秘湯「蔦温泉」に泊まってきました

10月末に家族で青森に行ってきました。今回の旅行では、6、7年前に妻と十和田湖に行った際、ここに泊まってみたいねぇ、と話していた蔦温泉旅館に宿泊するのが目的の一つでした。実際に泊まってみての感想を書いてみます。

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ちなみに、僕はWebの記事などを見て「行ってみたい」と思ったところは、「行ってみたい」タグをつけてEvernoteに保存しているのですが、タグがついているところが約50箇所になっています。死ぬまでに全部行くのは既に無理そう…

蔦温泉への道

蔦温泉は、青森から奥入瀬渓流、十和田湖方面に向かう国道103号線沿いにあり、青森から車で1時間強のところにあります。八戸方面からの国道102号線との合流地点にも近く、八戸からもやはり1時間強のドライブで行くことができます。青森-十和田湖を結ぶJRバスも停車するので、アクセスのよいところです。

蔦温泉の宿は「蔦温泉旅館」1軒しかなく、深いブナの森林に囲まれ、1918年に建てられたこの歴史ある旅館の雰囲気が「秘湯」感を醸し出すのでしょう。

なお、蔦温泉旅館では日帰り入浴もできるので、観光バスのコースにもよく入っているようですが、できれば宿泊してゆったりとした森時間を感じてほしいです。

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蔦沼の紅葉

蔦温泉を一躍有名にしたのが、JR東日本の「行こうぜ東北」キャンペーン2014年秋の紅葉だCOLOR!ポスターに使用された蔦沼の紅葉でしょう。目を疑うような深い赤に染まった森が鏡のような湖面に写ったこのポスターを目にして、ココに行きたい!と思った方も多いのではないでしょうか。

蔦沼は、蔦七沼(つたななぬま)の中で最も大きい沼で、蔦温泉旅館からは、遊歩道を歩いて10分ほどのところにあります。今回、10月末にここを訪れることにしたのも紅葉を楽しみたいからだったのですが、残念ながら蔦温泉に着いた日は冷たい雨が、翌朝はその雨が雪に変わるという天候だったため、ポスターのような景色を見ることはできませんでした。

10月31日夕方に訪れた蔦沼はこんな雰囲気でした。

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なお、蔦七沼を一周するコースは3kmほどですが、森のなかでは暗くなるのが早いので、夕暮れ時に散策に行く際は、十分時間に余裕をもって、念のため懐中電灯を持っていくことをオススメします。僕は、日没1時間弱のときにスタートして、かなり早足で回ったつもりですが、最後は暗闇になりiPhoneのライトを頼りに歩くことになりました。

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気になる料金は

蔦温泉旅館は、本館(旧館)と最近改築された西館に分かれており、本館は昔ながらの開き戸式の和室でトイレ・洗面は共同です。西館は、窓際には椅子とテーブルがある一般的な旅館の雰囲気でシャワートイレ付の部屋です。

当然、西館の方が料金は高く、2食付き2人利用15,000円(人)〜のようです。本館は、シーズンによっては12,000円(人)程度で宿泊できるので、さらにリーズナブルです。僕らは、昔ながらの雰囲気が残る本館に宿泊しました。暖房がファンヒーターのため点けっぱなしにできないのが少々気になりましたが、共同の洗面所などはきれいにリニューアルされていて満足でした。

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公式ウェブサイトとじゃらんや楽天トラベルなどでは、多少料金に違いが出るようなので比較してみることをオススメします。

館内の雰囲気

本館は木造で全体的にはうす暗く、傾斜のきつい階段があって、ちょっと忍者屋敷のような雰囲気です。西館は鉄筋コンクリート三階建ての建物で、エレベーターもあるので、お年寄りにも安心です。

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↓本館客室階

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↓きれいにリフォームされたお手洗いと洗面所

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↓本館1階

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↓西館の廊下

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本館の1階には、大町桂月資料館があり、晩年を過ごし本籍を移すほど蔦温泉を愛した文豪、登山家の足跡を辿ることができます。家を留守にすることが多かった桂月が家に貼っていたというルールがユニークで、わが家でも応用しようかと思っています。特に「我がことは自分ですべし子供たち、人を使うな、人に頼むな」はツボにはまりました。

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秘湯蔦温泉

さて、温泉は「久安の湯」と「泉響の湯」の2つがあり、両方とも源泉の上にブナの木で組まれた浴槽が作られており、湯船の底板から湯が湧き出しています。実際、時々あぶくが湧き上がってきます。「泉響の湯」の方が新しく、大きめで男湯・女湯の2つがあります。「久安の湯」は、男女入れ替え制になっています。

「泉響の湯」は、たまたま誰も入っていない時間帯があったので、何枚か写真を撮ってきました。

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↓「泉響の湯」脱衣場から外を見ると…

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なお、いずれの温泉も透明で湯温はかなり高いです。風呂場の高い天井から入ってくる冷気が下に下りてきて、お湯に温められ湯気となって再び上に上がっていく対流が理科の実験のようで、しばらくそれを眺めて楽しんでいました。子どもに対流の説明をするのに、コレを見せたら即納得するのではないかと思います。

食事

蔦温泉旅館の周囲には何もないので、宿泊の際は食事付の選択肢しかありません。夕食、朝食ともレストランでいただきます。夕食は、部屋ごとにテーブルでいただく形式で、朝食はビュッフェスタイルでした。

八戸名物のせんべい汁やシャモロックなど、地元の食材がふんだんに使われていて、味、ボリュームともに超がつくくらい満足なお食事でした。なお、子ども用にはビーフシチューを用意してくださいました。

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アントニオ猪木と蔦温泉

蔦温泉旅館の入口向かって右側に石碑があるのですが、よく見ると「アントニオ猪木」の銘が彫られていました。2015年の6月に猪木さんご本人から贈られたものだそうです。

宿の方になぜ猪木さんが書いた碑があるのですか、と伺うと「猪木さん、よくいらっしゃいますよ。運がよければ会えるかもしれませんよ」とおっしゃったので、かなりの常連さんのようです。アントニオ猪木の元気の秘訣は、この温泉にあるのかもしれません。

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まとめ

温泉、料理、ロケーションと僕が温泉宿に求める要素が揃った蔦温泉旅館。念願叶って家族で泊まることができ、大満足でした。出発の朝はあいにくの雪となり、1泊2日で、紅葉と雪景色の両方を楽しむことができました。

奥入瀬、十和田方面へお出での際は、ぜひ泊まってほしいオススメの宿です。時間がなければ、立ち寄り湯と蔦七沼の散策だけでもいかがでしょうか。

蔦温泉旅館

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