昨夜、个旧バスターミナルで一番早い元陽行バスのチケットを買っていたのでそれに合わせ7時頃チェックアウトしてバス乗り場へ。个旧は錫の生産地で有名らしいが、車窓から見える景色は全く特別なものはなかった。元陽への道は昨日の快適高速道路は全く使わず、普通道を1時間近く下って川沿いに出たら今度は山道を上がるという時間を食うルート。バスのチケットは新街鎮とい呼ばれる山の上にある棚田ゾーンの街だったが、実際にはバスはその手前にある南沙までで、そこから無料でハイエースに乗り換えるという流れだった。まぁ、こういったことは途上国の旅では日常茶飯事なのでどうってことはない。
元陽はおそらく世界一の棚田がある所で、最近では中国のアマチュア写真家の間で「一度は行きたい」と言われているらしい。僕はここを訪れるのが2回目だが、前回は9月で棚田に水がはっておらず、美しいながらも少々物足りない思いを味わったため、リベンジ訪問としたわけだ。
しかし、山道を上がるにつれ霧が濃くなり、新街鎮についたときには視界30m、眼下の棚田どころか道の反対側がようやく見えるくらいのひどい状態となっていた。そして、高地で日が差していないのでメチャ寒い。
また、バスを降ろされたのが以前使っていたバスターミナルではなかったので、荷物を預けるところも見つけられない。道沿いの安宿で聞いてみるがひどくボッてくるので無視。どうしたものかと迷っているとオート三輪のオバチャンが止まって地図を見せて、ココとココに連れて行って100元とオファーを出してくる。ここは日帰りの予定なので、ミニバスで回るのも効率悪いと思っていたところで、話を聞くと二人で100元なら悪くはないし、乗ってみることにした。
元陽の集落に入るのも有料になっていて、一人60元という半端ではない金額を徴収される。あとはオート三輪「ブルーコメッツ号」(勝手に名付ける)にまかせてのんびり移動。しばらくするとうっすら晴れてきて、最初の展望台では一部の棚田を見ることができた。そして、勝村の集落では露天商が連なる狭い道をトラックや乗用車がむりやりすれ違い大渋滞を起こしている。僕らは運転をおばさんにまかせ、ハニ族の露天を見たり、饅頭を買ったりして楽しむ。
村外れでおばさんに再び拾ってもらい、新街鎮から一番遠いところにある多依樹の展望台へ。幸いここについたときにはかなり晴れていて銀盤を重ねたような幻想的な棚田を見ることができた。宮崎アニメに出てきそうなキノコ屋根の小屋もかわいい。
ここでおばさんを待たせて30分くらい景色を楽しみ、帰路へ。といっても、一直線に帰るわけではない。おばさんは途中でハニ族の村に降ろしてくれ、最後の絶景ポイント覇達の展望台には自分で連れていってくれた。せかずこともなく案内してくれたこのおばさんと「ブルーコメッツ号」に出会えたのはすごく幸運だった。しかし、本当にここの棚田は美しい。とにかく微妙な曲線の重なりが不思議な感覚で、人間の体内組織の顕微鏡写真を見てるんじゃないかという錯覚に陥ったりする。
残念な気象条件ではあったが四時間近く棚田見学を楽しんでバスターミナルへ。やはり以前のターミナルとは違うところに新設されていた。次の目的地建水行きの出発まで1時間あったので市場の上にあるローカル食堂街で食事。ベトナムで麺ばかりだったので久しぶりに米を食べたくなり、米はあるかと聞くと、ないと言われた末、隅っこにある店を指さされた。ここの主食はいったい何なんだろう?
8元の豚肉たっぷりスープ&ライスをいただきバスに乗る。そうそう、ここの名物?は焼き豆腐で網焼きした豆腐を串刺しにしてよく売っている。
半分以上は今朝来た道を戻ってとっぷりと日が暮れたころ建水の町に到着。バスターミナルから町の中心までは2~3キロありそうなので、宿を探しているというフランス人のおばさんとタクシーをシェアして朝陽門まで移動。このおばさんが本気で中国人は親切だ、と言ってたのが不思議。
ガイドブックに載っていた朝陽門大飯店がほぼ半額にしてくれたので、部屋はちょっと古いがここにチェックイン。夜の街をぶらぶらしながら食堂探し、いろんな虫の串焼きが並んでいる店を見つけたのでここでヤゴを食べてみる。予想通りクリスピーな歯ごたえで悪くない。成虫であるトンボも売っていたがヤゴのほぼ2倍の値段、きっと飛んでいるトンボを捕まえる労力が水中のヤゴを捕まえるのの2倍なのだろう。
本日の1曲 Stan Getz & João Gilberto「Só Danço Samba (I Only Dance Samba)」
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