元ANA客室乗務員の著者が「100%好かれる1%の習慣」に続いて発行した1冊。人づきあいにおいて気をつけておきたいポイントが多くのエピソードとあわせて紹介されています。
元CAマナー講師が書いた本はたくさん出版されているので、本書も既視感を覚える箇所がありますが、実践しなければ!と思うことはいろいろありました。著者のキャラクターを押し出した編集になっているように感じますが、著者はポジティブであるとともにセンシティブな一面もあるようでその人間性に惹かれ、この人の講演を聞いてみたいと思わせる本業へのうまい導線になってるのでしょう。
「気がきく」というのは、特にサービス業においては、非常に重要なスキルですが、「気がつく」ことはできても、「おわりに」で著者が述べているとおり「行動・言葉・態度で表現する」ことをしなくては、「気がきく」人にはなれません。
本書では、自分から行動することの重要性が説かれていますが、僕としては、現在大きなテーマとして考えている「どうすれば『気がつく人』に変われるのか」という部分についてのヒントがもう少しほしかったなと思っています。「察する力は、よく見ることで身につく」という項がありますが、それだけでは気づかない人を変えられないでしょう…ここは次作に期待したいです。
実践したいポイント
- 「3かけ」1. 目をかけ、2. 気をかけ、 3. 声をかけることで一人ひとりに寄り添う。そして、「3かん」1. 共感、2. 共汗、 3. 共歓 の行動をすることで、自分が相手の味方であることを分かってもらう。
- 「感じの良さ」は生まれつきではない。名古屋経営短期大学西川三恵子教授の研究によると、感じがいい人の特徴は、笑顔(35.3%)、挨拶をする(24.3%)、丁寧に接する(5.1%)で、この3つの当たり前ともいえることを続ければいい。
- 過程に感謝する。行為の結果だけでなく、そこに至るまでの相手の心遣いや苦労を想像し、それを感謝の言葉として伝えることで、相手の喜びは大きくなる。
- 1文字の違いが相手の印象を決定的に変える。エアラインの「本日は、ご搭乗いただきありがとうございました。」と「本日も、ご搭乗いただきありがとうございました。」の違い。タクシーの「渋谷ですか?」「渋谷ですね。」の違い。相手は、自分の言葉をイメージ通りに受け取るわけではない。
- ネガティブな冗談は言わない。笑いをとるためでも、誰かを落とすようなネガティブネタはしない。相手は、自分が思った以上に傷ついているかもしれないと考える。
結局は…
木村拓哉が、機内で一睡もせず凛とした「100%キムタクのイメージ」で通しているのを見た複数のCAが「機内で見た印象に残っている芸能人No1」に挙げたエピソードがよく表していますが、結局のところ、手抜きをせず、100%自分がこうありたいと思える人物像を演じられる人=セルフイメージを高く持つ、常にそのイメージを演じ続ける人が成功するということなのでしょう。
そこまでして頂点を目指すこともないと思うか、全力で走り続けるかはその人次第ですが、自分はどちらで行くのかという覚悟を決めておかないと後々後悔するのではないでしょうか。
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