【読書メモ】「小さな習慣」はコロンブスの卵かもしれない

2017年に日本版が発行されたスティーブン・ガイズの「小さな習慣」を読んでみたのですが、この本が非常に実践的で”誰にでもできる”という点で秀逸だと思い、紹介してみます。様々なビジネス書で勧められる「習慣化」を試してみてもうまくいかない場合には、本書を読んでみるとよいでしょう。

小さな習慣とは

筆者が本書で何度も例に挙げている小さな習慣が「1日1回の腕立て伏せ」です。それをやる意味があるの?と自問したくなるレベルの簡単な目標にすることで、今までのルーチンをなるべく変えたくないという脳の抵抗感を引き下げ、習慣化のハードルをグッと下げます。
習慣化コンサルタントの古川武士さんの著書でも「ベイビーステップ」という手法で紹介されていますが、あえて簡単な目標設定とすることで確実に毎日達成し、習慣化を図ります。
僕が、数週間やってみて感じたポイントは寝る前でもやっつけでできる目標にしておくことです。例えば、「1日1行日記」や「1ページ読書」などです。あ、今日するの忘れた!と思った時でもやれることにしておくことで達成率が高まるでしょう。

小さな習慣で変化が起こるのか?

新しい習慣を作ることに成功しても、その習慣の負荷が小さすぎて効果がないのではないか?という疑問が浮かびます。
これに対して僕が数週間やってみての答えは、毎日の目標が「腕立て伏せ1回」というものであっても、実際に腕立て伏せを始めると1回で終わることは少なく、10回、20回と時間と体力次第でやってしまうものです。
著者は、物理の「慣性の法則」を引き合いに出して、動いていないものを動かすには大きな力がいるが、動き始めたものを加速させる場合はさほど力がいらないと書いていますが、これは習慣に関しても確かに当てはまると思いました。

モチベーションに頼らない

高いゴールを設定し、そこから逆算して行動計画を立てる場合、どうしてもゴール達成のモチベーションが高い数日はできても、だんだんとその頻度が落ちてしまいがちです。
「小さな習慣」では、一時的なモチベーション、さらに消耗しがちな「意思の力」に頼らなくても脳が自動運転のようにそれを行う指示を出す状態を目指します。この状態でになってしまえば、毎日の歯磨きのようにやろうと意識しなくてもできるようになるでしょう。

まとめ

少し前の情報では、習慣化にかかる期間は約3週間というものが多かったように思いますが、本書で紹介されている実験によるとその期間は個人差が大きいものの2カ月から1年近くかかるそうで、確かにそれくらいは必要でしょう。

それだけの期間毎日行うためには、よほど簡単なことでないと継続しないことは想像に難くありません。あまりにも当たり前のような話ですが、「小さな習慣」の繰り返しが習慣化の一番の近道ではないかと思います。

本書のメッセージは上述の通りでそれを220ページかけて説明しているので、正直なところ、冗長な印象は否めませんが人生を変えるヒントの1つになるかもしれません。

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