Day314 ブッダ・プルニマ

今日はブッダ・プルニマという祝日。シャカムニの入滅を祝う祭りでチベット暦4月15日に行われるはずなのだが、今年はなぜか暦より早い開催のようだ。約20日のラダック滞在中、1つもお祭りを見ることができないと思っていたので、とてもラッキー[:ラッキー:]
8時過ぎ様子見にレー・ジョカンに行ってみると、既に小学生など大勢の人が集まりつつあったので一度宿に戻り、カメラ、数珠などを用意してから再びジョカンへ。期待した以上に盛大なお祭りらしく、盛装した女性たちが次々とやって来る。「ペラク(女性の盛装で使用するトルコ石を縫いつけた長い帽子)」をかぶった女性も数人いたので、さっそく写真を撮らせてもらった。普段レーの町を歩いていても「ティビ(ラダックの山高帽)」をかぶっている女性なんてごくまれにしか見かけないのに祭りになると100人以上現れる。9時前にはジョカン前の広場が超満員になり、鼓笛隊、盛装女性、ラマ、チョモの順に列になって本堂を回ってから外へ出て行く。続いて市民の一部が本堂に入ってカンギュール(経典)をかついでその後につく。そして最後には学生。余裕で1000人は超える人たちが2列になって外へ出て行く。
外へ出ると、派手な装飾をして衣装を着た学生を乗せたトラックが数台列に合流してチャンスパ方面へと進んでいく。僕は数珠を片手に写真を撮りながら列の脇を追い越して先頭を目指す。沿道では住民が経典を頭に軽く載せてくれるよう深々とお辞儀をして待っている。経典を頭に触れさせることでご利益があるわけだ。これはチベットでも見たことがあった。時々、マラソンの給水所のようにジュースやちょっとしたお菓子などを配ってくれる。今日は快晴で日差しが強烈なのでジュースはありがたい[:モグモグ:]
先頭に追いついて、しばらく鼓笛隊や盛装女性、ラマ達の写真を撮りながら一緒に歩く。それからラマ、チョモ隊のいちばん後ろにくっついて参加者と一緒に「キキソソ・ラー・ギャロー」などと叫びながら歩く。ラダックでは(チベットと違い)峠越えのときに「ラー・ギャロー」と言う習慣はないが、こういうときに言うらしい。2時間ほど歩いてラムドン・スクール近くの広いところで休憩。休憩中は鼓笛隊の演奏とそれにあわせておばさん10人くらいが踊っていた。盛装女性はコートに「ボク」というマントまで着けているので相当暑いだろう。皆、花瓶に花(造花だった)を挿し、それを持って歩いている。ティビにはカタが巻きつけてある。
休憩が終わるとナムギャル・ツェモ脇の道まで砂の斜面を登っていく。ここで先回りをして後続の写真を撮る。列は500m以上になっているだろう。坂を登りきるとオールド・レーに入り、ポログラウンドが終点になった。ここでセレモニーが行われるようでリンポチェらVIPが座る席などが用意されていた。カンギュールはいったん席の上部に集められ、ラマ、盛装女性、学生など参加者はちゃんと区分けされて座っていた。
ここで僕は列を離れ参加者からビジターに戻り、観客に混じる。参加者が多いので最後尾の学生たちが到着し、セレモニーが始まるまでにはだいぶ時間がかかった。セレモニーは概ね、スピーチと学生の歌、演奏が交互に続く内容。スピーチはラダッキなので内容は分からないまま何となく聞いていた。たまにプロ(?)の歌手による歌唱やラマの模範問答(?)などが入った。スピーチをまともに聞いてないのはどこの国も同じようだ(笑)。
幸い、VIP席近くのイスに陣取っていたインド人が途中でごそっと帰った(彼らには面白くもないのだろう)ので、その席に座ることができた。見たところ3人のリンポチェが参加されており、いちばん高位の方はピャン・ゴンパのトクダン・リンポチェだという。初めて実際に転生ラマを見た。
セレモニーの途中では参加者にジュース、お茶、サモサなどのスナックセットが配られた。9時から3時間以上歩いたので皆お腹がへっている。子供たちは我先にと争って食べていた。3時頃、トクダン・リンポチェのスピーチが始まったが、ラマですらあまり真剣には聞いていないようだった。リンポチェのスピーチの終わりにお経を皆で合唱し、最後に別の人が締めの挨拶をしてセレモニー終了。皆、適当に帰っていく。
後は積まれたカンギュールを元のジョカンまで運ぶだけ。別に運ぶ人が決まっている様子はなかったので、1巻持たせてもらった。僕だって仏教徒なのだから参加しても問題ないはずだ。列について歩くが、経典は意外と重く、また沿道には頭を下げてタッチしてくれと待っている人が大勢いる。できるだけ多くの人の頭に触れさせてやろうと頑張ったので思った以上にしんどかった。正直、経典を返してからもしばらく腕がしびれていたくらいだ。しかし、生まれて初めて(?)仏教徒として仕事をしたという充実感が心地いい。
宿に戻ってさっそく写真をチェックする。100枚以上撮ったのに思ったほどいいものがなくガッカリ[:てれちゃう:]
やっぱり動きながら数を撮ろうとしてもいいモノはなかなかできないんだなぁ。

本日の1曲 ELT「One」

↓ブッダ・プルニマの行列

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