感じたが)これだけ閉鎖的、恣意的な情報を世界に対して平気で流す姿勢をみると、当初は北京五輪の開催に何の問題も感じていなかった人たちまでもが、やっぱり中国政府のやってることっておかしいんじゃないの、こんな独裁的な国がオリンピックのホスト国になっていいのかと思い始めるのではないだろうか。
いちばんひどいのが、今回の暴動がダライラマ法王の指示によるものだ、という声明だ。中国人は(ダライラマの著作が発禁になっているので知らないのだろうが)殺生を禁じる仏教界の最高指導者で非暴力を訴え続けている方が、暴動を指示するはずがないではないか。法王はチベット人が武力蜂起しても軍や公安によって徹底的に弾圧されるのが目に見えていることをよくご承知だから中道のアプローチで時間をかけて対話の道を探っておられるのだ。

ダライラマ法王が世界的によく知られた平和主義者となっている現在、デマを流しても、欧米諸国など誰も信じるはずがない。
それでもチベットでの外国人による取材を一切認めず、都合のいいデマばかりを流し続ける中国政府、この姿勢が果たしてどうでるのか…

チベットに通算3か月近く滞在してそこに住むチベット人、漢族、ウイグル人などを見てきたことを踏まえて、彼らの感情を考えると、チベット人は当然、もともと彼らの土地だったチベットを侵略され、漢化政策によって自身の宗教・文化に制限が加えられている状況を何とかしたいと思っている。最近見た記事では学校ではチベット語で授業が行われていると書いてあったが、ラサで聞いた話では小学校ではチベット語を話すことが禁止されていると言っていた。
漢族教師は相当数学校に入っている。チベットで働くと手当がついて給料が2倍だか3倍になるらしい。サキャで話を聞いた漢族の教師は金のためだけにここで働いていると言っていた。漢族やウイグル人の商店はチベットにたくさんあるが、彼らは特に優遇策があってチベットに来ているのではなく、単に儲かるチャンスがありそうだから来ているようだ。ある親父は笑いながらこう言った「成都で四川料理の店をやってもなんの特色もないが、チベットならちょっとは違うだろ」と。

チベットに住む漢族について僕自身は何の悪感情は持っていない、むしろチャレンジ精神のある人たちだと思っている。
チベット人の不満が爆発してしまうのは全て共産党政府のやり方に問題があるからで、そこに住む漢族がターゲットになったのは気の毒なことだと思う。

では、外の人間に何ができるかを考えると、答えを探すのが難しいのだが…ひとつは、国際社会が毅然とした態度で少数民族に対する(実質的な)弾圧を非難し、法王の主張するように国連のような中立的な機関による状況視察を認めさせるように訴えていくことではないだろうか。
ミャンマーのデモ弾圧のときは国連特使が出たのに、今回はそういった動きがないようだ。メンツにうるさい常任理事国へ配慮しているのだろうか…

チベット情勢に関し、ダライラマ法王によるプレスリリースなどをダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイトでご覧いただけます。

本日の1曲  川井 憲次「UNREST」

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