【読書メモ】超習慣力(ウェンディ・ウッド著 ダイヤモンド社)

2023年の年間目標を達成するためには、年明けなるべく早い段階で目標達成に必要なよい習慣を身につけることが大事だと考えています。一方で「~をしない」目標を達成するためには、悪習をやめることも必要です。

そのため、今年初めの読書は「習慣」に関する書籍を中心にしていくことにしました。以前から「習慣」の力は十二分に認識していて、かなりの本も読んだのですが、まだまだ習慣化→自動操縦状態にできていないことは多々あります。

さて、今年の「習慣本」1冊目として選んだのが南カリフォルニア大学心理学部のウェンディ・ウッド教授が書いた『やり抜く自分に変わる 超習慣力 悪習を断ち切り、良い習慣を身につける科学的メソッド』です。

本書は、習慣に関する研究事例が豊富(30以上はあると思います)で、説得力抜群の1冊です。学者が書いた本なので、日本のビジネス書作家の著書のような読みやすさはありませんが、他者に習慣の話をする際の裏付けにもなるデータ集としても活用できます。

本書でいちばん重要だと感じたこと

”習慣を作るには、意志の力よりも繰り返しできる状況を整え、行動後に報酬を与えることが重要”

覚えておきたいポイント

  • 習慣のメカニズムに よい/悪い はない
  • 一度限りのことは意志の力で実行できるが、継続が必要なことは習慣の力にはかなわない
  • 行動の43%は習慣によるもの。そして、人は習慣でやっていることも意志だと思い込みがち
  • 習慣になってしまえば行動する理由は重要でなくなるが、はじめは目標と報酬が必要
  • 自制心の高い人は成功する確率が高い。状況を変えることで自制を働かせることができる。自制心の高い人は意志が強いのではなく、そもそも目標と相反する欲求を持っていない→よい習慣が身についているから
  • 行動は、近さや慣れといった小さなことに影響されるが、人は自分を取り巻く環境や自分にかかっている重圧が行動に与える影響をほとんど見過ごしている
  • 摩擦を排除し、適切に推進する力を整えれば良い習慣は自動的に始まっていく
  • 習慣が形成されるまでに必要な日数の実験。よい食べ物を取る習慣の場合、実験結果は65日だったが、運動に関しては91日繰り返さないと習慣にはならなかった。しかし、1日や2日休んでも生まれつつある習慣が消えることはなかった
  • 習慣形成のスピードアップのためには、行動を起こす合図となるものの存在感を大きくすると良い
  • ドーパミンは、習慣の学習にかかる時間を決定づける役割を果たす。習慣との関連付けを記憶に植え付けるには、何かを行った直後に報酬を体験する必要がある。毎回の行動の後に報酬を与えなければ、個別の報酬を大きくしても習慣の形成を促さない
  • 習慣の形成には一貫性が大事で、時間という合図はその大きな力となる
  • 習慣が断絶されると、生活の中から古いパターンを排除し、自ら考えることで、自分の目標や計画2週間を同期し直す。その最大の断絶が引っ越しといえる
  • メジャーリーグの選手が球団を替わる際、前年までのパフォーマンスが下がっていて球団を移った場合、移籍後に大幅に数値が向上した。一方、パフォーマンスが良い状態で移籍した選手は、数値が下がった→習慣の破壊をどう利用するかが大事
  • 習慣は、ストレスの影響を受けないので、ストレスが強くなると変化を避ける傾向がある
  • 人間は親しみを覚えること、見当がつきやすいこと、スムーズにできることを安全に感じ、繰り返すようになる。そして、同じ行動を繰り返していると、その行動を好むようになる。そしてそれが自分のやりたいことになる

「書く瞑想」と「丁寧道」

最近読んで、生活習慣に取り入れたいと持った2冊の本が『書く瞑想』(古川武士著)と『丁寧道』(武田双雲著)です。

2冊とも、比較的すぐ読めると思いますし、生活習慣を変える気づきを得られるような本は少ないので、ぜひ一読をオススメいたします。

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【読書メモ】「働き方」「心」稲盛和夫著

京セラの創業者でJALを再生させた昭和~平成を代表する日本の経営者である稲盛和夫氏の著作を改めて読んでみました。「働き方」は2009年の著作で、「心」は10年後の2019年に出版されています。もう1冊「生き方」という本が2004年に刊行されており、稲盛氏の経営哲学三部作といえるものです。

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【読書メモ】どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座 (小宮一慶著 ディスカバー携書)

今年から著者の小宮先生のセミナーに何度か出席し、色々刺激を受けています。お話を聞いていていつも驚かされるのが、その多忙ぶりと記憶力なので、小宮先生の数多い著書の中から「時間力」を選び、読んでみました。

いい意味で期待を裏切られたのが、本書の肝になるコンセプトが「効率よく時間を使う技術」ではなく、「成果を上げられる時間を確保する」という点でした。多くの「時間術」の本で語られるのは、スキマ時間の活用といった話になりますが、成果を求められる仕事を生業にしている小宮先生のようなコンサルトや先生が普段お付き合いしている経営者にとっては、数%の効率化に大した意味はなく、限られた時間の中でアウトプットを最大限に上げることが求められるのでしょう。その本質的な解決策として、やる気のある時間を確保する=時間をコントロールするという方法が挙げられています。

精神的な自由度を高めた状態に訪れる最大限のアウトプットができる時間を「スターの時間」と紹介されていますが、チクセントミハイの言う「Flow」状態と同じゾーンなのかと思います。本書が出版されたのが2009年で、Flowは2008年のようなので、出版当時はまだFlowという言葉が一般的ではなかったのでしょう。

「時間力」というタイトルですが、時間だけではなく、講演や執筆といったアウトプットの効率を上げるためのテクニックにも触れられています。個人的には、講演のポイントはこれからの自分に役立つ部分で、とても勉強になりました。ちなみに小宮先生は『「面白いお話をありがとうございました」は(お笑いをしているんじゃないんあだから)失礼でしょう、「役に立ちました」と言ってくださいよ』と講演の際に笑いを取りながらおっしゃっていました。

小手先の時間捻出ではなく、自分の時間をコントロールして生産性を飛躍的に高めたい方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

以下、覚えておきたいポイントの抜き書きです。

  •  やる気の出る時間をどれだけ確保するか
  •  自分の時間を把握し、やることを把握して時間をコントロールできる
  •  もっともパフォーマンスのよい時間帯を把握し、それを最大限に活用できるようセッティングする(邪魔されない工夫、すぐに取りかかれる段取り)
  •  気持ちはプラスとマイナスしかない=ネガティブな感情とポジティブな感情は併存しない→切替が大事
  • 「志は気の師」目的を持つことでエネルギーが出る。ブレイクダウンではなく、目標のステップアップから目的を見出す方法もある
  •  読書の目的の1つは論理的思考力を高めること、それは論理的思考力の高い人が書いた難解な本を読み解くことで得られる
  •  段取りとは、この後起こることを予見すること
  •  アウトプットのポイントはバリューとインパクト
  •  講演のポイント 1.最初にいかに観客の関心を惹き、聞く姿勢にさせるか(IMPACT) 2.話の内容に価値を感じてもらうか(VALUE) 3.話を聞いて感動し、また聞いてもらえると思うか
  • 自分の得意なこと以外は伝えない
  •  意味ではなく意識が伝わる話をすると、繰り返し聞きに来てくれる
  •  講演の際は最初の2分間だけ練習する
  •  迷う時間をなくす

【読書メモ】JALで学んだミスを防ぐ仕事術(小林宏之著 SBクリエイティブ刊)

ワールドカップグループリーグ最終戦 西野采配への反応を見て
サッカー日本代表はポーランドに1-0で敗戦しましたが、フェアプレーポイントでセネガルを上回りグループリーグ突破を決めました。2大会ぶりの決勝トーナメント進出自体はとても喜ばしいことなのですが、メディアやSNS上では、残り時間が少なくなってコロンビアがリードしているという「他力」に頼り、ダメージを深くしなければ敗戦でよしという意図を持って無難なパス回しに終始した西野采配について賛否両論が巻き起こっているようです。

我が家にはテレビがないので試合自体は見ていませんが、ちょうどこの試合と同じタイミングで読んでいた元JALキャプテン小林宏之氏の「JALで学んだミスを防ぐ仕事術」と重なる部分があるな、と感じ書籍の紹介をしてみることにしました。

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【読書メモ】サクッと起業してサクッと売却する(正田圭著 CCCメディアハウス)

軽いタイトルですが、起業して株式会社を設立するということは、売買を前提としていることを再認識することになりました。著者の言う通り、会社を経営しても役員報酬を得て満足しているのでは雇われているのと大して変わらないと言えるかもしれません。非上場株式会社のオーナーになるということは、自分の会社に投資をしているのであり、経営者であると同時に株主の目線を持っていなければならない、むしろ株主目線の方が重要ということは見落としがちな事実でしょう。
以下、本書で覚えておきたいことをメモします。

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【読書メモ】「小さな習慣」はコロンブスの卵かもしれない

2017年に日本版が発行されたスティーブン・ガイズの「小さな習慣」を読んでみたのですが、この本が非常に実践的で"誰にでもできる"という点で秀逸だと思い、紹介してみます。様々なビジネス書で勧められる「習慣化」を試してみてもうまくいかない場合には、本書を読んでみるとよいでしょう。

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【読書メモ】最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと(マーカス・バッキンガム著 日本経済新聞社)

土井英司さんの「一流の人は、本のどこに線を引いているのか」で紹介されていた多数の本の中でいちばん興味を惹かれ、早速読んでみました。
リーダーシップやマネジメントに関して書かれた本は多数ありますが、僕が読んだ中ではこの本に書かれている「優れたマネジャーは、部下一人ひとりの特色を発見し、それを有効に活用する」「優れたリーダーは、よりよい未来に向けて人々を一致団結させる」という2つは最も”腹落ち”するものでした。
本書の後半は、個人の継続的な成功について書かれており、そこで示される「自分がしたくないことを見つけ出し、それをやめる」という一言も(実際に行うことはなかなか難しいですが)非常に納得できるものでした。

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