【読書メモ】リッツ・カールトン 最高の組織をゼロから作る方法(ホルスト・シュルツ著 ダイヤモンド社)

リッツ・カールトンホテルの共同創業者で、現在はカペラホテルのCEOあるホルスト・シュルツ氏が”Excellence Wins”というタイトルで出版した本の翻訳です。ホテルなど接客サービス業にお勤めの方にはもちろん、一般企業の管理職にも役に立つ内容がたくさん詰まった1冊でした。僕が昨年読んだ本の中ではベスト3に入ると思っています。

リッツ・カールトンホテルで有名な「クレド」や顧客の要望を叶えるために各スタッフに2000ドルのバジェットを与えるという徹底した顧客満足の追求をした人物が著者のホルスト・シュルツ氏です。本書では、最上級のサービスの提供による顧客満足の実現がホテルの繁栄につながるということを、多くの実例を挙げて語られています。僕自身は接客業についている身ではありませんが、苦情対応のスタンスやお客様を失う3つの落とし穴など、大変勉強になりました。リッツ・カールトンの企業理念である「ゴールドスタンダード」は同社のウェブサイトにも記載されています。

特に、第2章の「組織を磨く日々の努力」は、管理職として、リーダーになり切れていない自分の問題が書かれているようで、読んでいて耳(目?)が痛かったのですが、オリエンテーションの重要性など、本当に大切なことが書かれています。これから肝に銘じてリーダーシップの発揮に役立てていきたいです。以下に本書を読んで覚えておきたいことを抜き書きします。

顧客の望みを知るために大事なことは、個々の意見に反応することよりも一定期間にわたって反応の推移を継続的に調査すること。

「では、上司と相談してみます」という答えをさせないために2000ドルのバジェットを与えた。

お客様が望む3つのこと 

  1. 欠陥のないサービス
  2. 待たされないこと
  3. 親切で思いやりのある対応 プラス 一人ひとりに合わせた対応

顧客サービスの第一歩は心からの挨拶 
3mの距離になったら必ず歓迎の挨拶をする。最初の4つのコンタクトがよければその後苦情が出ることはほぼ皆無。一方で第一印象が悪いと不満が次々と出てくる。

お客様の要望に沿った対応をする。自分の事情を押し付けない。最後に別れの挨拶をしっかりする。

うまくいかない会社の危険信号:
1.「彼ら」彼らのせいで…
2.「私の担当ではない」→自分の仕事をストップして仲間を助ける文化を育む

問題は表面ではなく根本を突き止め断ち切る。
朝食のルームサービスが遅れている問題の原因はリネンの不足にあった。

成功のための4つの最重要課題 

  1. 既存のお客様を維持する 
  2. 新規のお客様を獲得する 
  3. できるだけ多く利用してもらう 
  4. 上記3つを もっと深く、多く、効率よく実行できるよう常に向上をめざす。

リーダーとマネジャーの違い。リーダーは、できない説明をするのではなく、どうすれば問題を解決できるかを考え、行動する人。 *

リッツ・カールトンの苦情対応スタンス 

  1. 軽く扱わない
  2. 自分のこととして引き受ける
  3. 私が…と言う
  4. 許しを求める
  5. こちらの都合を押し付けない
  6. 専門知識を誇示しない
  7. 物取りのための苦情だと思ってはならない

顧客の種類は3つ 

  1. 不満をいだいているお客様 
  2. 満足しているお客様 
  3. ロイヤリティのあるお客様→ほしいと思っていた商品・サービスを提供できれば他社と比べたりせず買ってくれるお客様 
    ただし、ロイヤリティは継続的なパフォーマンスができて初めて維持される。

お客様を失う3つ 

  1. 間違った効率追求でブランド価値を損う 
  2. 細かなことをおろそかにする 
  3. 傲慢になる

オリエンテーションの重要性:一番大事なことを最初に伝える。「自分たちは誰であるか、夢はなにか、なぜ組織として存在するのか」。まずミッション、大きな展望を胸に刻み込んでもらうことが大事。トップ自身が伝えることが大事。詳細はその後でよい。
ビジョンの共有:ミッションステートメント

人を雇うために:会社のビジョンを明確に告げ、それに共感してくれる生身の人間を招き入れること。

優れた社員の育成  

  1. 適切な人材を選ぶ
  2. 心に届くオリエンテーションを実施する
  3. 個別の業務について適切な指導を行う
  4. 教えたことを定着させる

スタンドアップミーティングで毎日サービススタンダードを確認する
会社の規範は、毎日繰り返しスタンドアップミーティングの場で伝える。これを通してブランドの一貫性を強化する。

人を雇ったら自分の仕事と会社の目標を結び付けさせるのがトップの仕事。

社員をやる気にさせるのは社員自身の目的。個人の目的と会社の関心を一致させる。人間は目的と関係を求めるものだという理解の下に部下と向き合う。適切なマネジメントは、部下を操作することではなく、世話をすること。

リーダーはまず夢を持っている人であること。

ビジョンを決め、以下の4つの方法で実現させる。

  1. 命令ではなく鼓舞することで部下を動かす
  2. ベスト以下の結果で妥協しない
  3. ビジョンから目を逸らさない
  4. 常に改善する

リーダーは、ゴールから目を離さず全員をそこへ導く人であり、その役割は社員自らが目的を果たすために何をすればよいかを考え、進んで実行したくなるような環境を作ること。

実績評価は組織に必ず必要。検査と評価は違う。すべきことは会社のビジョン実現に向けて正しく進んでいるかを判断するためのサンプルを抽出することが評価。

実績評価で測定すべきこと 

  1. 顧客満足度/顧客ロイヤルティ
  2. 従業員満足度
  3. 主要な経済指標 

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