燃える商魂

今日もママチャリを借りてアンコール遺跡群を見に行く。
まずは、昨日の続きでアンコールトム内のいくつかの遺跡を見る。アンコールトムというのはクメール語で「大きな町」という意味で、周囲12kmの正方形で囲まれた広大な遺跡群である。東西南北プラス東にもう1つ、計5つの人面城門があり、正方形の中心には昨日見たバイヨン寺院が位置している。
さて、アンコールトムを出て、その北東にある遺跡プリア・カンを訪ねる。ここは非常に広く、そして複雑な構造をしている。損傷も激しいが、他の遺跡にはないギリシア建築風の2階建て神殿があったりして、僕は非常に気に入った。
それから、タ・ケオへ移動。ここは未完成の建物で、外見はピラミッド形の堂々とした遺跡だが、細かい装飾はなく、見るのに時間はかからない。
しかし、ここで毎度のスコールが降り、1時間ほど雨宿りを強いられる。スコールの前には雨雲が広がるとともに、冷たい風が吹くようだ。
ここから、タ・プロームへ。この遺跡は発見当初から修復せずそのままの状態で保存する措置がとられており、まさに廃墟といった趣だ。ガジュマルの木が寺院の壁に覆い被さるように生えており、ジャングルの中の遺跡といった様相を強くしている。
最後にスラ・スランという池に行く。ここは沐浴場で特に建物はないが、非常にアグレッシブな物売りの子供達がいて、長時間つかまってしまった。この子達、なかなか流暢な日本語を話し、営業の基本を習ったかのような「断らせない話法」を展開する。
例えば、Tシャツを買ってくれというので、いらないというと、ガールフレンドはいるか?彼女ににプレゼントしろと返す。また、金がないというと、そんなはずはない、金がない人はそんなブレスレッドなんかできないはずだとくる。あっちの人たちに売りなよというと、あれは韓国人で私は韓国語をしゃべれないからだめだという。お前、今英語しゃべってんじゃねぇか…全く都合のいい理屈を次から次へと考えるのだ。
時にユーモアを交え、ときに真剣に迫ったりと非常にかけひき上手で、初めは適当にあしらっていたが、しまいには感心して何か買ってやってもいいかなと思ってしまう。
ある子などは、あなたは何も買わないといってたのに、食事した。あなたは嘘つきだ。日本人は嘘つきだとじっと僕の目を見つめる。痛いとこをつくなぁという感じだ。
賢く逞しいカンボジアの売り子達を見て、この国の将来に明るいものを見た気がした。与えられることに慣れきった日本の子供には彼らの半分ほどのバイタリティーも持ち合わせていないのではないか。

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