「ゼロ秒思考」の著者が読書術について書いた一冊。読書術とは言っても、いかに読書のスピードを上げるかという速読術のようなテクニカルな内容ではなく、受け身の読書から「攻め」の読書スタイルへの転換、つまり、ビジネスマンの読書スタイルは、読書の時間を作り、必要な本を選び、読んだ内容を自分の血肉としていくことが必要ではないか、ということがメインテーマになっています。
読書の時間をどうやって作るか
上述の通り、読書をするための時間を捻出するというビジネスマンにとって避けられない問題に対して、かなり紙面を割いて著者のメソッドが書かれています。
著者の結論は「読書は時間があるからするものではなく、仕事に必要なものだからそのための時間を確保する」というシンプルなものです。まずは、意識を変えることから始めるわけです。
もちろん、その先には具体的に読書時間を確保するための方法が示されています。まず必要最低限の睡眠時間を知ることから始まり、通勤時間を工夫するなど、僕自身が既にしていることもいくつかありました。読書の時間をスケジュールに組み込んで習慣化しないと、平日だけで週に1〜2冊読むことも難しいでしょう。
読書を減らすことも考える
読書術の本としては衝撃的でした。学生時代の教養としての読書は別にして、仕事に活用するという面では、確かに読書は必要最小限にして、もっと優先順位の高い活動ができないかを考えることが必要でしょう。
限られた時間の中で、アウトプットに結びつかないなんとなくの読書をすることは果たしてプラスになっているのか再考する必要を認識しました。
読書のアウトプット
本を仕事や人生に役立たせようと思ったら、読みっぱなしではなく、行動に結びつけなねればなりません。その方法として、著者が勧めているのが以下の2つです。
読んだ直後にメモを書く…頭に浮かぶまま、A4ペーパー1枚を1分くらいで本を読み返すに書く、メモはフォルダに保存する
チャレンジシートを作る… 1. この本を読んだ目的、ねらい 2. 読んでよかったこと、感じたこと 3. この本を読んで自分は今から何をするか 4. 3ヶ月後には何をするか、どうなっていたいか
最後に、保存したものは定期的にレビューするというステップです。
読んだらブログに書くことも勧められています。ブログのテンプレートにチャレンジシートを組み込むのもよさそうです。チャレンジシートは、読後の習慣として取り入れたいと思うとともに、読む前にコレを意識しておくと「身になる」読書になるでしょう。
アウトプットの方法としては、印南敦史さんの遅読家のための読書術にあった、一読してから振り返り1ラインサンプリング、1ラインレビューを残すというメソッドも、これなら負荷が少なくてよいかなと思ったので、自分にあった、時間をかけずにアウトプットできる方法を考えたいと思います。
気になったポイントメモ
- 分からない部分があっても読み返さない 1回で理解しようという集中力を持って読む
半分はビジネス書、半分は小説を読む…読書の目的は知識や情報収取だけではなく、人の気持ちを学ぶもの これは三谷 宏治さんの戦略読書でも書かれていたことです。 - 情報感度を高める7つの習慣
忙しくても普段からの情報収集を欠かさない
何にでも自分の意見を持つようにする
その意見をあまり遠慮せずに人に言うようにする
結果が今一つでも気にしない
やる気を注入、補強する手段を持っておく
なんでも相談できる相手を各世代2人ずつ確保しておく
自分にはこれができるという自信を持つ
まとめ
本書でいちばんインパクトがあったのは「読書はよいことだ」という既定概念に従って「なんとなく本を読んでいないか」という提言でした。問題意識をもって、なぜこの本を手に取ったのかを念頭に読むことで、アタマに入ってくるし、読むスピードも上がります。
そして、読んだ後は、読みっぱなしではなく、行動に結びつけること。今までの読書習慣を改め、攻めの読書を実践していきます。
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