Day287 ヌーリーへ

ナビードの家で朝食をいただいてから、彼とその家族に別れを告げアルバン村を後にする。いちどバラコットまで戻り、フリダバード行のジープに乗ってヌーリーへ向かう。12月に一度来ているのでジープの相場も土地勘もあるので安心だ[:モグモグ:]
フリダバードまでの道は前回訪問時と大して変っていない。道は開いているが相変わらず崖崩れの上に無理やり道を通した箇所がいくつかある。パキスタンでは個人レベルでも政府レベルでも、頑張れば意外とやるじゃんというところもあるが、持久力がなく一段落つくとまたさぼりだす性質があるようだ。緊急事態を過ぎると次にはこれとこれをしなきゃと考える前に、とりあえず休むか…となり、本来やるべきことはどんどん後回しにされていくのだろう[:ムニョムニョ:]
1時間強でフリダバードのバザールに到着、バックパックを背負いなおしヌーリーへ向かって歩き出すと、バザールから一人の若者が声をかけてきた。何となく見覚えがあるが、パキスタン男性の顔を覚えるのは苦手なので誰だか見当がつかない。きっと[:?:]な顔をしていたのだろう。兄ちゃんは「ヌーリーに行くのか?イスラマバードにいただろ?テントNo14!」とうれしそうにハグしてきた。テントNo14!あぁ2週間くらいしかいなかった夫婦か…何となく記憶がある。
彼はまず茶だ、と荷物を持って僕を食堂へ招いた。そこで茶を待っていると、今度はテントNo15のオヤジ(ラフィーク)、それにイジャーズが現れ、ヌーリーに着く前に早くも懐かしい再会となった[:拍手:]
お茶とケーキをいただいている間に「これからヌーリーに行くのか?1人だけか?」など質問を受け、イジャーズ以外の大人2人が一緒に村まで上がってくれることになった。

バザールを出てすぐの路上で一台のジープが停まり、今度はパルヴェイズが現れた。ここで英語が通じる男に会えたのはラッキーだった。彼は「自分はこれから出かけなければならないが4時頃には戻る。この2人が案内するからウチに泊まりなさい。残念だけどサードとハマドは出かけていて明後日まで戻らないんだ。」と言ってジープでバラコットの方へ去っていった。それから急登を上がってヌーリーへと向かう。ここのジープ道も相変わらず巨岩がごろごろしていて復旧作業は全く進んでいない。バックパックをラフィークに持ってもらい手ぶらで坂を登るがそれでもなかなかキツイ。30分ほど登ったところで見慣れた顔がいくつか現れ、パルヴェイズ家の小屋&テントに到着。サルマ、ナディアが出迎えてくれた。小さなナジュマはもう僕のことを忘れてしまっていて怖がって泣き出した[:ポロリ:]
パルヴェイズの家は50mほど先にあるが完全に壊れてしまったので、この平坦なスペースに仮設小屋を作って暮らしているようだ。またお茶をいただき、ここまで連れてきてくれたテントNo14のシェール・ワイズが自分の家で昼食をとるように強く勧めてくれたのでラフィークと一緒に彼の小屋へ向かう。彼にはちょっと健康に問題のある姉がいる。姿が見えなかったのでグルナールはどうしている?と聞くと、今は入院しているという。しばらくして一緒に坂道を上がってきたニワトリがチキンカレーになって出てきた。さすがに新鮮でウマイ。
食後、今日は休むか?それともテント村にいた家族を見にいくか?と聞くので、もちろん早く会いにいきたいと答える。それからラフィークの案内でヌーリーの村を回る。バックパックは置いといてくれてもよかったのだが、どういうわけか彼はずっと運んでくれた。途中でグルタージュ、ナビード、アシヤ、ファルザナ、ジュウェリア、リファット、マリアム、リヤカットたちに会ってラフィークの小屋へ移動。彼の家族(トフェイル、リマ、モビア、ソヘイル)も皆元気だったが、しばらく見ないうちにまた以前の小汚い格好に戻っていた[:たらーっ:]
まだ水道が復旧していないし、寒いからイスラマにいたときのように頻繁にシャワーや洗濯することができないのだろう。いちばん下にあるのはシャクール、ナビーダの家。シャヒーンも戻っていたがオヤジはドバイに出稼ぎ中らしい。
行く先々で想像以上の歓待を受け、お茶をごちそうになる。テント村にいる間、(昼間は仕事に出ていることが多かったので)あまり男連中とは付き合いがなかったのだが、その男たちが次から次へと現れ、ハグを求めてくる。僕はコイツ誰だっけ?と思いながら一緒にお茶を飲む繰り返し。
できれば子供たちと話をしたかったのだが、ここでの僕は完全にゲスト扱いでゲストの相手は家の主人をはじめとする男たちの役割である。そのため子供たちは挨拶をしてからは追い出されてしまうのだった。ちょっと残念だが、また明日にでも改めて来ることにしよう。今日来るときは1泊だけして皆の顔を見たら翌日にはイスラマへ戻ろうと思っていたのだが、会う人が皆引き止めるし、双子(サード、ハマド)にも会いたかったのであと2、3日滞在することにした[:ニコニコ:]
今度はシャクールがポーターになって再びパルヴェイズのテントに戻るとワシームとタヒールが来ていた。ワシーム一家はここから15kmくらい先にある村に住んでいるそうだが、彼だけこの家にいるらしい。
ちょっと休んでから気になっていたザフールに会いに行く。ザフールは100mくらい先から僕のことを認めると喜んで歩み寄ってきた。僕の来訪をいちばん喜んでくれたのが彼だと思う。相変わらず会話にはならないが、彼の横に腰かけて手話?をしているとテント村に戻ったような気持ちになる。ザフールのように障害のある人には特に山での暮らしは厳しいだろう。そして、ほとんど話しかけてくれる相手もなく1日を日なたで座って暮らす生活であることは想像に難くない。いや、むしろ彼以上にその世話をするマディアたちが大変かもしれない。ザフールのオヤジは身振り手振りを交え、ザフールは坂道を登れないので背負われて上がってきたんだ。ものすごく大変だったと言っていた。
日が暮れるころになってパルヴェイズが戻ってきて、村の状況などを聞く。アルバンでは豊富にあったトタン板がここにはほとんど入っていないのがいちばんの問題らしい。長くなったので続きはまた明日。今日はチャイを11杯ごちそうになったのでちょっと胃が重い。

本日の1曲 Destiny’s Child「Stand Up For Love」

↓ヌーリーでの再会

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