皇居一般参観に行ってみた

意外と知られていないかもしれないが、皇居(といっても宮殿に入れるわけではないが)は事前申込制で一般参観を受け入れている。土・日・祝日は参観できず、申込も7日前までとお役所仕事的な運営ではあるが、Webでも申込が可能なので関心のある方は一度行ってみるといいだろう。

さて、簡単ながら手順と当日の内容をレポートする。
まず、僕の場合は、Webで日程・時間(午前10:00、午後13:30の2回)を決めて申込をした。ナビゲーションがよくないので非常に分かりにくい宮内庁のサイトだが、申込フォームに辿りつき、必要事項を入力すると、許可番号等が記載された参観通知メールが届くので、それをプリントアウトして当日持参する。注意書きには身分証明書を持ってくること、と書いてあったが実際にはチェックはなかった。

集合場所は皇居桔梗門、大手町駅、二重橋駅が最寄だが東京駅から歩いても5分くらいだ。13:00過ぎから人が少し溜まると誘導され門をくぐって待合室となる窓明館に案内される。ここには売店(宮内庁生協)があって、皇居グッズがいろいろ販売されている。菊の御紋入り饅頭(500~1000円)が定番だが、他にもお印入りの一筆箋や袱紗などもリーズナブルな価格で販売されていた。なお、ツアーが始まると窓明館には戻れないので買物はこの時点でするしかない。また、途中はトイレもないのでここで済ませるようにしつこくアナウンスがある。外国人はここでオーディオガイドを借りられるようになっていた。




時間になると皇居紹介のビデオが流れ、視聴後13:45にツアー出発。だいたい横4人くらいの列になって歩く。今回は約110人の参加者で少なめだということ。Max300人くらいになるらしい。
見所1 家紋の入った石垣:江戸城を築城したときに普請をになった諸藩が石垣に家紋を刻んでおり、ここでは薩摩の十字を見ることができる。




見所2 富士見櫓:築城名人として名高い加藤清正が建てたとされる櫓で、1637年の振袖火事で消失したがその後再建された。同じ時に天守閣も消失し、こちらは再建されなかったため、城内で富士見櫓が一番高い建物になった。かつてはここから富士山を望んだため富士見櫓と名付けられたとのこと。


見所3 宮内庁庁舎:入れないので外から見るだけ。地上3階建ての重厚な造りで、宮内庁って意外と人たくさんいるんだなぁ、と思った。一度だけ新年の天皇皇后両陛下ご挨拶にここの玄関上のテラス?が使われたことがあるそうだ。


見所4 宮殿:セレモニーや新年のご挨拶が行われる横長の建物は長和殿と言う。新年に賑わう宮殿前の約4800平米の中庭は柔らかい紀州の白那智石が敷き詰められていて、地下は駐車場となっているそうだ。車寄せが南北2箇所にあり、南は主に外国要人の出入りに使用される。もちろんここにも入れない。たまたまこの日は警察大学校学生のご拝謁にあたっていたようで続々と若い警察官(学生?)が中に入っていった。
脇には「宮殿の南庭」があり、巨大な小山のような刈り込みが2つある。いろいろな樹木が合わさっているが、刈り込みは職人が手バサミで刈り込みをしているとのこと。






見所5 正門鉄橋:宮殿を過ぎたところにある橋。以前は木製で堀が深いために、橋げたを二重に組んで橋の上に橋を作っていたために「二重橋」と呼ばれていたが、現在は鉄製になりましたので正しくは「正門鉄橋」という。脇にはクラシックなランプ?がある。
丸の内側を見下ろすといわゆる「めがね橋」が見える。こちらは「正門石橋」が正式名称で通行はできない。




見所6 伏見櫓:京都伏見城から移築されたので「伏見櫓」と呼ばれ、石垣も櫓も堅牢にできている。現在でも、宝物類がここに収められているそうだ。


見所7 山下通り・蓮池濠:伏見櫓でUターンして再び宮殿前を横切って豊明殿前を通って宮内庁庁舎の裏から富士見櫓方面に戻る。宮内庁裏にあたる通りが山下通りとよばれ、桜が多く静かな通りである。天皇皇后両陛下のお住まいがある吹上御苑方面にある小高い丘が「紅葉山」といい、皇后陛下が蚕を育てられる御養蚕所があるそうだ。山下通りを下ってぶつかる堀が蓮池濠でその名の通り蓮が密生している。ここから旧天守閣方面を見上げるところがちょうどかつての「松の廊下」だったそうだ。

以上でツアーは終了、行程約2km、所要時間1時間15分くらい。荷物を置いている人は窓明館のロッカーまで戻り、それ以外の人は解散、桔梗門から出ることになる。


皇居見学というよりは、皇居敷地ツアーといった内容だが、東京の中心である丸の内から少し離れただけでこんなに静かで緑があふれるところがあるということに驚きを感じた。宮内庁職員はすごくいい職場環境だなぁ…とちょっとうらやましくなったくらい(笑)。
これだけの広さにも関わらず、芝生や生垣などはどこも非常にきれいに手入れされている。見所を辿るだけでなく、そういった部分を見てほしいところだ。

コメント

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