書評 世界を変えるオシゴト

ムハンマド・ユヌス氏のノーベル平和賞受賞以降、「社会起業家」という言葉も浸透し、社会起業家について書かれた、あるいは自身が書いた本も多く出版されるようになった。
この本も2人の社会起業家であるマリーとキャロルが自分たちの生い立ちからプロジェクトが起動に乗るまでの軌跡を綴った1冊だ。日本向けに書かれたようで最後は日本進出についての項で締めくくられている。

この本を読んで感じるたは、社会起業家として成功するためには、まず貧困や格差をなくそうという「意志」と、そのエネルギーで人を巻き込む「情熱」、そして「行動力」が大きな要素であること、それらがあってこそ、「」という自分たちの力ではどうしようもないものまで引き寄せられてくるのだろう。

ハーバードケネディースクールという名門校を卒業した彼女たちにとって、ウォール街で途方もない額の給料をもらう生活と、貧困にあえぐ人達の助けになる事業を(リスクを背負って)始めることを天秤にかけるのは(普通に欲のある人間だったら)大変なことだっただろう。しかし、それだけの重い意志があったからこそ、多くの人を巻き込んで「SHOKAY」というブランドが誕生したわけだ。

「SHOKAY」誕生までのストーリーはそれを聞いた人にとって、「SHOKAY」を買うことに特別な意味を持たせ、最高の差別化、ブランド構築となる。ビジネス本的に説明すれば、典型的な成功例なのだが、この本は、そういった人を感動させるストーリーは狙って作れるものではなく、強靭な意志と行動力を持って、数々の困難に立ち向かい、それを打ち破ったときに振り返るとできているものだと気づかせてくれた。

本日の1曲 Bank Band「ハートビート」

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