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雅楽演奏会に行ってきた

皇居内の楽部で毎年秋に行われている秋季雅楽演奏会に行ってきた。

これは、宮内庁が行っているもので、演奏は宮内庁の式部職の楽師による。7月頃募集の告知を行い、抽選で参加者を決めている。詳細は宮内庁のウェブサイトに出ているが、往復はがきで3日間の実施日の中で希望する日と午前・午後(1人1回のみ)を書いて送り、通知が来るのを待つ。僕の場合は9月6日に入場券が印刷された通知が来た。初挑戦で当選(しかも土曜日の午後希望)だったので当選確率はけっこう高いのではないかと推察。


当日は、13:30開場、14:30開演だったので12:45頃に皇居の会場に着いたが9割方席は埋まっていた。おそらく会場前に相当並んでいたのだろう。なお、入場に際しては身分証明証と入場券、荷物チェックがある。入場券はそこで回収されてしまう。


観覧席は1階がステージの三方を囲むようにイスが配置、2階にも同様に数列用意されており、ざっと500人収容といったところではないか。演奏中は写真撮影、録音禁止だが開始前、終了後は撮影OK。もちろん楽師はいないのだが…


僕が終了後ひと通り動いてみた感じでは、ベストは2階正面の最前列。ただし、2階席は手すりがあるため3列目以降は見にくいと思う。1階席のステージ周りは白砂利敷で、さすが皇居と思わせる。砂にめり込んでつんのめっているお年寄り数名…
入口で雅楽についての解説と本日の曲について書かれた冊子が配布される。今回(3日間共通の模様)演奏される曲は管弦(演奏のみ)が

  • 黄鐘調音取(おうしきちょうのねとり)
  • 喜春楽破(きしゅんらくのは)
  • 拾翠楽(じっすいらく)

舞楽が

  • 裹頭楽(かとうらく)
  • 長保楽(ちょうぼうらく)

の計5曲。しかし、黄鐘調音取は音合わせで実質1分弱なので曲とは言わないのかもしれない。


開始5分前にブザーが鳴り、無機質な開始アナウンスが日本語、英語で流れる。そこからは解説等一切なく、準備ができたら演奏が始まり、終了したら退場するだけ。せっかくの伝統音楽なのだから、冊子を配るだけではなく聴きどころなどを事前に教えてくれるとより理解や注意力が深まると思う。

さて、まずは管弦。平安貴族のように正装した17名の楽師がステージに上り、演奏を始める。たいてい笙から始まるようだ。ちなみに使用される楽器は笙の他、篳篥(ひちりき)、笛、琵琶、箏、羯鼓(かっこ)、太鼓、鉦鼓(しょうこ)がある。断っておくが、僕が雅楽を聴くのはほとんど初めてのようなもので、知識ゼロである。ド素人が曲について述べてもしかたないので、演奏についての主観はここでは書かない。なお、楽師は全員男性だった。
管弦が終わると15分の休憩に入る。入口左の部屋にポットに入った熱いお茶が用意されているので喉を潤す。楽部庁舎は、いわゆる役所(宮内庁)の一部なので、ステージ以外は普通に仕事をする部屋がある。
ブザーが鳴って後半の舞楽がスタート。舞楽ではステージに上がるのは舞人の4名だけで、演奏者(管方というらしい)はステージ裏で演奏をする。曲によるのかもしれないが、舞楽では巨大な太鼓も使用し、会場が揺れるような音を出していた。


舞は、常に4人が同じ動きをしているのでソロはない。片方の袖を脱いでそれを振袖風にする動きも優雅だ。
裹頭楽が終わると、いったん下がり、衣装を替えて長保楽が始まる。裹頭楽は篳篥、笛が後半かなり激しく自己主張をしているように思えたが、長保楽は全体的に調和感があった。すべての演奏が終わるとまた無機質なアナウンスがあって退場を促される。


反省をこめて素人がアドバイスをすると、貴重な機会なので当選したら雅楽の曲をいくつか聴いて、できれば初心者向けの解説書でも読んで予習をしておくとよいだろう。宮内庁に聞けば、演奏が予定されている曲も教えてもらえるのかもしれない。
西洋音楽とは全く違い、僕なんかはスピード感がなく感じてしまうのだが、悠久の昔はこういう時間の流れの中で皆が音楽や舞を楽しんでいたのだろう。そんな、情景を思い浮かべながら聴くとよいのではないだろうか。


最後に、今回演奏された曲がいくつかYoutubeで見つけられたのでご紹介。
喜春楽破

拾翠楽

裹頭楽

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