Day200 シャハバ

今日もビザ待ちなのでまた日帰り旅行へ出かける。目的地はダマスカス南東の町シャハバ。ここはドルーズ派といわれるイスラムでも特異な宗派の人が多いらしい。また、3世紀頃の遺跡も残っているという。

ダマスカスのガラージュ・バラムケでスウェイダ行大型バスに乗せられ南へ走ること1時間強。スウェイダとの分岐点で降ろされる。ここからタクシーで行けといわれるが、地図でみるとそう遠くもなさそうなので歩きはじめると、給油していたバスの兄ちゃんが乗ってけという。
「いくら?」
タダ!
礼を言って乗客のいないバスに乗ってシャハバの町へ入る。1〜2kmで町の中心にあるロータリーに到着し下車。アラビア語しかできない兄ちゃんがそっちへ行けと何かを指し示すのでその方向へ行ってみると、黒い石畳の道の向こうに円形劇場と神殿らしきものが見えた。この町の古い建築物は火山岩らしき黒い岩でできているので、新しいものとすぐ見分けがつく。しかし、この黒い岩はどこから運ばれてきたのだろう?
ユニークなのは遺跡ともいえる3世紀ころの火山岩を最近でも土台や家の建築材に使っていることだ。そのため、町の一部エリアは黒壁&黒い建物が続いている。
ドルーズ派に属する女性は黒い服に白いニットのショールをかぶるというのが決められたスタイルらしく、この格好のばあちゃんを多く目にする。が、ばあちゃん未満の年齢層では皆普通の格好なので、ドルーズ派の伝統も消えつつあるのだろう。
このエリアを一通り回って町のメインストリートを歩くと、別の一画が黒岩造りになっており、そこに大きな神殿跡(?)と小さな博物館があった。博物館の目玉はこの近辺で発掘された3世紀頃のモザイク画。7つほど保存状態のいいものが展示されている。絵のモチーフは古代ギリシアの神々(アフロディーテ、ディオニソスなど)が多く、イスラム以前はこの地方がギリシア〜ローマ帝国の影響下にあったことを示している。

博物館を出てダマスカスに戻る。帰りのバスはボロかったが、行きの半額(20SP)。来たときのバスではスウェイダまでの金額を払わされていたのだろうか。
さて、ダマスカスに戻ったはいいが、来たことのないバスターミナルで降ろされた。ダマスカスはセルビス網が発達していて(乗りこなせれば)便利な町だが、バスターミナルが行先ごとにいくつもあるのが困る。バラムケ行セルビスを停めてもらって乗り込むが、降りる場所がよく分からないまま再び市外へ行ってしまった。旅をしていると、たまに降りられずに終点まで行ってしまうことがあるが、それは少し慣れた町で起こることが多い。というのは、ほとんど何も分からない状態だとハナから人を当てにして、ここどこ?と頻繁に聞いたり、○○で降ろしてくれと頼んでおくからまず乗り過ごしは起きない。しかし、中途半端に土地勘を持つと、だいたい一度行った場所の様子は覚えているからルートさえ間違ってなければ自力で降りる場所を見つけられると考えてしまい、1本通りがずれていたりすると降りるべき場所を見失ってしまう。今日もまさにそのパターンだったが、かなり早い時間に戻ってきていたので(ドライバーには悪いが)1時間セルビスから町を眺めているのも悪くなかった。

4時半頃下車して、かつてシリアで働いていた方から紹介されたレストランへ行ってみる。何が旨いのかも知らないので、名前に惹かれ「アレッポ・カバーブ」というのを頼む。というか、正確には「What Aleppo Kabab is like?(アレッポ・カバーブってどんなの?)」と聞いたら、それをオーダーと勘違いされたのだが…
出てきたのはスパイシーなカバーブで美味かった。シリアの食堂では、ホブス食べ放題とはさむ用(?)のピクルス、ラディッシュ、ねぎ等は自動的につくシステムらしい。これはありがたい[:拍手:]
腹いっぱい食べてチェックすると、値段をごまかされていた。もう一度メニューを見てぼったくりを指摘すると、しれっと金額を直してオシマイ。外国人だからぼってみたのか、身なりが悪いから嫌がらせをしたのか分からないがムカツク〜[:怒り:]

本日の1曲 Skid Row「Wasted Time」

↓シャハバの民家に残っていた柱

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